四街道市長 鈴木陽介
めざしているのは、本当に支援を必要とする人に手を差し伸べられる「優しい街」

四街道市長 鈴木陽介(すずきようすけ)
■プロフィール
1983年生まれ、42歳。慶應義塾大学卒業。銀行員、衆議院議員秘書、四街道市議会議員(1期)、千葉県議会議員(2期)を経て2022年の市長選で初当選し、1期目。会社員の妻、子ども4人(7才、5才、3才、1才)の大家族。趣味はスポーツ観戦、将棋。プロ野球の千葉ロッテマリーンズやプロバスケの千葉ジェッツなどご当地チームのファン。子どもたちと一緒に戦隊ごっこやカードゲームで遊ぶのが日課。
「若者は未来の希望」と語り、「市民との近さ」を大切にしながら市民に愛され続けている四街道市長・鈴木氏。四街道を心から愛する鈴木市長に、その魅力や取り組みについてお話を伺った。
■学生時代について
高校、大学時代は、奨学金を利用しながら学校に通っていたため、さまざまなアルバイトと学生生活を両立させる日々でした。バイト先も多岐にわたり、飲食店での勤務や予備校でのカウンセリングなど、幅広い経験を積んでいましたが、バイト先を梯子しながら生活していたので、週8回はバイトに入るような学生でした。その中で社会の仕組みを学び、お金の稼ぎ方やコミュニケーション能力など、多くのことを身につけられたと思います。大学2年の頃には議員インターンにも参加し、国会議員の秘書さんの下で色々なことを学ばせていただいていました。学生の頃は特に教育政策に関心を持っていたので、各省庁やさまざまな自治体を議員さんの下について訪問し、出会った色々な人に話を聞いて回っていました。
議員インターンを選んだ理由は、小学校の頃の憧れと感謝の気持ちがあります。というのも、四街道市には地元愛の強い方が多く、お祭りも盛んですれ違うだけで温かく挨拶をしてくださる人がたくさんいます。そうした環境の中で、小学生の頃から「四街道の人に恩返しをしたい」「市長になりたい」という夢を抱くようになり、「どういうキャリアを歩めば実現できるか?」と自分に問いかけながら進んできました。そんな夢を担任の先生に相談すると「あなたなら絶対になれる!」と励ましてくださったんです。もちろん背中を押してくれたことも大きいのですが、当時その先生をとても尊敬していたこともあり、私の中でその言葉は大きな支えになりました。その後、「困っている人を助けたい」という思いから国政や政治の知識を改めて学び直し、出馬を決意しました。
しかし、最初の選挙は落選でした。でも、この「落選」は私にとって良い薬のようなものでした。落選後に離れていく人もいるなか、それでも残ってくれて支えてくれた家族や応援してくれた仲間がいた。そのおかげでもう一度立ち上がり、落選をバネに持ち直すことができました。その後、再挑戦の末に、当選を果たしました。選挙期間中は「考えるよりまず動こう」と決め、土日も関係なく、朝の始発から夜の終電まで駅に立ち挨拶をするなど、とにかく「人目につくように」と全力で走り抜けました。
■道を歩くと「すずき!」と声をかけられる街・四街道市
私が市長を務める四街道市の魅力は、「都会でありながら、田舎でもある」という点にあります。東京や成田空港へもアクセスが良く、交通の便が整っているため、「働く人に優しい街」としての魅力があります。さらに治安も非常に良く、子育て世代の人口が増加しているのも特徴です。治安の面では、四街道には県警の直属署があり、他の地域と兼任ではなく、四街道市のみを担当してくださっています。そのため、地域密着型の警備体制が整っており、警察の方々とも密に連携を取っています。
また、市内には緑が多く、町全体に穏やかで優しい雰囲気があることも魅力の一つです。今後は、不動産会社からの紹介だけでなく、「友人に勧められて」「知人の付き添いで訪れてみたら住みやすかった」といった形で、口コミを通じて四街道の魅力が広がっていけば嬉しいと考えています。さらに、市民と市長の距離の近さも四街道の特徴です。街を歩いていると、小学生から「すずき〜!」と声をかけられることもあり、そうした日常のやり取りに温かさを感じています。
■四街道市で力を入れている三つの政策とは?
力を入れているのは、公民連携です。政策は大まかに分けて3つあります。一つ目は千葉大学と企業さんと四街道市で連携を組み、地域住民と進める健康まちづくり「四つ葉プロジェクト」を実装しようとしています。これは「すべての政策に健康を」ということをモットーにしたプロジェクトで、民間の方々などを巻き込みながら取り組んでいます。
二つ目は子どもたちの居場所を作りたいということです。今の子ども達には多種多様な悩みがあります。たとえば、一言に不登校と言っても様々な不登校があります。子ども達は言うなれば未来そのもの、希望そのものだと私は思います。ですので、全ての子ども達を救えなくても、できるだけ沢山の子どもたちの手をとれるような活動を心がけています。その中の一つの取り組みが「四街道内で職場体験を街でしてしまおう」というもの。2025年の夏休み中に一ヶ月間実施でしたのですが、応募人数がとても多く、来年やる際は今年以上に体験できるお仕事の数を増やそうかと考えています。
三つ目は図書館です。四街道市の館長はとても面白い職員なのですが、同時に「本の街を作って」とお願いしたら「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2025」を受賞するほどの人材です。取り組みとしては、大人を集めた読み聞かせcafeや子連れで利用する人向けに、お子さんと一緒に食事をとれる「もぐもぐタイム」をつくったりと、図書館という場所に新しい息吹を吹かせてくれました。
■「みんなで課」設立やAI導入で進める、やさしい街づくり
子どもたちが希望を持って生きられる街、そして街全体で支え合えるような地域をつくりたいと考えています。その実現に向けて、四街道市では「みんなで課」という仕組みを設け、企業や団体、市民が一体となって地域を支える体制づくりを進めています。また、市民の方からの相談体制のさらなる強化にも、力を入れていく予定です。その一環として、24時間365日いつでも妊産婦、子育て中の保護者、児童・生徒からの相談に応じられるAIツールを活用した実証実験を12月から行う予定です。四街道市では、本当に支援を必要としている人に手を差し伸べられる「優しい街」の実現を目指し、今後も政策の推進に努めてまいります。
■大学生へのメッセージ
社会には色々な厳しさがあり、大学生もなかなか希望が持てないのかと感じている方も多いのではないでしょうか。でも、意外と社会は挑戦する人に優しい場所だと思います。現在は、私の時代以上に今は色々な挑戦ができますし、技術も高まっています。ですので、どうか自信を持って、やりたいことをやってほしいです。
学生新聞オンライン2025年10月22日取材 情報経営イノベーション専門職大学2年 山田千遥

法政大学3年 島田尚和 / 情報経営イノベーション専門職大学2年 山田千遥 / 京都芸術大学1年 猪本玲菜


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