金子隼也 
気持ちの面では誰にも負けない。そんな“負けず嫌い”を成長のバネに

俳優 金子隼也(かねこしゅんや)

■プロフィール

1999年11月27日生まれ、神奈川県出身。2012~14年にNHK「大!天才てれびくん」に出演。その後「ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA」(21~22)に出演、現在ABCテレビ「彼女、お借りします」、NHKEテレ「沼にハマってきいてみた」準レギュラーとして出演中。8月5日には映画「劇場版 ねこ物件」の公開が控える。

中学生の頃から子役として『大!天才てれびくん』に出演。大学受験を経て、昨年から俳優として芸能活動を再開した金子さん。今秋にはドラマに映画と2作品への出演が決定している。そんな目覚ましい活躍ぶりを見せる金子さんに、出演作品についてだけでなく、ご自身の強みや将来の展望など、熱く語っていただいた。

■小学6年生の頃、何もわからない状態から芸能界へ

幼稚園の頃からサッカーをやっていて、幼少期はサッカー漬けの毎日を送っていました。そのおかげか、僕はとにかく負けず嫌いな性格なんです。まさにサッカー一筋の日々を送っていたのですが、小学6年生の頃にフジテレビで放送された『東京DOGS』というドラマを観て、主演の小栗旬さんのかっこよさに感動して……。「自分もああなりたい」と思ったのが、子役として芸能界に入ったきっかけでした。小学6年生で事務所に入り、半年後すぐに『大!天才てれびくん』への出演が決まりました。まだ右も左も分からない状況ながらも、2年間てれび戦士として番組に出させてもらいました。中学3年生になった時、芸能活動と進学のどちらへ進もうかと考えた末、まずは受験勉強に専念することを決めました。芸能界は決して安定とは言い切れない環境ですし、これからどんな未来を選ぶにしても、ある程度の勉強は必要だと感じたからです。結果的に大学受験まで勉強は頑張り続けましたね。

■芸能界復帰のきっかけとなった1本の映画

高校3年生の時に、大学進学後に就職活動をして社会人になるか、あるいはもう一度戻って芸能活動していくのか悩んだ時期があったんです。そんなある日、『湯を沸かすほどの熱い愛』という作品に出会ったんです。この映画を観たときに、あまりに感動して、思わず大号泣してしまいました。その時に感じたのが、「人の心をここまで動かして、喜怒哀楽の感情を与えられるのはすごいことだな」という想いです。自分も作品を観る側ではなくて、作る側の世界に行きたい。その気持ちを抱いたことが「芸能界に戻って、俳優活動をやっていきたい」と強く思ったきっかけになりました。

いま僕は現役大学生で、学業と芸能活動の両立を頑張っています。その上で常に意識しているのが、時間の有効活用です。スケジュール管理も自分なりに努力しています。大学ではメディア社会学を学んでいて、映像制作をするゼミに所属するなど、芸能界のお仕事と密接に関わる事柄を研究しています。自分が大学で学んでいることが、自分の仕事に活かすことができるので、勉強自体もとてもやりがいを感じています。

■「答えは一つではない」と学んだ撮影現場

作品に関わらせていただく経験が増える中で、僕自身、いろいろと考えることが増えました。お芝居をしていて強く感じるのは、「答えは一つではない」ということです。例えば台本を通して自分が考えたことと監督の解釈が違う場合も、時には起こります。そんなときは、監督の意見を聞くことで「なるほど、こういった解釈があるんだ」と勉強になります。自分の考えと全く違う新たな解釈に出会うと、世の中には色んな視点があると強く感じるし、学びにもなります。撮影現場は答え合わせをする場ではなく、様々な考えに出会える場だなと痛感します。

■目標にするのは、妻夫木聡さん

役者さんとして目標にしている方は、妻夫木聡さんです。妻夫木さんが出演されている作品を見ると、存在感はしっかりとあるのに、不思議と自然にその作品の世界観に溶け込んでいるんです。妻夫木さんは妻夫木さんのまま自然体でいるのに、その世界観にマッチしている。その自然さが、個人的に凄いなと思っています。もちろん怪演と言われるように、普段の役者さんとは全く違う姿で演じられる役者さんも尊敬するのですが、いつかは妻夫木さんのように自然体で作品に溶け込めるような役者になりたいです。

■違うからこそ演じるのが楽しかったドラマ『彼女、お借りします』

ドラマ『彼女、お借りします』で演じた役は、基本的に下ネタばかりを言っている役なんです(笑)。でも、友達思いの部分もあって、すごく周りの人を大切にできる男の子です。また、テンションがかなり高い役で、自分の性格とは大きくかけ離れていた人物像だったのですが、違うからこそ楽しんで演じられた部分も大きかったです。
撮影で印象に残っているのは、主人公と取っ組み合いをするシーン。その時、あまりに白熱したがゆえに、気が付いたら、お互いの服に付いているボタンが弾き飛んでいました。お芝居とはいえ、終わった後はお互い「気持ち良かったね」とお話したのを覚えています。

■陰のある少年役を演じた、映画『ねこ物件』

映画『ねこ物件』への出演が決まった時は純粋にとても嬉しかったです。同時に、「ここからステップアップのために頑張ろう!」という思いも強かったですね。

僕が演じたのは、小さい頃に両親を亡くし、愛に飢えている少年の役でした。撮影では彼の孤独や苦しみ、そして感情の変化を自分なりに整理しながら、取り組みました。影を感じさせる彼は、この作品のキーパーソンでもあるので、ぜひ注目して観ていただきたいです。

■同世代の役者との共演は刺激になる

今回の現場は、どちらも同世代の役者さんとの共演が多かったので、お互い刺激を受けながら撮影していました。僕は負けず嫌いな性格なので、同世代の役者さんと共演するときはライバル心が芽生えます。また、以前共演した同世代の役者さんが別の作品で活躍しているのを見ると、「自分も頑張らないと」とより身が引き締まりますね。とにかく気持ちの面では誰にも負けないように、これからも精進していきたいです。

今後挑戦したいことはたくさんあるのですが、NHKの大河ドラマや連続テレビ小説への出演は必ず叶えたいです。そして『大!天才てれびくん』でお世話になった出川哲郎さんと、また共演したいです。お会いできたら、なんと中学生ぶりの再会になります。大きく成長した僕を、いつか出川さんにお見せしたいです!

■massage

大学生のうちに、自分が好きなことをとことん追求してほしいです。どんなものでも一つ突き詰めるものがあれば、将来どんな壁にぶち当たっても頑張れると思います。ぜひ大学生活4年間を大切に過ごしてください。

学生新聞オンライン2022年6月23日取材 慶應義塾大学3年 伊東美優

ドラマ『彼女、お借りします』

世界累計発行部数1000万部突破!の“レンタル彼女”をモチーフにした新境地ラブコメを実写化!

【放送・配信 情報】

ABCテレビ(関西) 7月3日(日)スタート 毎週日曜よる 11 時 55 分
テレビ朝日(関東)7月2日(土)スタート 毎週土曜深夜 2 時 30 分
※ほか地域でも放送予定

【キャスト& スタッフ】

出演:                      大西流星 桜田ひより 秋田汐梨 工藤美桜 沢口愛華
金子隼也 鈴木康介 野口かおる ・ 朝加真由美 木野花
主題歌『シンシア』なにわ男子(ジェイ・ストーム)
音楽:宗形勇輝
選曲:稲川 壮
原作:宮島礼吏『彼女、お借りします』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
脚本:阿相クミコ
監督:山本大輔 、今和紀
プロデューサー:矢内達也 、庄島智之(ファイン)
制作:プロダクション ファインエンターテイメント
制作著作:「彼女、お借りします」製作委員会・ ABC

日本大学4年 石田耕司 / 慶應義塾大学 3年 伊東美優 / 津田塾大学4年 宮田紋子 / 中央学院大学4年 田根颯人

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