ミュージカル『バグダッド・カフェ』 花總まりさん主演 名作映画が舞台に蘇る

2025年11月2日にミュージカル『バグダッド・カフェ』が東京・シアタークリエにて開幕しました。
本作の原作は、1987年に制作された映画『バグダッド・カフェ』。日本では1989年に公開され話題になりました。
今回の日本初演は、映画と同じくボブ・テルソンさんが音楽を手掛け、キャストには花總まりさん、森公美子さん、小西遼生さん、松田凌さんといった実力派俳優の方々が集結。
今回は、開幕に先駆けて11月1日に行われた囲み取材・ゲネプロに参加しました。
■囲み取材
Q「ここを注目して見てもらいたい!」というポイントを教えていただきたいです。
花總さん:ジャスミンはマジックを何種類かやりますので、ぜひそこを注目していただけたらと思います。
森さん:マジックは後半の方にするので最後まで見ないとマジックが見られません!
Q『バグダッド・カフェ』の楽曲を歌う感想を教えてください。
森さん:私の歌う曲のジャンルが広く、R&B系も歌いますし、がなり声で歌う部分やフェイクをする部分もあります。
やはりなんといってもこの「バグダッド・カフェ」は「コーリング・ユー」という大変素晴らしい名曲がございますので、これが一番難しいです。(花總さんと)稽古中、隣のお席だったのですが、ずっと二人で悩んでいました。(花總さんと)二人でハモったりもするので皆さんぜひ楽しみに聴いていただければと思っています。
Q花總さん・森さんの魅力的な部分を教えてください。
小山さん:たくさんありすぎるのですが、お二人とも共通することは、ミュージカルのトップランナーにも関わらず、努力を惜しまないで、マジックなどの新しいことにもどんどんチャレンジされていくお姿が本当に素晴らしいなと思います。もう一つは、森さんが演じるブレンダは、砂漠地帯で一人でカフェを切り盛りしています。力強くて、前向きなパワーが溢れるブレンダは森さんにしか演じることのできないブレンダですし、花總さんが演じるジャスミンは、砂漠地帯に異邦人としてやってきて、町のみんなが珍しがるんだけれども、なぜかジャスミンの魅力にどんどん取り憑かれて、全員の気持ちが変わっていくという役柄ですが、まさに花總さんそのもので、稽古場でもそういう存在でした。
Q花總さん・森さんは初共演とのことで、初めて会ってからこれまでの稽古を経て、お互いの印象は変わったか教えてください。
花總さん:私はもうとにかく初めてお会いした時から大好きだったんです!
森さん:私もです!ミュージカル『エリザベート』見たときから、「本物のエリザベートがここにいる!?」と思ってしまったくらい、花總さんが演じたエリザベートがすごすぎて…。
花總さん:『バグダッド・カフェ』のお稽古が始まってから、たくさんお話しさせていただきました。
森さん:たくさんお話したし、稽古に「おにぎりの時間」というものがあって、それに合わせて私がいつも卵焼きを作っていました。
花總さん:そうなんですよ。(森)公美子さんはお忙しいのに、いつもキャストのみなさんとスタッフのみなさんの分も卵焼きを作ってきてくださっていたんです!お稽古場にいるときは席もお隣なので色々な話ができるのですが、本番が始まって楽屋になってしまうとお部屋がね。
森さん:離れちゃうからね。一緒がよかったよね。
花總さん:(森さんに)遊びに行きますね。って言いました!
Q一番大変だったことは?
森さん:セリフの量と歌の量が半端なくございまして…。これは分量が調整されるんじゃないかと、のほほんとしていたのですが、変わらず全部そのままでしたので、慌てて自分の頭に叩き込んだのが大変でした。
花總さん:私は初めてドイツ語に挑戦したことです。南部の方言で、それを意識するとお芝居が難しいんです。稽古を重ねて、お稽古最終日にドイツ語の先生がいらっしゃったのですが、「何言ってるかわからない」と言われてしまいまして…(笑)。お稽古を重ねていくと最初教わったところから少しずつ自己流になってしまったり…中々難しいですね。
Q最後に締めくくりとして一人ずつご挨拶をお願いします。
小山さん:先ほどお二人からも注目ポイントのお話がありましたが、見どころがたくさんある、本当に楽しい作品なので、たくさんの方に見ていただいて楽しんでいただければなと思っております。
森さん:楽しいミュージカルで、コメディーでもあるし、ミステリアスな部分もありますので、考えさせられる問題なども色々あると思うのですが、とにかく楽しく皆さんに見ていただけることが一番だと思っておりますので、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思っております。
花總さん:この作品には「友だち」という曲が何度もリプライズで出てきます。人と人との絆、「友だちっていいな」とご覧になった皆様がそう感じていただけるような、本当に素敵な作品になっています。マジックも盛大にあり、心がハッピーになって帰っていただける作品だと思いますので、ぜひ皆様見に来ていただきたいなと思っております。
学生新聞オンライン2025年11月1日取材 城西国際大学2年 渡部優理絵
人情溢れる砂漠のミュージカル!心も体もオレンジ色に 〜学生の観劇レポート〜
『エリザベート』のエリザベート役、『マリー・アントワネット』のマリー・アントワネット役など数々のミュージカルで名演を重ねる花總まり(ジャスミン役)と『シスターアクト~天使にラブソングを~』のデロリス役や『レ・ミゼラブル』のテナルディエ夫人役でお馴染みの森公美⼦(ブレンダ役)の初共演。大量のセリフや演技を覚えるだけでなく、初めての言語に手品に盛り沢山な今作で二人の仲もかなり深まったそうです。華やかでまっすぐな花總さんの歌声と会場の隅々に響き渡る奥深い森さんの歌声が奏でる歌はまさに一点もの。また演出すべてに演出家である小山さんのこだわりを感じました。アメリカ西部らしさ満載の陽気な音楽から哀愁漂う夜の砂漠、時には脆い人々の心。鑑賞する私達もマジックがかかったように心を奪われた最高のミュージカルでした。
(上智大学2年 張芸那)
幕が開いてすぐ感じたことが、森公美子さんがいるだけで場の空気が一気に明るくなるということです。森さんの存在感とエネルギーで、舞台全体が盛り上がっていくのを感じました。
そして、花總まりさんが演じるジャスミンは、計算や作り物ではなく、自然体のままで周りの人たちを惹きつけていく不思議な魅力を持っています。現実で探しても中々いないタイプの人物ですが、花總さんの演技によって全く違和感なく、現実にいるかのような存在になっていたことがとても印象的でした。
劇中では後半に何度かマジックのシーンがあるのですが、近くで見ても全くタネが分からず、花總さんの努力と練習の積み重ねにとても驚きました。
また、森さんと花總さんというミュージカル界のベテランお二人だからこそ、悲しい場面や繊細な感情の表現に深みのあるお芝居で心を掴まれました。
舞台の上で交わる二人の存在がとても温かく、心に残るものでした。
(城西国際大学2年 渡部優理絵)
【公演概要】

公演:ミュージカル『バグダッド・カフェ』
脚本:パーシー・アドロン/エレオノーレ・アドロン 音楽:ボブ・テルソン 歌詞:リー・ブルーワー/パーシー・アドロン/ボブ・テル ソン
演出:小山ゆうな 翻訳・訳詞:高橋知伽江 音楽監督:荻野清子
振付:木下菜津子 美術:乘峯雅寛 照明:勝柴次朗 音響:山本浩一 衣裳:前田文子 ヘアメイク:林 みゆき 歌唱指導:柳 本奈都子 音楽監督助手:森本夏生 絵画制作:山田博之 マジック指導:齋藤 駿 ドイツ語指導:モニカ・ハース 演出助手: 西 祐子 舞台監督:北條 孝/藤本典江 アシスタントプロデューサー:小林亜沙美 プロデューサー:仁平知世
製作:東宝
<出演者>
■ジャスミン・ムンシュテットナー:花總まり
■ブレンダ:森公美子
■ルディ・コックス:小西遼生
■フィリス:清水美依紗
■アブドゥラー:松田凌
■サル/ディーゼル:芋洗坂係長
■アーニー/フリッツ:岸祐二
■ムンシュテットナー氏/ジーザス):坂元健児
■サル・ジュニア:越永健太郎
伊藤かの子 聖司朗 東間一貴 中嶋紗希 舩山智香子 堀江慎也 スウィング:齋藤信吾 齋藤千夏 (五十音順)
BAND MEMBERS
Keyboard1/Conductor 荻野清子 Keyboard2 長谷部美紗 Reed 坂川 諄 Guitar 朝田英之 Bass 岸 徹至/越野振人 Drums&Percussion BUN Imai/相川 瞳 Harmonica 山田友和 Manipulator 長谷部光祐/外山凌平
<期 間・会 場>
2025 年 11 月 2 日(日)~11 月 23 日(日) 東京 シアタークリエ
2025 年 11 月 28 日(金)~11 月 30 日(日) 愛知 Niterra 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
2025年12月4日(木)~12月7日(日) 大阪 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2025年12月13日(土)~12月14日(日) 富山 富山県民会館
<料 金(全席指定・税込)>
平日:13,500円 土日祝日・千穐楽:14,000円
<公式サイト> https://www.tohostage.com/bagdad-cafe/



							
							
							
							
							
							
							
							
この記事へのコメントはありません。