モデル・タレント 山口厚子

夢を叶える力は、自分を信じること

モデル・タレント 山口厚子(やまぐち あつこ)

■プロフィール
1996年4月16日生まれ。福岡県出身。
現在モデル・インフルエンサーとして東京を拠点に活動中。また地元福岡県八女市の”八女市茶のくに親善大使”として活動中。過去に『踊る!さんま御殿‼︎』『今夜くらべてみました』に出演。札幌コレクション2023でランウェイデビュー。写真集制作やバスツアーを企画・実行するなど活躍は多岐にわたる。

「自分を信じて、夢を叶えるために努力を続ける」。そんな信念を持ち、モデル・タレントとして活躍する山口厚子さん。福岡で育ち、一度は就職するも、再び夢を追い東京へ。独立し、試行錯誤を繰り返しながらも、SNSを活用し多彩な活動を展開。挑戦し続ける彼女の軌跡と、大学生へのメッセージを伺った。

小学校6年生のとき、外見にコンプレックスを持っていました。地黒で眉毛も濃く、周りと違うことに悩んでいたんです。でも、ある日叔母が『長谷川純ちゃんに雰囲気が似てる』と言ってくれて、どんなモデルさんなんだろうと本屋で雑誌を探しました。表紙で輝いている姿にすごく感動して『私もモデルになりたい!』と興味を持ちました。長谷川潤さんのナチュラルでヘルシーな姿を見た時、衝撃が走ったのを今でも鮮明に覚えています。自分がコンプレックスだと思っていたことが唯一無二の個性なんだと気づかせてくれたのです。
その後、地元のフリーマーケットで偶然参加したオーディションでグランプリを獲得し、事務所に所属することになりました。自分が選ばれるとは思ってもおらず、「まさか私が?」と信じられない気持ちでした。何が起きているのか分からないまま、驚きと戸惑い、そして少しの喜びが入り混じっていました。
しかし、所属当初はアイドルの候補生としての活動が中心で、「私が目指したいのはアイドルではなくモデルだ」と強く感じるようになりました。そして中学2年生のとき、モデル部門のレッスンを受ける決意を固めたのです。

■挫折を経験しながらも夢を諦めなかった理由

地元・福岡の事務所でレッスンを受けながら、モデルのオーディションに挑戦していました。でも、なかなか受からなくて……。自分の実力不足を痛感しましたし、学業優先の家庭だったこともあり、芸能一本で進むのは厳しいと感じました。
東京の短大進学後は、学業と両立しながらエキストラの仕事にも挑戦しました。現場の空気に触れ、「やっぱりこの世界が好きだ」と再確認しました。しかし、卒業後は一度地元に戻り、和菓子店に就職しました。「親孝行のために地元に残ることが幸せ」と考えていたのですが、心のどこかで芸能への未練があったのです。
目が覚めたのは、妹に言われた「やればいいじゃん」という一言です。3連休を使って東京に行き、かつての業界関係者と話すうちに「私の居場所はここだ」と確信しました。帰りの新幹線で涙を流しながら、両親に「東京で頑張りたい」と伝えたのです。

■仕事をする上で楽しい3つのこと

仕事をする上で、私には3つの楽しみがあります。
1つ目は「撮影」です。撮影の現場では、多くの人と協力して一つの作品を作り上げます。ヘアメイクさん、カメラマンさん、スタイリストさんなど、さまざまなプロフェッショナルと一緒に仕事をするのがとても楽しいです。チームとして一つの目標に向かい、形にしていく過程がやりがいになっています。
2つ目は「形に残ること」です。自分が出演した広告や映像作品が世の中に出て、それを見た人がクスッと笑ってくれたり、ちょっとでも気持ちが明るくなったりすることを願っています。映像作品などで演じた役が視聴者の印象に残ると、とても嬉しくなります。
3つ目は「反響」です。SNSを通じて、ファンの皆さんがリアクションをくれることが本当に励みになっています。仕事を通して誰かの心に残ること、応援してもらえることが、次の仕事へのモチベーションにつながっています。

■夢を叶えるために大切なこと

「願い続ければ夢は叶う」と信じています。私にとって、夢を叶えるために最も大切なことは「行動し続けること」です。例えば、ランウェイを歩くという夢は、26歳でようやく叶いました。14年間諦めずに願い続けたからこそ実現したんです。大切なのは、目標を口に出すこと。自分だけで抱え込まず、誰かに話すことで「やらなきゃ」という意識が生まれます。

不安を乗り越える方法については、「向き合うことが大事」と思います。久しぶりの演技仕事で、台本を3パターン覚えなきゃいけないことがありました。不安でしたが、先輩に相談すると『あなたに依頼が来た時点で自信を持っていい』と言われました。その言葉を受けて、とにかく練習し続けた結果、自信を持って現場に挑めました。

また、このとき気づいたのは、不安にとらわれることは、自分に仕事を任せてくれた人への信頼を裏切ることになりかねないということです。誰かが私を必要として声をかけてくれた以上、その期待に応える努力をすることが大事だと強く思いました。

これからの目標は、より幅広い分野で活動しながら、さらに多くの人とつながっていくことです。地元・福岡での活動を増やし、地域の魅力を発信する仕事にも力を入れたいと思っています。また、いつか妹と一緒にランウェイを歩く機会があれば嬉しいです。さらに、SNSを通じて、より多くの人にポジティブなメッセージを届けたいと考えています。私の活動を見て、「挑戦するのって楽しい」と思ってもらえたら、それ以上の喜びはありません。

■大学生へのメッセージ

大学時代は人生の土台を築く大切な時間です。遊ぶのも、学ぶのも、自分次第。だからこそ、1日1日を大切に過ごしてほしいと思います。特に、周りと比べるのではなく「昨日の自分より成長すること」を意識してほしいですね。
また、「生涯の友人を見つけてほしい」と思います。私が結婚式をした際、参列してくれたのは、大学時代の友人が8割を占めていました。大人になってから友達を作るのは難しいからこそ、大学時代に築く友情は貴重です。楽しいことだけでなく、お互いの弱さも見せ合える関係が、一番の財産になると思います。
挑戦を続ける私の姿が、皆さんの背中を押せたら嬉しいです。

学生新聞オンライン2025年3月12日取材 津田塾大学2年 石松果林

津田塾大学2年 石松果林/城西国際大学1年 渡部優理絵

カメラマン:下田航輔

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