エン・ジャパン株式会社 代表取締役社長 鈴木 孝二
働く人の意識を変えることで 企業が変わり、社会が変わる!
エン・ジャパン株式会社 代表取締役社長
鈴木 孝二 (すずき たかつぐ)
1971年愛媛県生まれ。大学卒業後、エン・ジャパンの前身である株式会社日本ブレーンセンターに入社し、採用、教育・評価の各事業ドメインでコンサルティング業務に従事。2000年1月、エン・ジャパン株式会社設立と同時に取締役営業部長に就任。設立1年半での上場や設立以来の増収増益など、会社の急成長を最前線で牽引する。2008年3月、常務取締役、同年6月より現職。
多くの求職者の仕事人生の充実、人材の活躍・定着によるクライアント企業の業績向上を追求するエン・ジャパン。同社代表取締役の鈴木さんは「やりがいを持って仕事に取り組める人が増えれば、社会も変わる」と話す。自身の強烈な原体験から、同社への入社を決意したという鈴木社長に 人材について話を伺った。
大学で気付いた仕事で工夫する面白さ
大学で気付いた仕事で工夫する面白さ大学時代は、映画鑑賞とアルバイトに明け暮れていました。映画は、年に数百本は観ていましたね。特にフランス映画が大好きで、この頃は、映画監督になりたいとさえ
思っていました。
飲食店でのアルバイトには、かなり真剣に取り組んでいました。自分なりに工夫して仕事をするようにしていましたね。たとえば、天気予報を見てビールの仕入れ量を変えたり、おかわりの声がけのタイミングを見計らったり……。ただ作業をこなすのではなく、日々、「売上の記録を作ろう!」と思って、細部にまでこだわったサービスを心がけた。そうしたら、リピートで来てくださるお客様も増え、お店の売上も上がり、社員の人にも認められました。
たとえもらうお給料は変わらなくても、自分で試したことがお客様の笑顔やお店の売上に反映されていくことにやりがいを感じましたね。現在の仕事のマインドにも通じている経験です。
就活で出会った「社会を変える仕事」
最初はマスコミ志望でした。新聞社などを中心に就職活動をしていたのですが、狭き門で、難航していました。そんな中、届いたのがエン・ジャパンの前身、日本ブレーンセンターからの案内でした。参加してみると、当時社長だった越智(現エン・ジャパン会長)本人が大きなビジョンを直接語ってくれました。その姿に感動し、入社を 決意したんです。また、「人材領域の仕事に魅力を感じたから」ということも、大きな理由です。
私の出身地は造船の町なのですが、ある時、不況のあおりで造船業が傾いたことがありました。多くの大人が仕事を失い、町全体が荒んでしまったのです。この強烈な原体験があったので、越智の話は鋭く心に刺さりました。仕事にやりがいを感じる大人が増えれば、その背中を見て育つ子どもたちも、仕事への意識が変わる。そうして、社会も良くなっていく。これは今でも私のモットーとなっています。
意識が変われば人生も社会も変わる
「自分にあった仕事がわからない」と質問をいただくことがあります。私は、何をするかではなく、どんな意識で取り組むかが重要だと考えます。
たとえば弊社では、仕事において大事にしている2つの価値観があります。自身の仕事を通じて、社会をより良くしていこうという〝インナー
コーリング〞。そのために一生懸命に仕事に取り組もうという〝ワークハード〞です。この価値観は、実際に当社のサービスにも反映されていま
す。それが転職サイト『エン転職』の「貢献検索」。誰に対してどんなふうに役に立ちたいのかで仕事を探せる機能です。業界のトレンドや、世の中の動きは目まぐるしく変わっていきます。だからこそ、自分が人に何を提供できたときに嬉しかったのか、を軸に仕事を考えてみることも必要です。それこそ就活でも、はじめから業界などを絞らず、できるだけ多くの企業を見たほうがいいと思います。
弊社は、人材業界をもっと尊敬される業界にしていきたいと考えています。そのために掲げているのが「入社後活躍」という言葉。転職を繰り返す人を増やすのではなく、本当にその会社で活躍できる人をフィッティングし、多くの仕事人生の充実、企業の発展を応援したいのです。そのために、テクノロジーも活用しながら、より質の高いサービスを社会に提供し続けたいですね。
*message*
今の若い人たちは、デジタル・ネイティブの中で過去の価値観にとらわれず、新しいものを生み出していく発想を持っていると思います。
私は、それはある意味、チャンスだと思います。せっかく先進的なベースがある時代に生きているのですから、若者にしかできない発想とアイデアで、チャレンジしていってほしいですね。「安定していそうだから」とか、「休みが多いから」などの理由で就職を決めるのはもったいないです。世界は広く、すごい人はたくさんいます。今の自分の世界が全てと思わずに、海外へ行ってみるなど、ぜひ学生のうちにさまざまな経験をしてください。
学生新聞2019年10月31日号より(慶應義塾大学4年 小川淑生)
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