東京都消費生活総合センター 『STOP!若者の消費者トラブル』CMシナリオ・動画コンテスト 出張キャラバン

“おひな様”こと長浜広奈さんがアンバサダー!応募無料のCMコンテスト

東京都では、若者の消費者トラブル防止を呼びかける「『STOP!若者の消費者トラブル』CMシナリオ・動画コンテスト」の作品を募集中です。応募は無料で、何作品でも応募可能。文章のシナリオだけでも参加でき、優秀賞作品はプロの手で映像化され、地上波テレビ局(TOKYO MX)でCM放送されます。
10月2日には、東京家政学院大学の千代田三番町キャンパスで「『STOP!若者の消費者トラブル』CMシナリオ・動画コンテスト 出張キャラバン」が開催されました。アンバサダーを務める、タレントでインフルエンサーの“おひな様”こと長浜広奈さんも参加し、学生と一緒に消費者トラブルやCM制作について学びました。当日の様子から、身近な経験を作品にするヒントを紹介します。


誰かに伝えるために、まずは身近なトラブルを知る

一人暮らしを始める、自分でサービスを申し込む、ネットで買い物をする。学生生活には、自分で選び、判断する場面がたくさんあります。消費者トラブルも、そんな日常と隣り合わせです。
授業の前半では、東京都の担当者が若者に身近なトラブルを紹介しました。上映された動画では、鍵をなくして呼んだ業者から、広告を見て想定していた金額を大きく上回る料金を請求されるケースや、「2年間通い放題」という説明で契約した脱毛サービスを、思うように利用・解約できないケースが取り上げられました。
担当者がコンテストに込めるのは、シナリオを考える過程を通じて、消費者トラブルを自分事として捉えてほしいという思いです。「気をつけて」と言われるだけでは実感しにくいことも、同世代の人にどう伝えるかを考えると、見え方が変わるのかもしれません。
疑問に感じた広告や、友人との会話で気になったこと。そんな身近な気づきが、作品のテーマを見つける手がかりになります。

長浜広奈さんも、学生と一緒に「知っているつもり」を見直す

授業の中盤には、長浜さんが学生と一緒に消費者トラブルに関するクイズに取り組みました。今年18歳になったという長浜さんは、難しい問題に戸惑ったり、学生の答えに共感したりと、同じ目線で考えていました。その率直な反応や朗らかな語り口が、会場の雰囲気を和ませていました。
クイズの一つは、「お店で弁当を購入するとき、どの時点で契約が成立する?」という問題です。学生が選んだのは「代金を支払ったタイミング」でしたが、正解として示されたのは「お客さんの申し出を店側が承諾したタイミング」。長浜さんも、代金を支払うときだと思っていたと驚いていました。日常の買い物にも、意外と知らないことがあると気づかされます。
また、消費者トラブルで困ったときの相談先を問う問題では、消費者ホットライン「188」が紹介されました。長浜さんは「この番号は覚えときます」と話していました。
知らなかったことや、思い込んでいたことに気づく。その驚きも、CMづくりのきっかけになります。「自分が初めて知ったことを、友人にも伝えるなら?」と考えると、届けたいメッセージが見つかりそうです。

学生が考えたセリフに、長浜さんも「刺さりました」

続いて行われたのは、過去の受賞作品のセリフを穴埋めする「CMセリフ大喜利」です。学生たちは二人一組になり、場面に合う言葉を考えて掛け合いを披露しました。
街頭で「もっと綺麗になりたい?」と声をかけられ、無料の商品を勧められる場面では、学生が「もう十分可愛いのでいらないです」ときっぱり断りました。長浜さんも、自分だったら同じように答えると共感していました。
告白した相手から契約書へのサインを求められる場面では、「外見だけじゃなくて、もっと中身をしっかり見てよ」というセリフが登場しました。人の内面と契約書の内容を重ねた表現に、長浜さんは「これは刺さりました」と反応し、自分では思いつかなかった答えだと感想を述べました。
難しい言葉を並べなくても、身近な会話や意外なひと言が、心に残るメッセージになる。学生たちの発表からは、そんな表現の可能性が感じられました。
友人と「自分だったら、何と言う?」と話してみるだけでも、アイデアは広がりそうです。

野球の経験が、昨年度の受賞作品に

自分の経験を作品に生かした実例も紹介されました。同大学の昨年度の優秀賞受賞者が題材にしたのは、幼い頃から親しんできた野球です。
作品では、背番号を年齢に見立て、19番の選手に打球が集中する様子を描いています。若者が悪質事業者に狙われていることを、野球の試合になぞらえて表現したものです。
受賞者が一番伝えたかったのは、自分が狙われていることに気づいてもらうことだったといいます。発想のもとになったのは、試合中に自分のところへ何度も球が飛んできて、「狙われている」と感じた経験でした。
部活動や趣味など、自分のよく知る世界と、伝えたいメッセージを組み合わせる。消費者トラブルの被害に遭った経験がなくても、日常の経験を作品に生かすことができます。
受賞後には「1日ディレクター体験」にも参加したそうです。撮影現場でスタートやカットの声をかけながら、CM制作に携わったことが紹介されました。
自分が文章で考えた場面が映像になり、誰かに届く。広告や映像制作、言葉で伝える仕事に関心がある学生にとっても、貴重な経験につながる機会です。

初めてのシナリオづくりは、五つのステップから

「応募してみたいけれど、シナリオなんて書いたことがない」。そんな人にとって参考になるのが、審査員で監督・脚本家・小説家の橋爪駿輝さんによる制作のヒントです。会場で上映された解説動画では、5つのステップが紹介されました。
① 取り上げるテーマを観察する
まずは、若者の消費者トラブルについて知ることから始めます。そのうえで、自分の身の回りで起きたことや体験したことに目を向けると、作品にオリジナリティが生まれます。
② 伝えたいメッセージを絞る
短いCMに多くの情報を詰め込むと、何を伝えたいのかが分かりにくくなることもあります。一番伝えたいことを決め、複数ある場合は優先順位をつけて考えます。
③ 心をつかむアイデアを探る
メッセージが決まったら、相手にどう届けるかを考えます。率直に伝える方法もあれば、少し意外な展開や、思わずドキッとする場面を取り入れる方法もあります。
④ 出来上がりの映像をイメージする
誰が、どこで、何をしているのか。どんな場面や見せ方なら伝わるのか。完成した映像を思い浮かべながら書くことも大切です。
⑤ 日を分けて何度も読む
書いた直後には気づかなかったことも、時間を置いて読むと見えてきます。一度で完成させようとせず、読み返しながら、より伝わる表現に直していきます。
橋爪さんが呼びかけたのは、自分の言葉で書くことです。「自分は何を伝えたいのか」を出発点に、場面やセリフを考えてみましょう。

【応募概要】
•応募資格: 応募時点で東京都内に在住・在学・在勤の中学生以上29歳以下のアマチュアの方(個人・団体は問いません)。
•応募形式: CMシナリオまたは動画。シナリオは30秒のCMを想定した長さで、応募フォームへの直接入力やファイルのアップロードで応募できます。動画は本編30秒で、MOV・MP4形式に対応しています。
•応募費用・点数: 無料。一人につき何作品でも応募できます。
•応募要件: 「若者をターゲットにした悪質商法に引っかからないこと」「契約するときは慎重になること」「消費生活センターを活用すること」のうち、一つ以上のメッセージを盛り込み、作品の最後に「東京都消費生活総合センター」という言葉を入れてください。
•作品の条件: 未発表・未公開で、応募者が権利を有し、第三者の著作権・肖像権などを侵害しないもの。実在の製品・サービスに関する表現や、それらを連想させる表現は避けてください。
•賞: 入賞16点(優秀賞3点・審査員特別賞3点・入選10点)。優秀賞3点は30秒のCM動画として映像化されます。
•応募締め切り: 2026年10月16日(金)
•応募方法: 公式サイトの応募フォームから。
https://www.cmcontest.metro.tokyo.lg.jp/

※入賞作品の著作権は東京都に移転し、作品が編集・改編される場合があります。提出データの仕様やその他の注意事項は、公式サイトの応募要項をご確認ください。

学生新聞オンライン2026年10月2日取材 津田塾大学4年 石松果林

共立女子短期大学2年 荒木かれん/津田塾大学4年 石松果林/日本大学1年 田尻彩

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