KLab 株式会社 代表取締役社長 CEO 森田 英克

エンターテイメントコンテンツで、世界中のユーザーをひとつにつなげる

KLab 株式会社 代表取締役社長 CEO 森田 英克(もりた ひでかつ)

■プロフィール

法政大学社会学部を卒業後、WEBプランナー、モバイルコンテンツプロデューサーを経て、2002年にKLab(旧ケイ・ラボラトリー)に入社。2007年、コンテンツビジネス事業部長。2008年、コンテンツメディア部長。2010年、執行役員KLabGames部長。2012年、専務取締役。2019年3月より代表取締役社長に就任。

ゲームの運営は皆様の声が原動力、と語る森田社長。“エンターテイメントコンテンツで世界中のユーザーをつなげること”をビジョンに、コロナ禍で海外に行けない状況にあっても、ゲームを通じで多くの人たちにつながってほしいと語る。その熱い思いを伺った。

 高校年生までは全く勉強をしていなかったのですが、このままではだめだと思い、最後の1年間は一生懸命勉強しました。受験日まで年を切り、時間が無いことに気づいたので、ただやみくもに勉強するのではなく、まず問題研究から始め、受験する大学が出題している過去問題を徹底的にやりました。その結果、法政大学に合格したのですが、偏差値が高いといって恐れるのではなく、やり方を考え、作戦を立てれば必ず突破できるということを学び、この経験が自信につながりました。
 大学入学後はインディーズのバンド活動に力を注いでいて、そのクリエイティブさに夢中になりました。その影響からファッションや音楽関係の企業を中心に就職活動をしていました。歳までバンドを続けていたのですが、仕事よりも音楽活動が中心の生活でした。個性の違う人たちと何かを作っていくには協調性が必要です。仲間と一緒にイベントを企画したりしていましたので、主体性も身についたと思います。その反面、20代前半で人生のキャリアプランについて真剣に考えていなかったという反省もあります。

■ゲームでつながるサービスのポテンシャル

 大学卒業後は小売関係の会社で働いていましたが、自分に合っていないと思い、2年で辞めました。その後、WEBデザインやモバイルサイトを作る仕事をやっている中で、サイト運営に興味を持つようになりました。お客様が課金するサイトでは、私たちがいいサービスを作れば登録者も増え、収入も増えることが目の前でわかり、課金制というビジネスモデルが面白いと思ったのです。モバイル端末でこれから新しい未来が開けるというワクワク感と実際に市場がすごい勢いで伸びていることがわかり、若くてもこの分野で成果を上げることができると思うようになりました。
 KLabもシステム開発などをやっていく中で、モバイルを通してお客様がつながり、一緒にゲームを楽しむサービスは、絶対にポテンシャルがあると感じるようになり、日本にソーシャルゲームが入ってきたタイミングでゲーム業界に参入しました。
 このビジネスは自分たちでサービスを作ってネット上で提供し、お客様にお金を払ってもらうというビジネスモデルです。仕事をしていくなかで、いろいろな人と協力しながら面白いアイデアを見つけ、磨き上げ、世の中にリリースしていきます。その結果、大きな反響を得られたときは、ランキングやSNS上の書き込みでリアルに結果が見えるようになり、うまくいったときの達成感は格別なものがあります。
 一方では、自分たちが作っている作品が本当に面白いのか、自問自答する日々です。その結果、品質を向上させるために今あるものを疑い、ときには勇気を出して作品を作り直すことも多く、そこがこの仕事の難しいところです。
 また、私たちの会社は世界に向けてグローバルに展開しています。海外でゲームをリリースする際に、法律や文化などがそれぞれの国によって違うため、一つひとつ調べていかなければならないうえに、運営が始まった後では新しいイベントが始まるごとに対応言語を全て用意しなければならないのがとても大変です。
 一緒に働く仲間は素直な人がいいですね。素直な人は成長余力があり、人からの指摘や自分の経験をまっすぐに受け止め、次の成長に活かすことができます。現在はスキルが不足していてもすぐに成長していくため、素直であることが大切だと思います。前例主義にならず、今やるべきことや勝つために何をすべきかを自分で考え、チャレンジや失敗を恐れない人と一緒に働くのは楽しいです。

■視野は広く、世界を身近なものへ

 日本だけでなく海外でKLabGamesという名前がゲームメーカーとして認知され、世界中の人たちに楽しんでもらえるようなゲームが作れればいいなと思います。そして、エンターテイメントコンテンツで世界中のユーザーをひとつにつなげることが私たちのビジョンです。コロナ禍の今、私たちができることは何かを考えたときに、世界中の人が携帯端末を持っている現在、ゲームを介して簡単に世界とつながることができます。物理的に行き来はできませんが、オンライン上で世界中の人たちがゲームで対戦したりコミュニケーションを取ったりという場を提供することが私たちの存在意義だと考えています。そして今よりももっと大きな規模で事業展開できるように頑張っていきたいと思っております。

■message

 周りの意見に左右されず、やりたいことを貫いてください。社会が多様化している現在、できないことはないと思っています。自分がやりたいと思うことを極めていけば、それがビジネスになっていくと思います。多様性とは他人の個性を認め、リスペクトすることです。
 最後に世界を意識してほしいです。今や競争相手は海外です。海外で勝ち抜けるビジネスパーソンになることは必須だと思います。視野を広く持ち、世界規模でアプローチしていってほしいですね。

学生新聞2021年4月号 駒澤大学4年 如意太一

東洋大学1年濱穂乃香/津田塾大学3年川浪亜紀/SimonFraserUniversity2年村田美穂/明治大学2年山本真人/駒澤大学4年如意太一/駒澤大学4年安齋英希/中京大学2年安田竜也
 

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