株式会社ハイデイ日高 代表取締役社長 青野敬成

『いくつになっても夢と情熱を持ち続けて』

株式会社ハイデイ日高 代表取締役社長 青野敬成(あおのひろしげ)

■プロフィール
1974年生まれ、愛媛県出身。
らーめん日高でのアルバイトを経て、1999年にハイデイ日高に入社。
店長、スーパーバイザー、エリアマネージャーなどを経て、2017年に執行役員、2019年に取締役執行役員営業管理部長・情報システム室長。2022年5月に代表取締役社長に就任。

美味しい料理を低価格で提供し、ハッピーな1日(ハイデイ)を過ごしてもらうことを目標にする株式会社ハイデイ日高。(主な業態:日高屋、焼鳥日高など)代表取締役社→社長の青野敬成さんは、キャッシュレス決済導入を提案→キャッシュレス決済を導入するなど新しいことに挑戦し続けている。そんな青野さんに、会社の魅力や低価格で提供できる理由などを伺った。

■入社の決め手はアルバイトの6年間で実感した会社の成長

学生時代一番思い出に残っているのはアルバイトです。最初に始めたアルバイトが『ラーメン日高』という弊社の17番目に出来た店でした。他にもバイトをしたのですが、ラーメン日高のバイトを6年間続けられたのは、仕事はきついけれど、こちらが呼び込まなくてもお客様が食べに来てくれるからです。お客様を呼び込みにいかないといけないバイトも多くある中で、働いていたラーメン屋にはお腹がすいたら自然とお客様が来てくれる。それぐらいありがたいことはないなと感じました。私が就職活動していた時代は、入社が決まっても研修中に会社が潰れる→運営困難になることもありました。何を信用すれば良いのか分からない中、選んだのが株式会社ハイデイ日高でした。選んだ決め手はアルバイトをし始めた当時は20店舗しかなかったのが60店舗に増えるという会社の成長を、アルバイトとして働いた6年間で知っていたからです。会社がどんどん潰れていく→事業を縮小していく中でも、この会社なら10年は潰れずに成長するだろう→今後も成長し続けるだろうと思っていました。

■今も生きている“現場”での経験

入社して1年で店長を務め、エリアマネージャーや部長など順調に経験していきました。その後、社長に就任するうえでターニングポイントとなったのが、店長として現場に戻ったことだと思います。それまでは店長たちに指示を出す“会社側の人間”でしたが、現場にはお客様から吸い上げた問題や働いている従業員の意見があります。“会社”と“現場”の間にいるのが店長なので、もう一度店長として戻って見てみると景色が違って見えました。その経験をしたことが良かったなと今でも思います。
社長に就任して、現場の従業員に配ったのが、赤と青の意思表示カードです。100人くらいが集まる会議で「これについてどう思いますか、賛成の人は手を挙げてください」と言っても全然挙げてくれません。でも、意思表示カードを使って「賛成の人は赤、反対の人は青を挙げてくだい」と言うと挙げてくれます。皆さん意思表示をしないことが意思表示だと思っているのですが、一人一人意思を示してほしいので会議や研修がある時は必ず持っているようにと伝えています。また意思表示をすることで、以前よりしっかり話を聞くようになってくれたのではないかなと思います。

■様々なお客様に来てもらうために、新しいことに挑戦し続ける

ハイデイ日高は老若男女、様々なお客様がご利用していただけるお店です。その魅力のひとつは、『食べて飲める店』であるところです。だいたいのお店は、食べるのがメインのお店と、飲むのがメインのお店に分かれていますが、弊社は、昼は定食やラーメンで、夜は「ちょい飲み」と題してアルコールが安く飲めるなど、どちらの側面からも楽しむことが出来ます。食べて飲める店というと、おやじ臭いイメージがありましたが、2019年に店内では原則禁煙、喫煙ルームの設置のルールが出来ました。これがターニングポイントになり子供や女性、家族連れが来るように→女性や家族連れがご来店されるようになりました。他にも女性が→でもお代わりしやすいように、タッチパネルの導入など新しいことに挑戦しましたが、やはり今までやっていたことを変えるのは思っているよりも過酷です。特に2019年のキャッシュレス決済の導入は、システムを変えなければならない点で、非常に難しいことでした。キャッシュレスは私が役員会で提案したのですが、慎重論が多く、最初は反対を受けました。しかし、これから時代は変わってキャッシュレスを利用する人が増える中、その人達がうちを利用しなくなると思い、慎重派の人たちに対して何度もプレゼンをしたり、一方的な意見だけではなくお金の調達に取り組んだりして、実現させました。

■ハイデイ日高が追求し続ける“お得感”

日高屋が手ごろな価格で提供できる理由は、まず餃子や麺などを自社で製造しているからです。麺など、よそで作ったものを仕入れている場合、原料が高くなれば全商品が値上げになります。でも、弊社は→しかし、弊社では多少肉や野菜などが値上げしても→値上がりしても、全体でコントロールすることが出来ます。また、我々→弊社は新しく工場を作らず、既存の行田工場のみで製造することで、コスト削減をしています。そこで問題が起きてしまうと日高屋が全てダメになってしまうので、ある意味リスクでもありますが、結局お得感がないとお客さんに喜でもらえません。ハイデイ日高→日高屋グループは他社よりも最低ライン→トルを安く、「1円でも安くできないか」というところを常に追求しています。ビールは同じメーカーならどこで飲んでも味は同じです。特にうちは→弊社はビールの原価率が高いですが、一杯350円で提供しています。他と比べても相当安く→お値打ち価格で、「350円なら!」とお得感を感じてくれるから飲んでくれるのだと思っています。

■時代を読む力を持つことが大切

世の中はどんどん変わっていきますから、時代をどう読むのかが非常に大事だと思います。予想もしないキャッシュレスが始まり、貯めたポイントでご飯を食べるという時代になってきました。しかし、飲食店のアプリを作り、うち→弊社だけで使えるポイントを発行してもお金はかかるし、実際飲食店のアプリを持っていてもアプリを見てその店に行こうと思う人より、たまたま行ってたまたま使う人がほとんどだと思います。それよりも楽天ポイントやdポイントなど、どこでも使えるものを上手く融合していかないと、これからはダメだと思っています。日高屋では去年の8月に楽天ポイント導入しました。うちの売り上げの半分以上→弊社の売上の約半分以上はは、楽天ポイントかdポイントを持っているお客様なので、お客様の利便性はアップしたと思います。
店舗展開としては現在、宇都宮や木更津→前橋など北関東を中心に広げているのですが、特にロードサイドに注目しています。郊外に店舗を広げていく時にお客様が「なんでこんなに安いの」「何でもっと早く来てくれなかったの」と言っていただくと、今後は関東だけでなくもっと広げていきたいと思います。日高屋を利用できない地域の方にもカップラーメンを作り、コンビニで買える取り組みを導入→トルするなど、日高屋という屋号を広げて、現在は業界2位から業界ナンバーワンになれるように、これからやっていこう→力を入れていこうと夢を描いています。

■大学生へのメッセージ

皆さん、ぜひ、将来の夢を語れるような会社に入ってください。よく、弊社の神田会長は「夢は見るものではなくて語るもの」と言います。語らないと夢は実現できないし、語るは責任を持つということです。夢はずっと見続けられます。いつでも夢を大切にして、語っていってほしいなと思います。あとは情熱です。「情熱に勝る能力なし」とも言いますが、どんなに頭が良くてもどんなに資格を持っていても、生かせなければ意味がありません。ただ語るだけの評論家にならず、情熱をもって“実行”が出来るようになってください。そのためには実行するためには逆算をすることが大切です。人生100年時代ですから、いくつになっても情熱を持っていれば色んなことが出来るはずです。

学生新聞オンライン2024年12月5日取材 東洋大学2年 越山凛乃

高崎経済大学4年 髙橋邑弥/国際基督教大学2年 丸山実友/東洋大学2年 越山凛乃/国際基督教大学2年 若生真衣/日本大学4年 鈴木準希

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