株式会社FUNDINNO 代表取締役COO 大浦学
いままでにない「新しい投資」で、挑戦する起業を応援する
株式会社FUNDINNO 代表取締役COO 大浦学 (おおうら まなぶ)
■プロフィール
2011年、明治大学商学部卒業。2013年、明治大学大学院グローバルビジネス研究科修了。大学院での研究テーマは「マーケティング」。同研究科で後の株式会社日本クラウドキャピタル(現・株式会社FUNDINNO)代表取締役CEO柴原と出会い、柴原とともに、システム開発・経営コンサルティング会社を起業。2年目には黒字化を達成。その後、ベンチャー企業の育成に貢献したいという強い思いにより、2015年株式会社日本クラウドキャピタルを柴原と設立。代表取締役COOに就任。FUNDINNOの事業責任者としてサービスの拡充や改善などを牽引し、現在まで、業界トップの実績を維持する。2020年情報経営イノベーション専門職大学客員講師就任。
日本初の株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO」の代表取締役COOの大浦学さん。就職活動の中で「プレイヤーとして活躍したい」という気持ちが強くなり、起業に至ったとか。ただしかし、起業する中で資金調達の課題に気づき、それを解決するために「FUNDINNO」を設立した。今回はそんな大浦さんに、ご自身の学生時代や起業に至るまでのストーリーについて伺った。
学生時代は、バンドにどっぷり浸かる生活を過ごしていました。大学3年生になって就職活動を始めた際、多くのコンサルティング会社を多くリサーチするようになりました。その中で、自分はアドバイスする側ではなく、プレイヤーとして活躍したいと思うようになり、次第に起業を考えるようになったのです。
ただしかし、ゼロから起業ができるわけがないので、起業の準備として、ビジネス系大学院へ通うことを決めました。大学院では様々な出会いがありましたが、その中で大きかったのが、現在FUNDINNOの代表取締役CEO.をつとめる柴原祐喜に出会ったことです。彼も起業への想いが強かったので、大学院にいる時に一緒に起業し、株式会社日本クラウドキャピタルを設立しました。「これからの時代はプログラミングやITが重要だ」と思い、アプリ制作やSESなどをやるシステム開発ビジネスを行っていたのですが、続けていくうちに、「この仕事は社会にとってあってもなくても変わらないな。どうせやるなら、社会問題を解決できる自社サービスを作りたい」と思うようになったのです。その中で、周囲の起業家たちを見ていくと、気が付いたのが「起業家は金融のプロではない。おもしろいことをやっているのに、うまく資金調達ができず、挑戦ができなくなっている経営者が多い」ということ。私自身も投資会社の方とお話する機会は多かったのですが、自分の思うような資金調達はなかなかできませんでした。そこから、ITやインターネットを活用することによって、フェアな金融の仕組みを作れないかと考えるようになり、出来上がったのが株式会社日本クラウドキャピタルです。
■挑戦する人に貢献する新しい仕組みを提供したい
日本における、ベンチャー企業への年間投資金額は0.8兆円くらいです。それに比べアメリカは38兆円ほど。つまり、日本はアメリカと比べると50分の1くらいのマーケットしかありません。今の時代は、ITの発達で、世界同時多発的に同じようなビジネスモデルが作られています。その時に、資金調達の金額がに50倍もの差があると違えば、成長速度が圧倒的に違うため、日本からグローバル企業を作るには、資金調達金額を上げる必要があります。30年前は世界の時価総額ランキングのうち、4~5割は日本企業でした。しかし、この30年間、ランキングから日本企業は姿を消しています。その理由は、日本企業に資金が集まりにくいという課題があります。もし、挑戦するスタートアップを応援する新しい仕組みがあればと思い、株式会社FUNDINNOを作りました。
■日本から、世界で戦える会社を出していく
株式会社FUNDINNOはインターネットを通じて資金調達したい会社と、そこに投資したい投資家をマッチングさせるのが基本的な仕組みです。現時点で資金調達を行った今は会社の数は350社くらいで、個人投資家は13万人ほどのユーザーがいます。100人から200人の個人投資家が応援したいと思わないと、ある程度の金額が集まらないので、会社として成立しない仕組みになっており、これはプロの金融では判断できない世界だと思っています。
プロの芸能人ではないYouTuberが、ネットを通じて新たな価値が生み、評価されていくように、金融にもプロに評価される世界だけでなく、ネット上の個人投資家によって評価される世界があるはずだと考えています。このサービスの大きな特徴は、新しいことに挑戦する中で、上手くいかずに数字が出せない上に実績がないので投資を受けるのが難しい創業初期の企業にも資金提供の機会を提供できる点です。創業初期は、数字を出すためにも資金が必要という場面が多々あります。これこうした課題を解決するためには、多様な投資家が支える仕組みが必要です。実績はまだ出ていないけれども、おもしろいと思える会社を、ネットの集合知で判断できる世界ができた。これが非常にユニークな特徴だと思います。
私たちが目指すのは、日本から世界を目指せる会社を輩出すること。そのために、優秀な企業に対して、より多くの個人投資家が資金提供をできる世界を目指しています。今、弊社の規模は日本のベンチャー投資の中で0.3%ほどのシェアです。でも、このシェアをもっと増やし、1000億円、2000億円の資金をベンチャー企業に提供し、世界で戦える会社を世に送り出していきたいです。
■大学生へのメッセージ
時代が進むにつれ、挑戦を応援しやすい仕組みはどんどん整ってきています。ですので、起業への挑戦しやすさは、どんどんハードルが下がってきています。若い方でも挑戦しやすい世の中だからこそ、本当にやりたいことや挑戦したいことを、失敗を恐れずにやってほしいです。失敗しても、それは良い経験になるので、前向きにどんどん挑戦してください。
学生新聞オンライン2024年3月14日取材 日本大学2年 米満光里
国際基督教大学 1年 若生真衣 / 津田塾大学1年 石松果林 / 慶應義塾大学大学院2年 賀彦嘉/日本大学2年 米満光里
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