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秋元 康 若さとは、失敗しても戻ってくる力。 立ち止まっている時間はもったいない!

<プロフィール>
秋元 康(あきもと やすし)
1956年生まれ。高校時代から放送作家として頭角を現し、数々の番組構成を手がける。
1983年以降、作詞家として美空ひばり『川の流れのように』をはじめ、中島美嘉『WILL』、
EXILE『EXIT』、KinKi Kids『SNOW! SNOW! SNOW!』ほかヒット曲多数。2005年4月、京都造形芸術大学教授就任。2007年4月、同大学副学長就任。また、京都造形芸術大学と
東北芸術工科大学が両大学に開設した『才能バンク』社会芸術総合研究所の所長を務める。
TV番組『おしゃれイズム』『うたばん』『とんねるずのみなさんのおかげでした』などの企画構成、ラジオ『秋元康のMature style』(TOKYO FM)のパーソナリティー、新聞・雑誌の連載など、多岐に渡り活躍中。企画・原作の映画に、『着信アリ』シリーズ、『伝染歌』など。
また、著書の小説『象の背中』は映画化され、10月27日より全国ロードショー。

「おもしろそう」を形に
 作詞、テレビ番組の企画構成、映画の企画・原作、「AKB48」のプロデュース・・・高校2年生の時から放送作家の仕事を始め、様々な分野で感性を表現し活躍する秋元氏。大学時代はほとんど授業に出ず、行っても近くの喫茶店でずっと原稿を書いていたという。これまで数多くの作品を手がけてきたが、その際アイデア出しに苦労を感じたことはないという。考えてアイデアを出しているのではなく、「おもしろそう」と思った事を実際に形にしてきたからだ。「小さい頃から好奇心が旺盛でした。例えば、カレーライスがおいしい洋食屋さんでは、次に行ったときにカレーライスを頼むのではなく、ハヤシライスを食べるとか」。秋元氏にとって仕事とは、「働く」という意識で動くのではなく、「おもしろそう」を形にする、という事の繰り返しなのだ。

自分だけの感性とは
 秋元氏は学生たちに「呼吸するように」生きてほしい、と語ってくれた。呼吸は意識的にも無意識的にもできる。だがそれを周りと比べたり、周りとの違いを意識したりすることはない。「自分だけの感性」とは、ひとりひとりが持つ呼吸のリズムのように、誰もが持つものなのだ。だからそれを周りと比べるのではなく、自分にピンと来た事やおもしろいと思うことをやる。そして、それに対する周りの批判に流される事なく自分の力を信じ、やり遂げる。「批判や失敗を恐れて立ち止まるのは、人生において一番無駄な事だと思います。僕の経験上、人間はどんなに頑張っても間違えてしまうことはあります。それなら、失敗してもいいからとりあえず動いてみる。すぐに行動に移せば、失敗してもその分早く方向修正が出来るんです」。自身も数限りない失敗を経験してきたという秋元氏のその言葉には、強い説得力がある。「若さとは、失敗してもやり直す力だ」とも教えてくれた。
全力で手を伸ばした1ミリ先に、夢がある
 そんな秋元氏は現在、京都造形芸術大学の副学長を務めている。「お話を頂いた時、スケジュール的にきついので最初はお断りしようと思ったんです。でも、今までの恩返しを何かの形でしたいとずっと思っていて。僕はたまたま放送作家というきっかけに出会えたけれど、誰もがそういうわけではない。若者の多くは、僕と同じような事をやりたいと思っていてもどこから糸口を掴んだらいいのかわからないと思うんです。だからそういう人たちに、少しでもチャンスを与えてあげられたらと考えています」。そう話す秋元氏は自身と学生との触れ合いの中で、学生たちに貪欲さが足りないと感じているという。「もっと必死に、『私はこうやりたいんだけど』とか、『俺はこう思うんだけどどうでしょう』とか、聞きに来ればいいのに。そういう貪欲さがたりないのはとてももったいないと思いますね」と指摘。
「全力で手を伸ばした1ミリ先に夢がある、と思って下さい。応援しています」と力強いメッセージをもらった。

・社会芸術総合研究所(才能バンク)
京都造形芸術大学と東北芸術工科大学が両大学内に開設した組織。所長は秋元康氏。学生の中から才能を発掘しマネージメントを行い、作品の管理・プロモーション活動を行う。また、創造力に富む人材が集まる芸術大学の強みを活かしたシンクタンクとして、企業と連携し創造的な提案を行っていく。総合プロダクション会社が、芸術家の発掘マネージメンまで分野を広げる動きはこれまでにもあったが、芸術大学の中にプロダクション機関ができるのは今回が初めて。

学生新聞2007年10月号より

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