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アサヒグループ食品株式会社 マーケティング二部 アマノフーズブランド商品開発担当 吉岡千里 / マーケティング二部 アマノフーズブランド広告販促担当 野村海帆

「体は資本」。技術と知恵で、食の豊かさを追求する。

アサヒグループ食品株式会社 マーケティング二部 アマノフーズブランド商品開発担当 吉岡千里

2018年アサヒグループ食品株式会社入社。首都圏エリアにおいて量販営業を経験した後に、2022年よりマーケティング二部に配属。主に、新商品の企画開発に従事し『いつものおみそ汁』シリーズを担当。

アサヒグループ食品株式会社 マーケティング二部 アマノフーズブランド広告販促担当 野村海帆

2019年アサヒグループ食品株式会社入社。首都圏エリアにおいて量販営業を経験した後に、2022年よりマーケティング二部に配属。主に広告販促業務に従事し、オウンドメディアの運営やメディアタイアップ企画を担当。

フリーズドライ食品のパイオニア、アマノフーズ。今回はマーケティング部門に在籍する吉岡千里さんと野村海帆さんに、入社のきっかけから商品開発の裏側、そして顧客との向き合い方まで、食への熱い思いを伺った。

■入社を決めた理由

吉岡: 私が入社を決めたきっかけは、大学生の時に病気を経験したことです。当時、大学で所属していたゼミの教授から「体は資本だよ」と言われ、健康な体がなければ何もできなくなると痛感しました。健康の基本は十分な栄養です。だからこそ、その経験から、食品に関わる仕事がしたいと強く思いました。なかでも、自分が心から「美味しい」と思ったものを売りたいと思ったことが、数ある食品会社の中でもアサヒグループ食品に入社を決めた一番大きな理由になります。

野村: 私にとって生きるモチベーションは、美味しいものを元気いっぱい食べることです。そのため、食に関わる仕事がしたいという想いがまず先にありました。また、ゆくゆくは商品開発や広告販促に関わって、自分が「発信する側」のマーケティング系の仕事をしてみたいとも思っていました。アサヒグループ食品は、面接の過程で希望を聞いてもらいやすい社風だと感じたこと、社員の人の良さや雰囲気の良さを感じられたことが決め手となりました。

■フリーズドライの技術力を武器に、顧客へ「美味しさ」を届ける

吉岡(商品開発): 現在、私はマーケティング部に所属し、商品開発に関わっています。現在、アマノフーズでは、短期、中長期的に策定した戦略に基づき商品開発を行っています。特徴としては、自社の工場を岡山に持っている点が挙げられます。商品開発をする際は、我々マーケティング部だけでなく、開発部や岡山工場との連携を取りながらプロジェクトを進めます。フリーズドライという技術を活かした商品で、競合他社にはない「美味しさ」を提供しています。企画から商品化までは短くて半年ほどかかります。苦労するのは味作りです。試作品ができるまで1週間ほど時間がかかるため、お湯を注いで出来上がるまで最終的な味がわからないという難しさがありますね。

野村(広告販促): 私は広告販促をメインで担当しています。アマノフーズというブランドをより多くの人に知ってもらい、なおかつすでに存在をご存じの方にはブランドへの理解を深めてもらうための活動を行っています。具体的には、ブランドサイトやSNSの公式アカウントといったオウンドメディアでの発信や、Web動画の制作・配信などを担当しています。この仕事で苦労するのは、「誰に何を伝えたいか」を明確にすることです。制作の過程で、よりユニークな表現などに心がブレそうになることがあるのですが、最初に定めた「何のためにこの広告を実施するのか」という目的に都度立ち返り、「アマノフーズブランドとして一番伝えたいことは何か」「届けたい人に一番刺さる表現は何か」を考えるようにしています。

■「美味しさ」を追求するための妥協なきこだわりと、独自のマーケティング戦略

吉岡: 商品開発において一番意識していることは、味に対して妥協しないことです。なので、なるべく味作りを行っている研究所に足を運び、担当者と直接会話をすることを心がけています。研究所の方は私たちが知らない原料を使っていることがあるので、「なぜこれを使ったのですか?」「なぜこの配合にしたのですか?」と聞き、配合に込められた意味を深く理解するようにしています。その他にも、消費者のニーズを把握するためにも、市場データや競合他社のトレンドはもちろんですが、共働き世帯の増加など「世の中の時流」をメンバー全員で把握していくようにしています。

野村: 私たちはフリーズドライ食品のパイオニアとして、技術力と美味しさへのこだわりを大切にしています。例えば、人気のなすのおみそ汁は、なすを素揚げしてからおみそ汁に入れるという、家庭ではなかなかできない「ひと手間」をかけています。こうすることで、なすのじゅわっとした食感とコク深い旨みを引き出しています。また、具材に合わせて味噌と出汁の種類・配合を変えるなど、美味しさのための手間暇を惜しまないのがアマノフーズのこだわりです。
さらに、高品質の商品を求めている層に対して、生活に密着した情報を発信し、そこを接点にアマノフーズを知ってもらうための取り組みも行っています。生活の質を重視しており料理好きである方々に向けて、食材の豆知識や料理家さんのレシピなど、日々の生活に役立つ情報をお届けするとともに、“一瞬で「つくりたて」の美味しさ”が楽しめるアマノフーズの商品も併せて知っていただけるようなアプローチをしています。企業の一方的な押し付けにならないよう、お客様の生活に寄り添う形で認知につなげる工夫をしています。

■「体験」を通じてファンと繋がり、ブランドをより身近な存在へ

吉岡: アマノフーズをもっと親しみやすいブランドに育てていきたいです。当社から発信しているのは時短や簡便といった機能面が前に出ることが多いのですが、味に妥協しないこだわりや、生活に役立つ情報発信を通じて、お客様の役に立ちたいという思いを伝えていきたいです。今は「価格が高くて手が届きにくい」と思っている方もいるかもしれませんが、生活に溶け込むようなブランドにしていきたいと考えています。

野村: 私は今後も、お客様に「体験してもらう場」を作っていきたいです。当社の商品は一度食べてもらえれば良さが伝わるという自信があります。そのため、おにぎりとアマノフーズのおみそ汁をセットで100円で提供する試食イベントを実施しました。今後はアマノフーズのファンコミュニティも強化し、ファンの方々と双方向のコミュニケーションができる場をさらに広げていきたいです。先日岡山で行った工場見学イベントのように、製造工程を自分の目で直接見て感じていただける企画は、参加者の皆さんに喜んでいただけたので、今後もこのような体験企画を増やしていきたいです。

■大学生へのメッセージ

吉岡: 皆さんが目の前の活動に全力で取り組んでいるのは、本当に素晴らしいことです。その上で、私は時間のある大学生の間に多くのことを経験することがいいと思っています。社会人になると、大きな旅行などはなかなかできなくなってしまいます。旅先での思い出や様々な経験は、その時は何に結びつくかわからなくても、必ず自分の糧となり、いつか役に立つ時が来ます。やりたいことを諦めずに楽しんでほしいです。

野村: 大学生の皆さんへ、2つメッセージがあります。1つ目は、何かひとつのことを「意思を持って」やるということです。時間があり余っている大学時代はついつい惰性で過ごしてしまいがちですが(もちろんその時間も非常に大切です)、ひとつでも自分の意思で行動した経験を作っておくと、就職活動やその後の人生の糧になります。2つ目は、今感じていることを大事にして、覚えておいて欲しいということです。社会人になって数年が経つと、学生のリアルな気持ちがだんだん分からなくなってしまいます。学生のときに「こうだったら良かったな」と感じていたことや、純粋な感覚は、マーケティングはもちろん、どのような仕事をする上でもアプローチのきっかけとなる、とても貴重なものです。

学生新聞オンライン2025年8月29日取材 情報経営イノベーション専門職大学1年 襟川歩希

昭和女子大学2年 阿部瑠璃香 / 青山学院大学1年 松山絢美 / 吉岡千里さん / 野村海帆さん / 東京家政大学2年 篠田陽菜乃 / 情報経営イノベーション専門職大学1年 襟川歩希  

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