ブラッド・ピット 昨日までの自分を超えていく

俳優・映画プロデューサー ブラッド・ピット

■プロフィール

ミズーリ大学卒業を目前にロサンゼルスに移住し、演劇の道へと進む。TV出演を経て、1988年に『リック』で映画初主演を果たす。『セブン』(1995年)『ファイト・クラブ』(1999年)などで世界的な人気スターに。1995年には映画『12モンキーズ』でアカデミー賞助演男優賞に初ノミネート。『ベンジャミン・バトン   数奇な人生(』2008年)、『マネーボール』(2011年)でも同賞主演男優賞にノミネート。2020年、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でアカデミー賞助演男優賞を初受賞。近年では多くの作品にプロデューサーとしても関わっており、その手腕にも注目が集まる。

2024年12月18日に61歳を迎えたハリウッドスター、〝ブラピ〟ことブラッド・ピット。甘いマスクで名をはせた若い頃をはじめ、色気あふれるイケオジとして現在も活躍している。「トップガン マーヴェリック」のジョセフ・コジンスキーが監督する新作映画『F1/エフワン』がもうすぐ公開する。

卒業式の2週間前に俳優になることを決意

私が大学生のとき、ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻し、広告業界のアートディレクターを目指していました。当時、自分が学んでいた環境からは、俳優になるというキャリア選択などはありえないことでした。しかし、映画が大好きで芝居への興味を断ちがたく、卒業を控えた2週間前に俳優を志すことを決意して大学を中退し、わずかな所持金を握りしめてロサンゼルスに行きました。 ロサンゼルスでは新聞の募集広告を見てエキストラに応募したり、ファストフードチェーンではキャラクターの着ぐるみを着て客の呼び込みをするなどしながら、生活費と俳優養成所の学費を稼いでいました。はじめは端役ばかりでしたが、『テルマ&ルイーズ』(1991年に公開)をきっかけに、ようやく俳優としのキャリアを歩むことができたのです。

■自分にしかできない自分らしい仕事をする

仕事を通して学んだことは、いつでもどんなときでも学べるということです。学びに費やされる時間は個人差がありますが、私たちは学ぶための能力を持っています。常に新しいもの、違うものを探究するようにできています。その学びの過程の中で、失敗や痛みを伴うことはもちろんあります。辛くて眠れない夜もありましたが、幸いにも生き残ることができましたので、自己改革をし続けることが最も大切なことだと思っています。かつての私は、心の痛みをどう扱っていいのか分からず、辛い感情を避けるために逃げていました。そのときは逃げる手段しか考えていなかったのですが今は違います。今は何からも逃げたくないと思っています。全身で観て、聴いて、感じることで辛い夜さえもあえて過ごしてみたいと思えるようになりました。このような気持ちになったことで、自分自身を深く理解できるようになりました。そして人だけではなく、鳥や木など全ての命あるものに対して、感謝の気持ちが自然と生まれるようになりました。このように自分を深く理解できるようになったことで、自分にしかできない、自分らしい仕事ができるようになったと思います。また、俳優として出演する作品や、やりたい仕事を選ぶときは、ストーリーの作者によって決めることにしています。映画は監督の手に委ねられることになりますので、よく書かれた脚本であることも重要ですし、やはり映画を尊敬している製作者たちと仕事をしたいと思っています。これまで長い間仕事と向き 合っていますが、自分が尊敬 している好きな人たちと仕事をしながら、好きなことを好きなだけ探求していきたいと思います。そうすれば不安は消え、本当の自由を得られるのではないかと思っています。人生の中で何を大切にしなければならないかが見えてくるのです。

■映画によって自分を語りたい

私にとって大好きな映画という存在は、未知の文化や場所を見せてくれるものです。私が自分の言葉では語れない素晴らしいものを見せてくれるのが映画なのです。私たちは自分のことがわからず、相手を困らせてしまうことがあります。しかし映画は、私たちは皆同じであることに気付かせてくれます。皆さんは自分が興味のある     ものに対してとことん追求していってほしいです。私はあのときもっと自分が興味のあるものを追求していればよかったと思うことがあります。俳優として、ただ機械的に同じように演じるのではなく、自分だけのストーリーを語るべきだったと思います。自分らしさが生まれない仕事は虚しくなりますし、良い仕事もできません。皆さんも自分だけの”らしさ”を追求していってください。

映画『F1/エフワン』舞台は空から陸へー!

『トップガン マーヴェリック』監督作×ブラッド・ピット主演常識破りのカリスマF1レーサーが仲間を導き、昨日の自分を超えていく! 最弱チームは強敵たちを相手に逆転できるのかー?! 重力も追いつかない、時速300㎞超の映画体験―。超高速"体感"エンターテイメント!

監督:ジョセフ・コシンスキー『トップガン マーヴェリック』
プロデューサー:ジェリー・ブラッカイマー『トップガン マーヴェリック』
脚本:アーレン・クルーガー『トップガン マーヴェリック』 
出演:ブラッド・ピット/ダムソン・イドリス、ケリー・コンドン/ハビエル・バルデム
配給:ワーナー・ブラザース映画

2025年6月27日(金)公開!

公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/f1-movie 公式X:https://x.com/f1movie_jp

学生新聞2025年4月号 学生新聞編集部

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