株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド
代表取締役社長 社長執行役員 金田佳季

世界中の人に選ばれる、グローバルホテルチェーンをめざして

株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド 代表取締役社長 社長執行役員 金田佳季 (かねだ よしき)

■プロフィール

1961年生まれ。コーネル大学ホテル経営学部修士課程修了。㈱東急ホテルズ・インターナショナル、パン パシフィック ホテルズ アンド リゾーツ㈱(シンガポール本社)財務部長、パン パシフィック ホテルズ アンド リゾーツ アメリカ㈱取締役副社長執行役員などを歴任し、2010年㈱西武ホールディングスに入社、23年西武ホールディングス 取締役、西武・プリンスホテルズワールドワイド 代表取締役社長 社長執行役員(いずれも現任)。座右の銘は「挑戦なくして前進なし」。趣味は、スポーツ観戦と旅行。

業界で最大級の事業規模を誇るホテル運営会社㈱西武・プリンスホテルズワールドワイド。お客様の生涯に寄り添うホテルとして、たくさんの人に愛され続けている。代表取締役社長の金田佳季さんに、これまでのグローバルな経験、そして同社の多彩なビジネス展開や、今後目指していく姿についてお話を伺った。

学生の頃から旅行が大好きで、アルバイトでお金を貯めては、外国に旅行していましたね。大学3年生の時に、海外で勉強してみたいと思い、休学してマレーシアに留学しました。マレーシアの大学では、異文化間コミュニケーションを学んでいました。
将来は海外で仕事をしたいという思いがあったので、就職活動では、海外で働ける仕事を探しました。その当時、海外勤務が多いイメージがあったのはメーカー企業だったのですが、「他の人とは違った仕事がしたい」「ホスピタリティに携わる仕事がしたい」と思い、ホテルに就職しました。
初めの一年は、日本でマネジメントの基礎について学びました。二年目からは海外のホテルで実務経験を積みました。そこから20年ほど、いろんな国で働きましたね。新しいことに挑戦することや、知らない環境での毎日はとても刺激的でした。もちろん大変なことも沢山ありました。日本語でも、相手の思っていることが分からなかったり、こちらの気持ちが伝わらなかったりしますよね。外国語だと、円滑なコミュニケーションをとるのはさらに難しいです。国の文化に合わせたコミュニケーションが大切だということを、身をもって学びましたね。これらの経験から、どんなに大変な時でも諦めないという気持ちを常に持つようにしています。相手との交渉が上手くいかない時でも決して諦めない。相手の言葉の裏まで読み取り、常に相手の立場になって考えてみることを大切にしています。

■ブランド力を活かした多彩な経営展開

㈱西武・プリンスホテルズワールドワイドは、国内で運営するプリンスホテルブランドにおいてラグジュアリー層をターゲットにしたフラッグシップブランド「ザ・プリンス」をはじめ、「グランドプリンスホテル」「プリンスホテル」、宿泊特化型の「プリンス スマート イン」、また海外ではプリンスホテルブランドのほかラグジュアリーブランドの「The Prince Akatoki」をはじめ、「Policy」「Park Regis by Prince」「Park Proxi」「Leisure Inn」とマルチブランドで展開しています。お客様のあらゆるニーズに合わせて、最適なおもてなしを提供できるのは、当社ならではの魅力だと思います。
また、国際的なビジネスイベントを中心とするMICEビジネスにも注力しています。これまで日本で開催される大きな国際会議はいくつかのホテルが協力して行っていたのですが、2023年5月の先進国首脳会議(G7)については広島サミットをはじめ、札幌の気候・エネルギー環境大臣会合や長野県軽井沢の外務大臣会合などを当社が単独で運営しました。チェーンという強みを生かしたホスピタリティや運営ノウハウは、外務省の方からも好評をいただきました。
そのほか、海外研修や、将来の総支配人育成プログラムなど、経験を積むためのプログラムにも力を入れています。サービスを提供するホテル業では、「人」がとても重要な資源です。人が成長するには、たくさんの経験を積むことが必要ですし、刺激的な環境に身をおかれると、次第に適応力が身について、人は成長できます。当社には様々な経験に挑戦できる環境があるので、いろんな事に興味がある人にはぴったりの環境だと思います。チャレンジなくして成功はありません。ポジティブ思考を常に持ち、新しいことにチャレンジすることに前向きな人を採用したいですね。
ホテル事業以外に、アミューズメント施設を数多く運営しているのも、当社の強みです。スノーリゾートやゴルフ場など、宿泊ビジネスと多彩な経営資源を融合させ、固有な体験価値を提供できるかを追求しています。それにより、お客様の満足度をあげ、リピートにつなげたいと考えています。

■日本発のグローバルチェーンを確立したい!

将来的には、日本発のグローバルホテルチェーンを目指していきたいです。当社は、2017年から積極的に海外展開を始めました。オーストラリアを中心にホテルを展開しているステイウェルの事業を取得し、10エリアに28店舗を展開しています。(2024年1月現在)。2024年度には、タイ、エジプト、ドバイなどに新しくホテルを開業予定です。今後も海外への積極的な展開は行っていきたいですね。インバウンドの観光客は、外資系のホテルへの宿泊が多いのが現状ですが、これからは当社が運営するホテルを海外のお客様にも喜んでいただけるホテルにしていきたいです。観光は、これからの日本の経済を支えていく重要な産業だと思っているので、インバウンド獲得に力をいれ、海外のお客様にも選ばれるホテルを目指します。

■大学生へのメッセージ

学生のうちに、いろんな事に興味をもち、行動範囲を広げてください。国内外問わずいろいろな場所に旅行すると、新たな発見があったり、視野が広がったりします。近年、日本という国の存在感が薄れているように感じます。学生のうちにたくさんの学びを得て、尊敬と信頼ある日本人であると言うことに誇りを持ち、グローバルで活躍できる人材を目指してほしいです。

学生新聞オンライン2023年11月21日取材 立教大学3年 緒方成菜

立教大学3年 緒方成菜 / 上智大学短期大学部2年 大野詩織 / 駒澤大学4年 本多杏衣

 

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