俳優 大地真央 / 舞台『リーディングドラマ「すぐ死ぬんだから」』
いくつになっても挑戦を。“今”を真摯に丁寧に、積み重ねる

俳優 大地真央(だいちまお)
■プロフィール
俳優。2月5日生まれ、兵庫県出身。宝塚歌劇団月組トップスターとして一時代を築く。退団後は舞台・映像・CMと幅広く活躍し、菊田一夫演劇賞特別賞、芸術祭賞大賞、松尾芸能賞、岩谷時子賞特別賞などを受賞。近年の主な出演作にドラマ「最高のオバハン中島ハルコ」「おコメの女」、映画「ゴッドマザー」など。
宝塚歌劇団月組トップスターを経て、退団後もミュージカルや舞台、ドラマなど第一線で輝き続ける俳優・大地真央さん。取材中もチャーミングでユーモアあふれるお人柄が溢れ出し、温かい空間に包まれました。今回は、舞台『リーディングドラマ「すぐ死ぬんだから」』のお話とともに、これから社会へ羽ばたく学生たちへのメッセージをお届けします。
元々は芸能界に憧れていたのですが、当時は父から反対されてしまいました。そんな時、父の知人の宝塚ファンの方から「宝塚は、安心して娘を預けられる学校だよ」と勧めていただいたことがきっかけで受験を決めました。
そこからクラシックバレエや声楽を約3ヶ月間、猛特訓して受験に臨んだんです。ただ、当時は宝塚の舞台自体を見たことがなく、面接で「今回落ちたらどうしますか?」と聞かれた際、思わず「もう来ません!」と答えてしまったんです(笑)。 見たこともない世界でしたし、当時は「ダメならいいや」という気持ちだったんですよね。運良く合格させていただいたのですが、後にトップスターになってから当時の先生に理由を尋ねると、「その時どうかではなく、我々は『可能性』を見ているんだよ」とおっしゃっていただきました。
■苦労すらも楽しむ。心に「笑顔」と「鮮度」を保つヒント
舞台の場合、お客様からいただく温かい拍手や笑顔、そして「生きる希望をもらいました」「活力になりました」というお声には、本当に励まされています。頑張ってよかったなと思いますし、もっと頑張ろうという力が湧いてきます。
もちろん、作品を生み出すまでの苦しみや苦労はつきものです。ですが、その先にはお客様の幸せな笑顔が待っています。ですから、私自身はその苦しみすらも楽しむ気持ちで向き合いたいと思っていますね。
お仕事でもプライベートでも、特に大切にしているのは「笑顔」です。嘘でも笑う。たとえ気持ちが沈んでいる時でも、鏡の前で作り笑顔を作ってみる。そうすると、脳が騙されて自然とポジティブな気持ちに切り替わるそうなんです。笑うことや笑顔でいることは、美や健康にとっても大切な秘訣ですね。
そしてもう一つ、常に意識しているのが「鮮度」です。年齢を重ねると、つい「これはもう知っている」「前もこうだった」と思いがちですが、常に新鮮な気持ちで新しい物事に取り組むこと。自分自身の感性も、いつでも瑞々しく保ち続けていたいと思っています。
そして、私の原点でもある宝塚時代から役作りにおいて大切にしてきたのが「ユーモア」や「人間くささ」です。どんなに二枚目のカッコいい役であっても、どこかクスッと笑える部分があったり、人間味あふれる隙があったりするほうが、役に深みと幅が生まれると思うんです。人生も同じで、ちょっと冗談を言い合って笑ったり、泣いたり、そうした豊かな感情があるからこそ面白いのだと思います。皆さんもぜひ、笑うことやユーモアを日常の中で大切にしてみてください。
人と関わる時に心がけているのは、まず相手のお話や意見にしっかり耳を傾ける「聞き上手」になることです。いろいろな方と出会い、コミュニケーションを重ねる中で、相手の言葉や考えを尊重する姿勢はとても大切だと感じています。そうして心をひらいて接していると、人間関係というのは不思議と自然に必要なご縁が残っていくものなんですよ。
■「今やるべきこと」に真摯に向き合ってきた役者人生
そして、私はこれまでも「今やるべきこと」に対して自分なりに真摯に向き合ってきたという自負があります。夢を追うというよりは、目の前の仕事一つひとつに全力で向き合い、気がついて後ろを振り返ってみたら、初舞台から53年という月日が経っていたという感覚なんです。
だからこそ、これからもきっと変わらず、今までと同じように目の前の一つひとつを大切に積み重ねていくのではないのかなと思いますね。その結果が「今」であり、これからの未来に繋がっていくのだと思います。
昔からよく言っているのですが、私のライバルはいつも「過去の自分」なんです。誰かと自分を比べるのではなく、良かったと言っていただいた過去の作品や過去の自分を超えていく。そうやって“今”を全力で重ねてきたからこそ、今の私があります。
■役者として入っていく喜び。新作舞台「すぐ死ぬんだから」の挑戦
舞台『リーディングドラマ「すぐ死ぬんだから」』のお話をいただいたときは、まずタイトルの強烈さに驚きました(笑)。ですが、内館牧子さんの原作が本当に面白く、ただ座って朗読するだけではなく歌や動きも加わるという新しい挑戦に、非常に興味を惹かれました。
主人公の忍ハナさんは、年齢を言い訳にせず常に前向きなところがとても魅力的な女性です。おしゃれが大好きなところは、私との共通点ですね。作中ではドラマチックで思いがけない展開がありますが、どんな時も強く前を向いて歩んでいく姿に勇気をもらえる作品です。
私は「役者」という言葉がとても好きなんです。役を自分に引き寄せるのではなく、私自身が役の中にすっと入っていきたいという思いが昔からあります。役を作り上げる時はひたすら台本を読み込み、お稽古の中で相手の方とのやり取りを重ねながら形にしていきます。
今回はハナさん役に加えて、さらに三〜四役を演じる予定です。共演する長野博さんはとても温かい空気感を持たれた素敵な役者さんで、7年ぶりにご一緒できるのも楽しみにしています。台本を手に持ちながら全身で表現するスタイルですので、すべてが見どころと言える舞台になりそうです。
今回のリーディングドラマも、私にとっては挑戦です。歳を重ねてきても、「初めてのこと」というのはまだまだあるのだなと実感しています。だからこそ、いくつになってもチャレンジする気持ちを忘れないでいたいですね。
■何度だって、いつだってやり直せる
10代後半から20代という時期にいる皆さんに伝えたいことは、「思ったこと、やりたいと思ったことは、どんどんやってみたらいい」ということです。万が一うまくいかなかったとしても、何度だって、いつだってやり直せます。「あの時やっておけばよかった」と後悔しないように、勉強でも、お友達との思い出作りでも、興味のあることに臆せず挑戦してみてください。
学生新聞オンライン2026年7月23日 東京女子大学3年 浮田梨紗
【公演概要】
舞台 リーディングドラマ「すぐ死ぬんだから」
ソング×ダンス×リーディング
二人だからこそ生まれる、極上エンターテインメント開幕!

原作:内館牧子『すぐ死ぬんだから』(講談社文庫)
出演:大地真央 長野博
台本・演出:笹部博司
作曲:宮川彬良
音楽監督・ピアノ演奏:阿部篤志
日程・会場:
2026年10月3日(土)~10月12日(月・祝) 東京・よみうり大手町ホール
2026年10月17日(土)~10月18日(日) 大阪・サンケイホールブリーゼ
2026年10月22日(木) 宮城・電力ホール
2026年10月24日(土) 秋田・秋田芸術劇場ミルハス 中ホール
2026年10月27日(火) 愛知・ウインクあいち 大ホール
2026年10月30日(金)~10月31日(土) 富山・オーバード・ホール 中ホール
公式サイト:https://ml-geki.com/sugushinu2026/
公式X:@sugushinu2026

日本大学2年 原田達司/関西外国語大学3年 石川遼/城西国際大学3年 渡部優理絵/東京女子大学3年 浮田梨紗/武蔵野大学4年 吉松明優奈

TOP CONNECT株式会社 代表取締役 内田雅章


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