テリー伊藤 コラムVol.53 10年振りの再会で泉ピン子ちゃんが謝ってきた

泉ピン子ちゃんと雑誌の対談で10年振りに会った。いきなり「テリーさん、あの時は、ごめんなさい。怒って本番中にも拘わらずスタジオを出て行って。海老名香葉子さんが止めるのも聞かずに。」と頭を下げてきた。10年以上前の事で何の事か状況が全く思い出せない。改めて聞くと… 当時私の演出したバラエティー番組にピン子ちゃんが出演した際に、驚くリアクションが欲しくて突然箱からヘビを出した所、大激怒。収録が中断となる大騒動となった。思い出しました。それにしてもピン子ちゃん、よく覚えていました。まして謝罪するなんて。「テリーさん、私も少しは大人になりました!」と、その言い回しの可愛い事。巷で言われている怖いイメージは全く無かった。それより何か一緒に仕事がしたくなってきた。

ピン子ちゃん最近死生観が変わったらしい。芸能界で尊敬する師でもあり親友でもあった森光子さんと橋田寿賀子さんの死と向き合い、私も終活しなくてはと身の回りの宝飾品を半分以上知人にあげてしまったそうだ。その後ふと我に返った時に、また宝飾品をせっせと買っている自分がいるのに気付き「もう終活や~めた」となった次第。今度プレゼントするとしてもブランドバッグに “ピン子” とマジックでサインして転売はさせないと鼻息は荒い。こんな調子で全ての話が面白い。

そこでピン子ちゃんに相談。私も無駄遣いの王様なので「ピン子・テリーの無駄遣い珍道中」の企画をテレビ局に売り込みに行こうと話したら大乗り気。「私ギャラ安くても構わない、入浴シーンもOK、演出に口を挟まないし途中で家に帰らない。ロケ弁にも文句を言わない。でも近頃の芸能界の文句は言わせて貰います。」とやる気満々。番組タイトル『ピン子、テリーの無駄遣い珍道中』先ずは渋谷、原宿、新宿を徘徊し、気になるお店で無駄遣い三昧。夜の歌舞伎町ホストクラブにピン子が初入店を果たし、どんなタイプの男性を指名するのか。鎌倉の由緒あるお寺に行き、長き芸能生活を歩んで来ての懺悔話をご住職に聞いて頂き「有難い喝」を頂く。勿論グルメあり、愚痴、怒り、サーフィン挑戦ありの盛り沢山。

そんな訳で局に提出の企画書も出来上がり、近いうちにプレゼンを予定している。もちろん1回の特番で終わらせる気はなく、2回目は京都篇、3回目は金沢、4回目は北海道と企画は拡がるばかり。どこまで実現するかわからないが夢は持たないと。それにしても10数年振りに再会したピン子ちゃんの謝罪から始まった物語、何とか実現させたい。頑張ります。

テリー伊藤(演出家)

1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。
2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。
その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。
著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。
演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。
YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ
LALALA USAでコラム連載中
https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

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