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佐賀県知事 山口祥義「佐賀さいこう!」フラットで多様性のある街を創りたい

佐賀県知事 山口祥義(やまぐちよしのり)

■プロフィール

東京大学法学部卒業後、旧自治省入省。内閣安全保障・危機管理室では災害現場の最前線を指揮。過疎対策室長として過疎問題に正面から取り組み、秋田県、鳥取県、長崎県など地方自治体での豊富な経験を有す。JTB総合研究所、ラグビーW杯2019組織委員会、東京大学教授など民間等でも活躍。
2015年1月佐賀県知事に就任(現在2期目)。

学生時代から“やらない後悔よりやる後悔で”様々なことに挑戦してきたという山口知事。“人のためになるような仕事をしなさい”という言葉を受け、官僚の道に進み、現在は佐賀県知事として時代にマッチした取り組みを数多く打ち出している。佐賀県民のために行動し続ける山口知事の経験を伺った。

■迷ったら常にやるほうを選んでいた学生時代

“やるかやらないかで迷ったら常にやるほうを選ぶ”と決めて行動していました。当時資本主義経済が入る前の中国に1か月以上滞在したり、砂漠の中で車が動かなくなったり、沖縄に予備校の先生をしに行ったりと、色々なチャレンジをしていました。芸能プロダクションでアルバイトをしていて、大学の文化祭では、お笑い芸人や歌手を招いたステージをセッティングしたり、広告研究会で活動したりしていました。そういった活動を通して、“仲間と一緒にいることの素晴らしさ”を学びましたね。

■“人のためになるような仕事をしなさい”と言われた

芸能の仕事に携わっていたので、将来はマスコミ関係へ進もうかと思っていました。しかし、ある著名な方とランチをしたときに「山口君は人のためになるような仕事をしなさい」と言われたことがきっかけで、人生太くありたいと考え、また、 何をすべきなのかを考えるようになりました。そして、その頃、友人の父親がある県の知事をしていて、たまたまその方と食事をする機会があり、はじめて自治省(現総務省)という役所があることを知りました。ここなら若いうちから色々な県に転勤して挑戦していくことができると思い、自治省に入って官僚の道に進むことを選びました。

■かけがえのない経験を積んだ官僚時代

キャリア官僚は霞が関で仕事をするのが一般的ですが、私の場合、現場の最前線で多く仕事をしました。茨城県東海村の原子力事故や、新潟中越地震、有珠山の噴火の際も現地に駆け付け、現場の調整役として奔走しました。また、知事になる前は官民交流でJTBに出向したり、ラグビーワールドカップの組織委員会として全国各地を訪れ、開催を呼びかけていました。そんな中、49歳の時、縁あって、佐賀県知事選挙に出馬しました。もともと住民から愛されるリーダーになってみたいという思いがありましたが、出馬を決めたのは選挙開始日の13日前。既に有力候補もいて劣勢でのスタートでしたが、官僚時代に幅広い仕事に従事していた経験も活き、多くの方々の力で当選することができました。

■色々な人が共存できる街を作りたい

知事になってからは、みんなが自然体で心地よく暮らしていければいいなという思いから、“さがすたいる”というプロジェクトを立ち上げました。障がい者は障がい者だけのコンサートを開くといった様に、特定の人を区別するようなやり方ではなく、高齢者も外国人も障がい者もみんな同じ空間で一緒に共存できるような人にやさしい街を目指しています。また、LGBTの方々のパートナーシップ制度も 作る予定で、受容性のある地域社会をつくっていきたいと考えています。

■県民のニーズに沿った取り組みが数字として表れる

私自身、普段から色々な場所を訪れ、県民の皆さんの普段の暮らしを拝見したり、直接声を聞いたりしています。例えば、“子育てし大県さが”プロジェクトは「まず私たちに子育てをしたいと思わせて」という県民の声を受けて始動しました。県立図書館では新刊児童書を全冊購入しており、子どもたちの志を育む教育を充実させたりしながら、子育てが楽しいと思うフィールドづくりに力を入れています。昨年は全国イクメンランキングで第1位に輝きました。また、私自身が妊婦さんたちの大変さを体験した動画は、世界中で3500万回を超えて再生されるビックヒットになりました。さらに、知事就任以来 “佐賀さいこう!”という掛け声を広げており、今では、地元新聞のアンケートでは、県民の約9割が「佐賀が好き」と回答されていることは本当に嬉しいです。

■県民ファーストで手厚い対応

昨年から続く新型コロナ感染症対策は、当初から、「先手先手」の姿勢で力を入れてきました。佐賀県は、感染者の自宅療養者はゼロ、ワクチン接種率のトップランナーです。離島で感染者が出た時も、迅速にヘリコプターで医療従事者を運び感染拡大を抑えました。また、7つある離島の16歳以上の希望者全員が、2回目の接種を終了しています。私自身、毎日、感染された方々がどのような状況にあるのか、一人ひとりチェックするようにしており、地方だからこそできる迅速で手厚い対応を心がけています。

■県庁づくりへのこだわり

新しい社会をつくるには人と人との間で生まれるイノベーションが大切だと思っています。そのために佐賀県庁では積極的に中途採用をしていて、行政職員に占める中途採用の割合は全国平均が3%であるのに対して、佐賀県は12%にも上ります。公務員集団ではなく、色々な社会経験を積んだ人たちを採用しているので、頭の柔らかい人たちが多いです。最近はアニメやゲームとコラボしたコンテンツが10代20代の間でヒットし、若い人の間で佐賀に移住したいという人が増えています。今後も色々な民間企業などとコラボレーションすることで多くの人達に佐賀の魅力を伝えていきたいです。

また、佐賀県庁では嘘をつかないということも大切にしています。行政機関での忖度問題が話題になったりもしますが、少しでもごまかしがあると、後で辻褄を合わせるために多くの職員が辛い思いをして、県民の不信感が高まってしまいます。当たり前ですが、間違っていたら素直に謝り、正していくことで今後も信頼を積み重ねていきたいです。

■学生へのメッセージ

何かを選択するときは、自分自身と相談して決断していくことが大切です。なぜなら周りの意見をもとに自分自身の選択をすると、何か辛いことがあったときに他人のせいにしてしまうからです。自分で責任をもって選択していくことが人生をよりよく歩んでいく秘訣だと思います。ピンチの裏に必ずチャンスがあるので、全てが糧になると思って頑張ってください。

学生新聞WEB2021年7月8日取材 国際基督教大学 4年 鈴木菜桜

国際基督教大学 4年 鈴木菜桜/津田塾大学 4 年 川浪亜紀/明治学院大学 4 年 小嶋櫻子/法政大学 2 年 鈴木悠介

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