ウリドキ株式会社 代表取締役 木暮康雄

リユースを広げて社会貢献し、日本をより豊かな循環型社会へ

ウリドキ株式会社 代表取締役 木暮康雄(こぐれやすお)

■プロフィール
慶應義塾大学大学院修了。2005年に学生起業し、漫画の全巻大人買いサービスをつくる。その後、2014年に株式譲渡を行い、同年シリアルで起業。リユースのCtoB買取プラットフォームを展開するウリドキ株式会社を設立し、代表取締役に就任。2025年10月、名古屋証券取引所ネクスト市場に上場。著書に『リユース革命』(幻冬舎)。

学生時代に漫画の全巻大人買いサービスで起業し、現在は個人とプロの査定士をつなぐ「CtoBプラットフォーム」を展開するウリドキ株式会社の木暮康雄代表。実体験から生まれたビジネスアイデアの発想や、リユースで日本を豊かにするグローバルな展望など、挑戦を続ける起業家の軌跡を伺いました。

■学生時代について

私が中学生だった頃は、インターネットはまだ単なる情報伝達ツールに過ぎませんでした。しかし私は、将来はインターネット上で人々が交流するだけでなく、実際にモノの売買取引などができるようなサービスが主流になると確信していました。
「インターネット上で取引が行えるサービスを作りたい」という想いが原動力となり、大学3年生の時に起業を決意しました。最初は、プログラミングやWebデザイン、SEO、マーケティングといったスキルを学びながら、学生時代の仲間たちと一緒に事業を立ち上げました。

■実体験で感じた「不便」をビジネスに変える

最初はオーダージュエリーやアパレル事業にも挑戦しましたが、なかなか軌道に乗せることができませんでした。ふと社内で漫画の話になり、かつてのとある実体験を思い出しました。学生時代に「『ジョジョの奇妙な冒険』を全巻一気に読みたい」と思い立ち、近くの書店へ買いに行ったことがありました。ところが、棚にはいわゆる「歯抜け」の状態でしか置いておらず、店員さんに尋ねても、「店頭にある分だけです。取り寄せには時間がかかります」と言われてしまいました。
結局、その足で5軒ほど書店を回り、ようやく全巻を揃えることができました。しかし、全63巻というのは相当重いです。「持ち帰るのも一苦労だし、そもそも全巻揃えることが大変すぎる」と思いました。
「読みたいという意欲があるのに、なぜこれほどまでに簡単に手に入らないのだろうか」という、実体験から生まれた疑問が、新しいビジネスのきっかけになりました。そこで、漫画の全巻セットだけを専門に販売し、重くて運ぶのが大変だからインターネット通販という形で届けようと考えました。このアイデアを形にしたところ、国内のみならず海外の方々からも大きな反響をいただくことができました。
そして、そのビジネスで出会ったリユース業界に身を置くことで新たな課題を感じ、「ウリドキ」という次の挑戦をすることになります。

■個人とプロの査定士をつなぐ「CtoBプラットフォーム」の実現

当社のビジョンは、「世界を変えるCtoBプラットフォーム」を創ることです。具体的には、モノを売りたい個人の方と、買い取りたいリユース企業をつなぐ場を提供し、企業の買取サービスを全面的にサポートしています。
「個人がモノを売る」という点では、フリマアプリのようなサービスを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、決定的な違いは、「買い手が誰か」という点にあります。通常フリマアプリの買い手は一般の個人ですが、ウリドキの買い手は、プロの査定士です。
買い手が変わることで、流通する単価も大きく変わります。個人のお財布事情に左右されるCtoC取引とは異なり、ウリドキではプロの査定士が買い取るため、高単価な商材に対しても積極的に買取査定を行うことができます。この強みに注目し、私たちはブランド品やジュエリー、お酒といった、高単価な商品の流通に徹底してこだわってきました。
当社の社員には、「ウリドキを自分の人生の代表作にしたい」というメンバーが多くいます。サービスを自らの手で育てられること、そしてリユースを通じて社会貢献ができることに、強い誇りを持ってくれているからです。
また、当社で力を発揮している人の共通点は、自社サービスを深く理解していることです。マーケティング、営業、開発、そして管理部に至るまで、部署の垣根を超えた横のコミュニケーションを非常に大切にしています。

■リユースの力で、社会に豊かさを循環させる

これまではブランド品やジュエリー、お酒といった、高単価商品を中心に扱ってきましたが、今後はさらに領域を広げ、中価格帯のカテゴリーにも挑戦していきたいです。具体的には、アパレル、アクセサリー、楽器、着物といった分野です。周辺領域から確実に一つずつ、バーティカルに深く掘り下げていく。この着実な積み重ねこそが、私たちの成長戦略です。
また、これらの商品を海外の方々に購入していただくことで、外貨が手に入り、日本をより豊かにすることにも繋がると確信しています。

■大学生へのメッセージ

私は、ガンジーの「明日死ぬかのように生きろ。永遠に生きるかのように学べ」という言葉が好きです。今日の行動を、悔いが残らないように全力でやり遂げること、そして、学ぶことを絶対に忘れないでください。勉強をやめてしまったら、そこで成長は止まってしまうからです。
大学院で研究していた時に、興味深い論文に出会いました。簡単にいうと「起業して成功するためには、勉強と人脈のどちらが重要か」というような論文です。それによると、どちらが大事かは、起業前と起業後によって異なるといいます。
起業前のフェーズでは「勉強」が重要です。十分な知識や経験がなければ、目の前にあるビジネスチャンスに気づくことすらできません。とにかく勉強して知識を積み上げておくことで、世の中の課題が見えてくるからです。
一方、起業後のフェーズでは「人脈」が重要になります。成功している経営者の方々に教えを請うたり、応援していただいたりすることが大事になります。人との繋がりこそが事業を成長させる原動力になります。
そして、この「勉強」と「人脈」の両方を手に入れやすい貴重な時期こそが、大学生という期間です。勉強も行動もできる時間が十分にあるのは学生時代だけではないでしょうか。
もし、今やりたいことがわからず悩んでいるのなら、それは単純にインプットが足りないだけかもしれません。少しでも興味のある分野があれば、積極的にインプットしてみてください。そうして知識を広げていくうちに、必ず心に引っかかるものが見つかります。それが、やりたいことに繋がっていくはずです。

学生新聞オンライン2025年12月25日取材 東京都立大学3年 坂倉彩月

早稲田大学2年 中澤京平/東京都立大学3年 坂倉彩月/東京女子大学2年 浮田梨紗/武蔵野大学1年 市川蓮

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