俳優 小林虎之介 / 映画『星の教室』
俳優業は「楽しい」とは言えないけれど「面白い」

俳優 小林虎之介 (こばやしとらのすけ)
■プロフィール
オーディションを勝ち抜き、TBS日曜劇場「下剋上球児」(2023年)で日沖壮磨役にて初の地上波連ドラレギュラー出演。2024年にはテレビ東京「ひだまりが聴こえる」で地上波連続ドラマ初主演。NHK「宙わたる教室」で更に大きな注目を集める。NHK連続テレビ小説「風、薫る」(2026年)にて朝ドラ初出演。現在オンエア中の10月期NTV「俺たちの箱根駅伝」では学生連合チームのキャプテン・青葉隼斗役を演じている。
小学生の頃から野球に打ち込み、現在は俳優として活躍する小林虎之介さん。映画『星の教室』では、元不良の松峰健児役を演じました。俳優という仕事の難しさや面白さ、作品に込めた思い、学生時代の経験から得た学び、そして大学生へのメッセージを伺いました。
僕は小学生の頃から、「野球ばっかりやっているね」と言われるほど、ずっと野球に打ち込んできました。
大学時代は目標もなく、ただ大学に通う日々で、これからやりたくない仕事をするのかもしれないという不安がありました。そんなときに俳優を目指し、初めてレギュラー出演した作品が野球を題材にしたドラマでした。野球を続けてきたからこそ、最初の仕事につながったのだと思います。野球をやっていてよかったですし、人生は何が起こるかわからないなと感じました。
学校で学ぶ勉強も同じで、必ずしも好きなことばかりではありませんが、やりたくないことにも取り組む力が身につくと思います。僕自身、勉強には興味がありませんでしたが、今振り返ると、学生時代に学んでいてよかったと感じています。
■毎回ゼロからのスタート。俳優という仕事の難しさと面白さ
俳優は、別の人の人生を生きる仕事です。役によっては、つらい経験をして心を痛めることもあります。一方で、多くの方に作品を見ていただき、良い評価をいただけたときには、頑張ってよかったと思います。俳優という仕事を「楽しい」と表現するのは難しいですが、「面白い」と感じています。
この仕事は、毎回ゼロからのスタートです。前回うまくできたからといって、次も同じように評価されるとは限りません。そうした難しさに面白さも感じています。
今はお芝居が上手な人も多く、ただセリフを発するだけでは、見ている人に伝わってしまいます。だからこそ、「嘘をつかない」ことを意識し、セリフが自分の口から自然に出てきたように感じられるまで、何度も口に馴染ませています。
■「生きることは学ぶこと」角川春樹監督の最後の総監督作品に込めた想い
映画界のレジェンドである角川春樹さんの最後の総監督作品に出演できたことは、本当に光栄でした。節目となる作品だからこそ、良い作品にできるよう、しっかり演じたいという気持ちで臨みました。
角川さんが撮影中によくおっしゃっていたのが、「生きることは学ぶこと、学ぶことは生きること」という言葉です。作品のテーマそのものだと思うので、観る方にも伝わればうれしいです。
僕が演じた松峰健児は、シャイなところが自分と似ていると感じました。これまで不良役を何度か演じてきたので、自分の中に「不良」が生きているような感覚もあります(笑)。今回は重たい雰囲気の役ではなかったので、比較的気楽に現場にいることができました。
一方で、普段と違う話し方や口調の役は難しく、今回は特に関西弁に苦労しました。桜田ひよりさんと、ほぼワンカットで関西弁を話すシーンがあり、方言指導の方に教わりながら、何度も音声を聞いて撮影に臨みました。
撮影にあたっては、実際に夜間学校を見学し、一緒に授業も受けました。世代や国籍の異なる人たちが壁をつくらず、わからないことを先生や周りの生徒に教わりながら、楽しそうに学んでいる姿が印象的でした。
この映画を通じて、少し視点を変えて「楽しみながら学ぶのもいいんだ」と感じてほしいです。勉強といっても、国語や算数だけではありません。趣味や気になることを学ぶのもいいと思います。時間に余裕ができたときに、何かを学んでみようと思うきっかけになればうれしいです。
■大学生へのメッセージ
社会には「良い大学に入る」「良い企業に就職する」といった価値観がありますが、学歴にとらわれすぎず、自分が本当にやりたいことができる場所を選ぶことが大切だと思います。やりたい仕事に卒業資格が必要ないのであれば、別の道を選ぶのも一つの選択肢です。
僕自身、大学時代は何がやりたいのかわかりませんでしたが、時間だけはありました。「やろう」と思えば、できることは身近にたくさんあります。気になったことに少し取り組んでみて、合わなければ別のことを試してみる。そうやって繰り返すうちに、思いがけないところで「これ、面白いかもしれない」と感じるものに出会えると思います。
例えば、僕は最近、登山に興味があります。登山にハマれば登山靴にも関心が向き、「登山靴をつくる会社も面白そうだな」と、興味が仕事につながるかもしれません。まずは気になったことに一歩踏み出してみてほしいです。
学生新聞オンライン2026年10月6日取材 城西国際大学3年 渡部優理絵
映画『星の教室』
11月6日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
原作:髙田郁「星の教室」(角川春樹事務所刊)
総監督:角川春樹 監督:中川龍太郎 脚本:松井香奈 角川春樹
出演:桜田ひより/ 仙道敦子 萩原聖人 / 小林虎之介 三戸なつめ 甲本雅裕 おいでやす小田 / 原田泰造 真木よう子 小泉孝太郎 / 中尾ミエ 浅野温子 / 山本學
配給:NAKACHIKA PICTURES/フライフリーエンターテイメント
制作プロダクション:楽映舎
©2026映画「星の教室」製作委員会
https://nakachikapictures.com/hoshinokyoshitsu


城西国際大学3年 渡部優理絵/上智大学2年 石川仁菜


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