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「ENT NEXT class~好きを未来に~」開催

株式会社アミューズ、エイベックス株式会社、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社ポニーキャニオンは、エンタテインメント業界におけるサステナビリティアクションを活性化することを目的にした合同プロジェクト「ENT NEXT ACTION」を進めています。
「エンタメ4社が一緒に新しい明日をつくる」を共通理念に掲げ、4社が集まることで生まれるパワーで少しずつ前に進めると信じ、毎月の定例ミーティングや各種アクションの企画を実施しています。
その第一アクションとして、「次世代を担う子どもたちに、将来を明るく思い描いてほしい」という想いのもと、2025年9月30日、東京都多摩市立和田中学校でキャリア教育プログラム「ENT NEXT class~好きを未来に~」が開催されました。
エイベックスの「avex class」に賛同した3社が特別版として実施し、各社から異なる職種の社員が登壇しました。アミューズからはアーティストマネージメントに携わる依田剛大さん、ソニー・ミュージックエンタテインメントからはアーティストの海外進出に携わる増田雅子さん、ポニーキャニオンからはアニメ製作に携わる鎗水善史さんの3名がエンタメ業界の仕事や選んだ理由について話しました。
またDJ KOO(TRF)さんが「やりたい! を叶えるために大切にしていること」をテーマに講演しました。

■トークセッション

登壇者
◇株式会社アミューズ 依田剛大
◇株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント  増田雅子
◇株式会社ポニーキャニオン 鎗水善史

―― なぜエンタテインメント業界で働くことに?

依田:中学の時はサッカー選手を本気で目指していたのですが、高校でサッカーをやめることになりました。今までずっとサッカーしかやってこなかったので、心にポッカリと穴が空いたんです。絶望を感じていたとき、テレビで明石家さんが自身の失敗話を笑いに変えて消化している姿を見て、すごく勇気をもらいました。ふと自分の人生を見直してみたると、エンタメに救われたていたことを思い出し、この業界で働くことが自分の幸せなんじゃないかなと思いました。
増田:元々音楽もエンタメも好きでしたが、好きなことは趣味でいいと思っていました。大学のダンスサークルで、圧倒的な才能を持つ人を目の当たりにし、自分はここで一番にはなれないと感じました。センターで踊ることが自然と似合う人を見つけ、その魅力を引き立てる側に回り、ダンスショーをより映えさせる裏方の作業をするほうが、楽しいと気づきました。裏方でもワクワクする仕事がたくさんあるんじゃないかなと思い、最終的にエンタメ業界に絞って就職活動をしました。

鎗水:ハリウッド映画がずっと好きだったので、映画や映像に関わりたいと思い、この業界に興味を持ちました。映画をたくさん観ているので「あの映画のシーンのような感じですよね」とアニメの脚本家の方とイメージが分かち合えた時、昔から映画を観てきた経験が活きているなと日々感じます。

――仕事で一番大変だったことは?

鎗水:コロナ禍が一番つらかったですね。不要不急と言われていましたが、楽しく生きるにはエンタメが必要不可欠だと痛感しました。声出しOKのライブができた時は、自然と涙が出ました。

増田:海外だと常識が違うことです。以前、タイで「何時に来て」と言われて、向かったら、渋滞で目的地が目の前に見えているけどなかなかたどり着けなかったんです。この経験から自分の常識で決めつけずに、現地の方に協力してもらいながら最善をつくすというマインドを持つようになりました。

――「エンタテインメント業界が楽しい!」と感じるのはどんな瞬間?

鎗水:ファンのみなさんの声を聞いた時です。アニメは長い時間をかけて作っているからこそ、感想をSNS上で見たり、ライブ会場でお客様が盛り上がっているのを観たりするのが楽しいです。

増田:レコーディングですね。アーティストの方が歌い始めた時、とてもワクワクします。第一声が聴けるのはすごく貴重なことなので、自分が感じた熱量をそのままお客様に届けられるように努力しています。

――中学生へのメッセージ

鎗水:好奇心を持ってほしいです。例えば好きな人が聴いている音楽への興味から、その音楽が主題歌となっている映画を観て、その映画監督の過去の作品も観てみようという理由でもいい。入口はなんであれ、ぜひいろいろ興味をもってみてほしいです。

依田:今好きなことがある人は、自分はどこまで行けるのか試してみてほしいですね。まだ見つかっていない人は、いろいろ取り組んでいるうちにこれかも!と思えるものが見つかるかもしれないです。

増田:今思えば中学生の頃の私は、「これは自分に合ってない」と勝手に選り好みしてしまっていたと思います。向いているかどうか一度トライしたら判断できると思うので、苦手そうに見えることでもまずは挑戦してみてほしいです。

■DJ KOO(TRF)さん講演

中学の時はロックギタリストになりたかったんです。そこからロックバンドを組んでいろいろと活動したけど、上手い人がたくさんいて、挫折しました。でも音楽は好きだったので、仕事にしたいと思っていました。そんな中ディスコに行った際、DJの周りでみんなが盛り上がっている姿を見てカッコいいと思い、DJを始めました。
高校時代ラグビー部に入って、言われたことをやる力が身につきましたね。そこから、目の前にあることをとにかくやる。そういう過ごし方をしてきました。このスタンスがエンタメにも繋がっていると言えます。
やりたいことを思うことはナイスなことです。それをまずは友達や家族に話してみましょう。言葉に出すことでどんどんイメージが具体化していくと、楽しくなってきますよね。一人で考えるだけではなく、人と話すことでそんなアイデアもあるんだと気づけます。
心がけていることは、自分でここまでで良いと思わない、そこからどうやって工夫していくか考えていくことです。エンタメには満点がない。100点以上を積み重ねていくことが求められます。反対に誰か響いてくれる人がいるからこそ0点もないと思います。
日頃の準備や自分の気持ちを高めていくことがエンタメの世界では重要で、そこに感動が生まれます。偏見をもったり考えすぎずに、まずは一歩踏み出してみることが大事だと思います。

学生新聞オンライン2025年9月30日取材 青山学院大学1年 松山絢美

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