俳優 橋本愛
誰かの生きる活力となる作品を届けたい

俳優 橋本愛(はしもとあい)
■プロフィール
俳優。2010年の映画『告白』に出演し、注目を浴びる。2012年の映画『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。現在、NHK大河ドラマ『べらぼう』に出演中。独自の感性を生かしてファッション、書評、コラムなどの連載を持ち、幅広く活躍中。
◆作品の見どころを教えてください
映画『早乙女カナコの場合は』は、さまざまな悩みを持った女の子たちの葛藤が描かれており、多くの人が共感できる作品となっています。
私自身、20歳前後のときは、自分らしさよりもこの業界に馴染むことにすごく努力をしていて、ありのまま生きるという意味も分かりませんでした。カナコが自意識でがんじがらめになってしまうところは、過去の自分と重なりました。
また、この映画はフェミニズムが核にある気がしています。男社会での女性の生き方や、男らしさや女らしさなどといったジェンダーロールとどう向き合っていくのか。その葛藤が今の大学生にも共感してもらえたら嬉しいです。
◆仕事のやりがいについてお聞かせください
さまざまな人の人生を知ることができるところです。俳優をしていなかったら一人分の人生しか経験できませんが、演じることでいろいろな人生を知ることができます。
何人分もの人生が自分の身体の中に入っているのは、お得であるなと感じます。そして、それが自分自身を成長させてくれる存在となっています。
また、作品は社会全体に大きな影響を与える力を持っています。作品を見てくださった方の人生や考え方に影響を与えられることに、大きな喜びを感じます。
私が関わった作品がムーブメントを起こし、世の中に変化を与えることができたとき、俳優としてすごくやりがいを感じます。
◆学生へのメッセージを
大学生は子どもと大人の狭間でさまざまな悩みを抱えている時期だと思います。この作品には、同じるように葛藤しながら生きる人々たちの姿が描かれています。「これは自分の話だ、自分の人生が映画になっている」と思ってくれたら嬉しいです。
学生新聞2025年4月号 国際基督教大学2年 丸山実友

映画『早乙女カナコの場合は』
出演:橋本愛 中川大志 山田杏奈 臼田あさ美 中村蒼
監督:矢崎仁司
原作:柚木麻子『早稲女、女、男』(祥伝社文庫刊)
配給:日活/KDDI
3月14日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開中
(C)2015 柚木麻子/祥伝社
(C)2025「早乙女カナコの場合は」製作委員会

慶應義塾大学3年 山本彩央里/国際基督教大学2年 丸山実友
カメラマン 下田航輔
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