シンガーソングライター ピコ太郎

国境や世代を越えた楽曲で世界を笑顔に

シンガーソングライター ピコ太郎(ぴこたろう)

■プロフィール
2016年にYouTubeにアップした『PPAP (ペンパイナッポーアッポーペン) 』の動画がジャスティン・ビーバーやCNN、BBCなどの世界メディアに取り上げられ、世界中で大ブレイク。
日本人としては26年ぶりにアメリカビルボードHot100チャートに入り、「ビルボードHot100にチャートインした最も短い曲」としてギネス世界記録にも認定されている。また、トランプ大統領来日時の晩餐会に出席を果たし、外務省からの任命でSDGs推進⼤使として活躍した経験を持つ。

世界的メガヒットを記録し、国内外を席巻した『PPAP (ペンパイナッポーアッポーペン)』が8月25日に10周年を迎えた。独特のリズムとユーモアで、国境、言語、世代を越えて人々を魅了してきた。音楽や笑いを届ける一方、小児がん支援やSDGs推進大使など、エンターテインメントの力を社会に還元する活動を続けるピコ太郎さんにお話しを伺った。

曲を作るときは、僕のプロデューサーである古坂大魔王さんの家を利用していますピ。10年前に『PPAP』がヒットしたことで、古坂さんが音楽の機材を揃えて、自宅をスタジオにしてくれたんですピ。気が向いたらいつでも録れる状態になっています。基本的には、思いついた曲をすぐ形にして、ビデオまで撮るということを10年間続けていますピ。僕はファーストインスピレーションを最上位に置いていて、iPhoneに鼻歌で思いついた瞬間に録音、それがほぼ9割完成なんです。今回もたくさん曲をリリースしましたが、実は100曲ほどストックがあって、そこから減らしたくらいです。コロナ禍に「無駄なものって必要だな」と感じたことがありますピコ。ネットを見ずにぼーっとする時間や、家族との他愛もない会話、友達と3時間だらだら喋る時間。そういう無駄を埋める最大のものが、「ピコ太郎」なのかもしれません。そんなことを考えながら、思いついたものを形にし続けていたら、振り返れば10年経っていましたピ。

■世界と言語、世代を越えた『PPAP』

特に印象に残っているのは、ウガンダの市場で裸足のおばちゃんが、僕を見つけてパイナップルを持ちながら「Hey, it‘s you.」と言ってくれたことですピ。世界中に知ってもらえたんだと、改めてすごさを感じました。サッカーのスター選手が集まる場でも、僕への声援が一番大きかったことがあって、「このパワーはお返ししなきゃ」と思ったんですピコ。有名人が寄付や社会的な発言をするのも、きっと恩返しなんですよね。特に大きかったのが、小児がんを患い、3歳で亡くなった愛梨ちゃんとの出会いが大きかったです。僕の曲が大好きな子で、普段は手術を受けることもあり、中々笑うことも少ないのですが、PPAPを歌うと本当に嬉しそうに笑ってくれるんですピ。その姿を見て、このパワーはすごいと思いました。時間は平等じゃない。だから、偽善者と言われても、今この瞬間に子どもたちが笑ってくれるなら、それでいいと思いますピコ。

■SDGsの普及にも尽力

SDGs推進大使として最初にやったのは、とにかくSDGsを知ってもらうことでした。9年ほど前は「サステナブル・ディベロップメント・ゴールズって何?」「17個あるんだ」と、まず言葉を知ってもらう段階だったんですピコ。その後、SDGsを揶揄する風潮も出てきたので、そこは僕が一手に引き受けてもいいと思いました。僕は道化ですから、「ピコ太郎もSDGsやってる」と笑われることで、逆に興味を持ってもらえる。パフォーマンスも、実は「やっているよ」と伝えることで影響が波及するんですピ。僕自身は貧困や平等、世界平和、環境などを中心に広報活動をしていました。ただ、ゴミ拾いを僕がやっても一日に拾える量は限られます。それより、専門家やプロが取り組んでいることを、僕が広く紹介する。それが僕の役割だと自負していますピコ。

■『PPAP』の原点と誕生

PPAPは、実は最初から「PPAPを作ろう」と考えて生まれた曲ではありません。もともとは1995年頃に古坂さんが作った「テクノ体操」というコントのトラックがあって、15年ほど前に、そのトラックを使って曲を作ろうという話になったんですピコ。ある時、古坂さんたちと一緒にその曲を流して、「さあ、ピコ太郎歌って」と、ほとんど無茶ぶりのように始まりました。その時、歌詞を書くためにペンを持っていたので、咄嗟に「アイ・ハブ・ア・ペン」と言ったんです。古坂さんのところにはいつもリンゴがあったので「アイ・ハブ・アン・アップル」と続けて、ペンとリンゴを合わせて「アッポーペン」。パイナップルの缶詰もあったので同じようにやって、「ペンパイナッポー・アッポーペン」になりました。実は自分から見た一人称の視点で生まれた言葉なんですピコ。

■国境を越える表現の難しさ

やっぱり、世界中の人が笑ってくれることが一番のやりがいですね。特に子どもにウケるのは難しいんですピ。大人なら流行語を使えば笑ってもらえるかもしれませんが、子どもは持っている情報が少ない。だから、鼻水が出る、転ぶといった、国や言葉が変わっても変わらないものが笑いになるんですピ。そう考えると、フランスでもスペインでもアフリカでも、言葉が違うのにPPAPで笑ってくれるのは本当にすごいことだと思います。一方で、海外では文化や習慣の違いに気をつけていますピ。日本では普通のジェスチャーが、国によっては失礼になることもあります。だから曲を作る時も、AIなどを使って、その言葉がほかの国ではどうかと一度調べるようにしています。世界中で笑ってもらうためには、笑いだけでなく相手の文化を知ることも大切ですピコ。 

■『PPAP』10周年記念ライブを開催

10周年の記念ライブは、笑いと音楽を融合した90分にしたいと思っていますピコ。EDMやダブステップのさらに先にある音楽を探しながら、今回はハードスタイルやAIも取り入れています。AIなら超絶ギタリストの演奏を使うこともできるんです。古坂さんの笑いと僕の歌をぎゅっと詰め込んで、子どもたちも一緒に笑って踊れるライブにしますピコ。子どもにはイヤーマフも貸し出すので、安心して楽しんでもらえますピ。

■何事も本気でやること

学生は、動物としてのピークだと思うんです。だからこそ、今できることをめちゃくちゃ本気でやった方がいい。勉強でも、恋愛でも、寝ることでもいいんです。一生懸命やった経験は、後々必ず効いてきますピ。特に習慣は若いうちにつきます。映画を観るなら「この監督は誰?」、服を買うなら「このデザイナーは誰?」と問いを立てて、興味を持ったらすぐ掘ってみる。情報を試食するだけじゃなく、お腹いっぱい食べてほしいですね。今の一生懸命が、40歳くらいになった時に「やっておいてよかった」と思えるはずですピコ。

学生新聞オンライン2026年8月6日取材 城西国際大学3年 渡部優理絵/日本大学2年 原田達司

■PPAP10周年記念ライブ「PPAP X PT ~PPAP10周年プレミアムライブ~」

本公演は、「PPAP」10周年プロジェクトとして連続配信中のプロジェクト「Tottemo Release 80.8」の集大成となるライブ。
これまでリリースされてきた最新楽曲を軸に、10年間の歩みと進化を凝縮した内容となっており、一夜限りのスペシャルライブとなる予定です。
なお、本公演は約10年ぶりのワンマンライブとなります!チケットは一般販売中!

日程:2026年9月27日(日)
【夜公演】OPEN 17:30 / START 18:00

会場:harevutai
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目19-1
https://avex.jp/pikotaro/

オフィシャルサイト:https://avexnet.jp/contents/PKTRO-XXXX-XXXX

YouTube:https://www.youtube.com/pikotaro

X:https://x.com/pikotaro_ppap

Instagram:https://www.instagram.com/pikotaro_ppap_official/

TikTok:https://www.tiktok.com/@pikotaro2016ppap

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日本大学 2 年 原田達司/法政大学 3 年 脇田悠太/日本女子大学 1 年 大池絵万里/京都芸術大学 1 年 猪本玲菜/城西国際大学 3 年 渡部優理絵

学生新聞2026年10月号 掲載記事

どんな場面でも細部をおろそかにせずに表現する

■表現力を高める方法をお聞かせください

表現者として常に意識しているのは、細部まで決して手を抜かないことですピ。たとえば「PPAP」では、実物のペンやリンゴを持つことはしません。身振り手振りで「そこにある」と確信させることで、観客には本当にペンやリンゴが見えてくる。パイナップルも同じで、存在を丁寧に意識しながら身体を繊細に動かしていますピ。古くから言われる「神は細部に宿る」という言葉が好きで、どんな場面でも細部をおろそかにしないことを心がけていますピコ。

■表現する上で意識していることはありますか

海外で笑ってもらうためには、その国の文化や慣習を理解したうえで表現しないと失礼になることがありますピ。国によっては「いいね」のジェスチャーがNGだったり、「こっちに来て」の手招きの仕方が違ったりします。そうした違いを瞬時に把握できないと、急にウケなくなるんですピ。だから曲を作るときは必ず検索します。この言葉はどう受け取られるのか、こちらが意図したとおりに受け取られるのかどうか、一度調べてから表現に落とし込むようにしますピ。そうした積み重ねがあるからこそ、さまざまな国の人たちが笑ってくれるのです。海外の文化を尊重しながら表現することを大切にしていますピコ。

■「PPAP」10周年記念の楽曲について教えてください

10周年ということで、今回は豪華な方々とのコラボにも挑戦しました。歌や歌詞、そして音にも注目してほしいですピコ。僕は流行しそうな曲を探すのが好きで、今回はハードスタイルというジャンルに挑戦し、AIミュージックも多く取り入れていますピ。日本ではまだ流行していない最先端の音と、それを台無しにするような“最下層の歌詞? ”との組み合わせが面白いと思っていますピコ。

■学生へのメッセージ

学生は、動物としてのピークだと思うのです。だからこそ、今できることを本気でやってほしいと思いますピコ。勉強でも恋愛でも一生懸命やった経験は必ず後で効いてきますピ。特に習慣は若いうちにつけた方が良いです。映画を観るなら「この監督は誰?」、服を買うなら「このデザイナーは誰?」と問いを立て、興味を持ったらすぐ掘ってみる。情報を試食するだけでなく、腹いっぱい味わってほしい。今の一生懸命が40歳になったときに「やっておいてよかった」と思えるはずですピコ。

日本大学2年 原田達司

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