エバラ食品工業株式会社 クリエイティブ本部 商品開発部 商品開発一課 課長 枡田恵理子
「好き」を追い求め、食で人を支える

エバラ食品工業株式会社 クリエイティブ本部 商品開発部 商品開発一課 課長
枡田恵理子(ますだえりこ)
■プロフィール
2005年エバラ食品に入社。商品開発部門に配属され、鍋物調味料や新規事業商品などを中心に担当。その後、韓国企業との合弁会社への出向を経て、2014年より再び商品開発部に帰任。「プチッと鍋」のリニューアルや「なべしゃぶ」の開発を担当。2023年からは課長職にも従事しつつ、現在は焼肉のたれをはじめとした肉まわり調味料や野菜まわり調味料、新チャネル商品を担当。
エバラ食品で商品開発を担う枡田恵理子さん。幼い頃から「食」に魅せられ、好きな気持ちを原動力に20年間開発の最前線を歩んできた。開発者として、人や暮らしに寄り添う商品づくりに向き合ってきた枡田氏にお話を伺った。
■「食」が好き。その気持ちが原点
食事をすると幸せな気持ちになりますし、誰にとっても身近でなくてはならない存在です。自分の身近にあって、自身が「好きだ」と思えることに関わる仕事がしたいと考えていたので、就職活動は自然と興味のあった食品や化粧品メーカーを中心に回っていたと思います。大学で食を学んでいたことも一つの後押しとなりました。
■就職氷河期の中で出会った「ここで働きたい」会社
私の世代は、ちょうど就職氷河期の最後の年にあたり、就職活動にはかなり苦労しました。当時はオンライン説明会もなく、現地に足を運ぶしかなかったため、何十社もの説明会に参加するには長距離の移動が必要で、大変だったことを覚えています。
当社も例外ではなく、当時神戸に住んでいた私は、説明会が横浜本社でしか開催されていなかったものの、有名な会社で興味があったこともあり、参加しました。
実際に説明会の話を聞く中で、社員を大切にする姿勢や雰囲気に心を打たれ、「ここで働きたい」と強く感じました。その後は迷うことなく書類を提出し、面接でも自分らしさを素直に出すことができ、とても楽しかった記憶があります。
■開発一筋20年。広がり続ける仕事のフィールド
入社当初から鍋物調味料を中心に担当し、部署を異動しながら合計で15年以上、長く携わってきました。近年は担当も一新し、今年からは、焼肉のたれも担当することになりました。20年間勤める中で、焼肉のたれを担当するのは初めてのことで、新しいカテゴリーだからこその難しさや学びを日々感じています。
現在は、焼肉のたれをはじめとした肉まわり調味料や野菜まわり調味料など複数のカテゴリーにおける戦略立案や商品施策の企画・開発を担当しています。さまざまな食品ジャンルに関わり続けられることが、この仕事の面白さでもあります。
■商品開発だからこそ味わえる、やりがいと可能性
この部署の魅力は、「大ヒット商品の生みの親」になれる可能性を秘めていることです。
私は入社一年目に商品企画を担当し、二年目にその商品が発売されました。その後、学生の前で若手社員として登壇する機会があり、自分が手がけた商品を手に「この商品を知っている人はいますか」と問いかけたところ、200人以上いる会場で2人ほどの方が手を挙げてくださいました。
少ないと感じる方もいるかもしれませんが、私にとっては、自分の手がけた商品を知り、実際に食べてくれた人がいる。その事実が何よりも嬉しく、新たな商品を生み出せば誰かに届くことを実感できた瞬間で、その後の大きな励みとなりました。
新たな商品を生み出し、より多くの方に届けられれば、これまでの食の常識を覆したり、食文化を新しい方向へ導いたりできるかもしれない。その可能性があるからこそ、この仕事にやりがいを感じています。
■「私だからできる」行動を積み重ねる
どんな企画でも担当者が変わればアウトプットは必ず変わります。だからこそ「自分にしかできない形」を探るため、まずは戦略やアイデアを進んで形にしていくことを大切にしてきました。頭の中にある段階では見えない課題や可能性も、具体的な試作や検討案として形にすることで、初めて気づけることが多いと感じています。
あわせて、常に「自分ならどう感じるか、どう判断するか」という視点を持つようにしています。そのためにも日頃から自分の興味や「好き」に向き合うことを心掛けています。
これからも「食が好き」という原点を忘れず、自分なりの視点と行動力を武器に、人の暮らしに寄り添う商品づくりに向き合い続けていきたいと思います。
■大学生へのメッセージ
大学生の皆さんには、ぜひ「好き」という気持ちを大切にしてほしいと思います。私自身、さまざまな「好き」という素直な感情を原点に進路を選び、ここまで歩んできました。就職活動では不安や迷いも多いと思いますが、最初から明確な答えがなくても構いません。大切なのは、考え込むだけで終わらせず、とにかく行動してみることです。
小さな行動でも、一歩踏み出すことで新しい発見や出会いが生まれます。私も完璧な自分らしさを持っていたわけではなく、試行錯誤を重ねる中で、自分なりの強みや役割を見つけてきました。「自分は何がしたいか」「自分だからできることは何か」を考えながら挑戦を続けることで、道は少しずつ形になっていきます。失敗を恐れず、自分の感覚を信じて進んでください。
学生新聞オンライン2025年12月22日取材 情報経営イノベーション専門職大学2年 山田千遥

武蔵野美術大学 1 年 石井生成/東京薬科大学 3 年 庄司春菜/東京女子大学 2 年 浮田梨紗/情報経営イノベーション専門職大学 2 年 山田千遥


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