衆議院議員 船田元

世界に目を向け、何事にも恐れず挑戦してほしい

衆議院議員 船田元 ふなだはじめ

■プロフィール
1953年11月22日、栃木県宇都宮市生まれ。慶應義塾大学大学院修了。1979年、最年少の25歳で衆議院議員に初当選。1992年には39歳で経済企画庁長官として入閣した。自民党憲法改正推進本部長、衆議院議員総会長などを歴任。栃木1区選出、2026年2月の衆院選でも当選し、通算15期目。

慶応義塾大学大学院卒業後、作新学院高校の教員を経て、衆議院議員となった船田元さん。国務大臣経済企画長長官や弾劾裁判長などを歴任し、国際貢献や科学技術の発展に向けた政策に取り組んできた。今回、船田さんに学生時代と政治家を目指したきっかけ、現在の取り組み、今後の展望を伺った。

学生時代は勉強半分、サークル活動半分という生活でした。大学では、経済学や教育学を学びながら、「星を見る会」というサークルで天体観測を楽しんでいました。星がよく見える郊外へ出かけ、観察していました。また、栃木県出身の慶應義塾大学の学生でつくる学生会にも所属し、会長を務めました。慶應義塾大学の音楽関係のサークルを宇都宮に招き、公演を開催する活動です。学生ながらチケットを販売する必要があり、その難しさを経験しました。人に足を運んでもらうために工夫した経験は、今にも生きています。
大学卒業後は、作新学院高校の教員になりました。当時、祖父の船田中は衆議院議員を務めており、私は将来、父がその後を継ぐのだろうと考えていました。しかし、父は当時栃木県知事を務めていたため、すぐに衆議院議員選挙へ出ることはできませんでした。そこで周囲から私に出馬の話が持ちあがったのです。最終的に立候補を決意し、選挙活動に入りました。教員として人前で話すことには慣れていましたが、大人を相手に「政治を語る」となると、勝手が違います。きちんと伝わるように話すことには苦労しましたね。ただ、人間は訓練を重ねれば成長することができます。場数を踏むごとに、少しずつ手ごたえを感じました。しかし政治家を40年近く続けてきましたが、いまだに100点満点の演説ができたと思ったことはありません。人間に100%の完成はないと思い、今も精進を続けています。
政治家になる最後の決め手となったのは、祖父を長年支えてきた秘書の方々の存在でした。「祖父を支えてくださった方々へ恩返しをしたい」という思いが大きかったです。父からも「やった方がいいよ」とあたたかく背中を押してもらいました。そうした周囲の思いに応えたいという気持ちが、政治の道へ進む力になりました。

■国際貢献と科学技術の発展を後押し

政治活動の中でも、外交や国際貢献に力を入れておりました。きっかけは、JICAの青年海外協力隊を支援する役割を担ったことです。当時、年間500~600人ほどの20~40代の若い人たちを世界各地の途上国へ送り出していました。派遣期間は約2年間のため、常に1000人ほどが海外で活動していることになります。その後、派遣人数をさらに増やそうという話が持ちあがり、年間1000人規模へ拡大する取り組みを後押ししました。国際貢献では、資金だけでなく、人が実際に現地に入り、支援することも大事だと考えています。
天文分野において、ハワイ島のマウナケア山頂に、世界各国の大型望遠鏡が設置されています。日本が大型反射望遠鏡を設置することになり、その実現を後押ししました。現在は、次の大型望遠鏡である凹面鏡の計画が進められています。天文学をはじめとする科学技術の発展において、大きな貢献ができたことをありがたく思っております。

■科学技術と消費者問題に向き合う

現在、力を入れているテーマの一つが科学技術です。日本の将来を支えるためには、基礎研究を充実させることが欠かせません。科学研究費助成事業、いわゆる科研費を増やすことや複数年度にわたって柔軟に使える仕組みづくりを進めています。特に大切なのは、「若手研究者が研究を続けられる環境」です。比較的小規模な研究費も含め、若い研究者に資金が行きわたり、研究に挑戦できる機会を増やしていきたいと考えています。若手が育たなければ、次の研究を担う人材も生まれません。
さらに消費者問題にも取り組んでいます。消費者被害は非常に大きく、販売方法や広告の変化に応じ、消費者契約法、特定商取引法、景品表示法などを適切に見直す必要があります。消費者ホットライン「188(いやや!)」の周知にも取り組んできました。トラブルが起きたあとに早く解決することに加え、被害そのものを未然に防ぐことが重要だと考えています。
政治の仕事でやりがいを感じるのは、団体や地域のみなさんから受けた要望が実現し、喜んでいただけたときです。そうした成功体験が、目標へ近づく実感となり、活動を続ける原動力になっています。

■若い世代の声を政治に届けるために

これから特に考えていきたいのが、「医療」、「年金」、「介護」などの社会保障です。若い世代も将来は高齢期を迎え、ご両親の介護を担う時期が来るかもしれません。社会保障のあり方を、自分自身の将来に関わる問題として考えてほしいと思っています。そして、それを政治への関心につなげてもらいたいです。
高齢者は投票率が高い一方、若い世代の投票率は低い傾向があります。若い人たちが投票に行けば、政治家も若い世代に向けた政策をこれまで以上に考えるようになります。私は、国民投票の投票年齢や選挙権年齢の18歳へ引き下げる取り組みに関わってきました。大学内への期日前投票所の設置や副読本をつくり、高校での主権者教育の推進にも取り組んできました。若い人たちが政治を遠いものと捉えず、自分たちの暮らしに直結するものとして参加してほしいと考えています。

■大学生へのメッセージ

学生のみなさんには、何事にも挑戦してほしいです。挑戦することをためらわず、興味を持ったことには一歩踏み出してみてください。特に、海外留学にはぜひ挑戦してほしいと思っています。日本人の学生が留学する数は、かつての半分ほどに減っています。もちろん、少子化によって人口そのものが減少していることもありますが、それ以上に留学する学生が減っていることには、何か問題があるのではないかと感じています。ぜひ、さまざまなことに挑戦をしてください。

学生新聞オンライン2026年9月3日取材 東京薬科大学4年 庄司春菜

早稲田大学3年 中澤京平/日本女子大学1年 大池絵万里/東京薬科大学4年 庄司春菜/城西国際大学3年 渡部優理絵//東京女子大学3年 浮田梨紗

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