学校法人神奈川大学理事長・神奈川大学長 兼子良夫

どうやって生きるかを、正しく選択していく力を育てる

学校法人神奈川大学理事長・神奈川大学長 兼子 良夫(かねこ よしお)

■プロフィール

2003年より神奈川大学に勤務。経済学部長、理事を経て、2016年4月より学長に就任。2020年9月より学校法人神奈川大学理事長を兼務。現在、文部科学省大学設置・学校法人審議会特別委員をはじめ、学外の要職を多数務める。

「質実剛健」「積極進取」「中正堅実」の精神に基づき、真の実学を目指す神奈川大学。2021年4月にはみなとみらいキャンパスを開設。国際都市・横浜を知の拠点として、世界に通用する人材育成に力を入れている兼子学長に話を伺った。

■どんな学生生活を過ごされていましたか

 常に自分で考えて行動することを心がけて、学びの日々を過ごしていました。特定非営利活動法人アイセック・ジャパンという団体に所属し、海外の学生が日本で働くことに対する支援と、日本の学生が海外で働くことに対する支援をしていました。スタディツアーで東南アジアの大学を訪問することもあり、学生時代から海外に目を向けていました。
 発展途上国の学生と交流する機会が多く、彼らの「自分で国を創っていく」という強い意志に触れることができたのは学びでした「。自分は将来にどんなビジョンがあるのか?「」自分はどう生きていくのか?」と自問自答するきっかけになりました。

■学問を研究する意味について、教えてください

 世界には解決できていない問題があります。私の研究分野である経済学においては、物価高騰、貧困と飢餓、失業問題などです。一人ひとりがより良く生きていける社会にするために、問題解決を目指して世界中の研究者たちが、日々努力しています。
 私も「、人々の生活や生存の厳しさを、学問で解決したい」と思い研究の道に進みました。

■学長としての想いをお聞かせください

 私の根底には、「一生懸命頑張る学生をサポートしたい」という想いがあります。学生のみなさんに、学問の叡智をいかに伝えることができるかを常に考えています。
 そのために、国際的な大学づくりを目指し、世界標準の高いレベルで研究を行っています。2021年4月に開設するみなとみらいキャンパスはその一環であり、産官学連携の視点においても、双方で啓発し合いながら進める「新しい教育・研究」を実現することができる理想的な環境です。いま本学が積極的に取り組んでいるのは、SDGs17の目標と169のターゲットの達成に向けた研究・教育の推進です。持続可能な社会をつくるために、高等教育機関として研究活動や教育活動を通じ、地球規模の課題に対して、さまざまな側面から解決策を見つけることに大きな責任を持っています。イギリスのタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が発表した、SDGsを軸とした世界の大学の社会貢献度を測るTHEUni-versityImpactRanking2020にて、本学は指標となる全SDGでランクインしました。全SDGにランクインした日本の私立大学は校のみです。日本の主要大学の一つとして、一層SDGsへの取り組みを強化してまいります。

■どんな学生が社会に求められていくと思いますか

 資本主義社会の未来は、誰にも分からない、不確実で予測不可能なものです。分かっているのは、いまの概念は通用しなくなる、ということです。社会が激しく変化する時代にあって、その場に合わせて臨機応変に行動できる対応力や、グローバルに活躍できる力が必要不可欠です。「あの企業に入りたい」ではなく、「どうやって生きるか」を常に考え、正しく選択できる能力を磨いてほしいと思っています。
 本学卒業生には、世界的企業で活躍している人や、官公庁でも重責を担っている人がたくさんいます。本学で学んだ学生が社会に出て、一生懸命頑張っている姿を見ると胸が熱くなりますね。

■大学生へのメッセージをお願いします

 新型コロナウイルス感染症の流行で厳しい状況が続いていますが、これをむしろチャンスと捉えていくことが大切です。本学でも、オンラインを活用し約180の海外協定校との交流を活かして連携をはかり、教育内容の幅を広げることで、頑張る学生をバックアップしています。
 未来に向かって希望を忘れずに前に進み続けてほしいです。苦しい状況を一緒に乗り越えていきましょう!

学生新聞2021年4月号 明治学院大学3年 小嶋櫻子

日本大学3年 辻内海成 / 明治学院大学3年 小嶋櫻子 / 津田塾大学3年 川浪亜紀

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。