株式会社ハードオフコーポレーション 代表取締役社長 山本太郎

リユースを通して、世界の環境を改善する!

株式会社ハードオフコーポレーション 代表取締役社長 山本太郎 (やまもとたろう)

■プロフィール

1980年11月16日、新潟県新発田市生まれ。早稲田大学商学部卒業。大学卒業後に㈱ファーストリテイリング(ユニクロ)で店舗マネジメントを学んだ後、㈱ハードオフコーポレーションに入社。2019年4月からは代表取締役社長として900店舗を超えるグループ店舗を統括し、「リユース」文化を日本、世界に拡げるべく取り組んでいる。

2021年12月末時点には海外も含め、全国に917店舗を構え、リユースに特化している株式会社ハードオフコーポレーション。地球温暖化を始めとし、世界中で様々な社会問題がある中で環境問題に向き合っているハードオフコーポレーションの特徴と今後について代表の山本太郎社長に伺った。

■テニスサークルに捧げた学生時代

高校では団体戦で新潟県代表としてインターハイに出場していたため、「大学でもテニスをやるからには行けるところまでいきたい」という思いから、サークル活動が大学生活の中心になっていました。授業は最低限で受け、テニス漬け。アルバイトでもテニスコーチやテニスショップの店員をするくらい、テニスのことだけを考えていた学生時代でしたね。
サークル活動に本気で取り組んでいた分、そこで学んだことは多かったです。サークルが一つの社会になっており、その中で特にマネジメントや強い組織の作り方について学びました。そこに関しては今の生き方、考え方に繋がっている部分が多いですね。

■学びの多かった2年半の会社員期間

大学卒業後はユニクロに就職しました。当社の創業者である父からは会社を絶対継いでほしい、とは言われてはなかったものの、「会社を継ぎたい」という思いが強かったため、給与や福利厚生は全く考えず、いかに、後悔なく勉強を1番させてもらえるか、という点を考慮した結果、ユニクロを選択しました。
ユニクロで一番学びになったことは、理念経営の大切さです。ユニクロでは、入社して最初に会社の理念や想いなどの基礎的なことを徹底的に学びます。理念がないと、せっかくのチームがバラバラになってしまうからです。ここで学んだ理念の大切さは、経営を行う上でとても大切にしています。
ユニクロでは、仕事の楽しさも学びました。大学生活が本当に楽しかったので、入社した当初は社会人は働かなきゃいけないから、仕方がなくという気持ちもありました。でも、1年目の時に、上司から、やった分だけ成果が出ることや人の繋がりがどんどん広がっていくことの楽しさを教えてもらい、退社する時は楽し過ぎて少し未練もあるくらいでしたね。 他にも、大阪で大型店の新規立上げに携わっていた時期があり、アルバイトスタッフ200人を動かすことで、マネジメントを学ぶ良い機会になりました。「人の倍働けば倍の年数分の経験を積めるのではないか」という思いから、自分自身を追い込んだため、とても濃い2年半になりましたね。

■ハードオフコーポレーションの面白さ

チェーン店は、どこのお店も基本的に、誰が働いても同じようにしなければならないと思いますが、ハードオフはそこが違いますね。働く人や地域によって色が出るのでそれを大事にしています。挨拶や掃除など、全店舗でこだわっている所もありますが、基本的は決められたルールを少なくしているんです。振れ幅は大きくなってしまいますが、それがやりがいとなり面白さに繋がっていますね。
また、36社が全国にフランチャイズ展開しているのですが、フランチャイズにすることで、四国や九州、北海道など、僕らが詳しくない地域でもその地域に詳しいオーナーさんと一緒につくっていけるわけですから、上手くアレンジしてより地域に根ざしたお店ができていますね。 そして、他社との違いは業態が分けられていることです。ハードオフの店長はオーディオ・楽器にものすごく詳しいんですよ。オフハウスの店長は家具や洋服に詳しくて、リカーオフの店長はソムリエでワインの資格を持っていたりします。つまり専門性があって商品知識があるから、店員と話すのも楽しいんですよね。

■ハードオフが大切にしている「理念経営」とは

理念経営を大切にしています。ハードオフの経営理念は「1.社会のためになるか、2.お客さまのためになるか3.社員・スタッフのためになるか、4.会社のためになるか」です。これらを一番に考えており、儲かるからという理由だけではやりません。社会やお客様、スタッフのためになるかを考え、先を見据えた上で判断しています。

■次なる展望は、リユース文化の海外輸出とDX化

海外展開とデジタル化の2つにおいてチャレンジしていきたいと思っています。まず、リユース文化は非常にエコです。現在は、地球温暖化が進み、世界中どこの国でもエコ化は必須ですよね。そこでリユースの文化を世界に輸出したいと思っています。実は、日本みたいに気軽にリユースできる国は他にあまりないんです。物を大事に扱う文化は日本独特なので、その文化を世界中の多くの国、あらゆる場所に広めることで環境問題の改善に貢献していきたいですね。
また、デジタル化は今後さらに進んでいくはず。その中で、DX化をすすめ、ネットを駆使することでリアルもさらに充実させようと思っています。国内でも全グループで2000店舗まで拡大し、よりエコな国にしていきたいですね。

■理念を共有し、人としての魅力がある人と働きたい

我社の理念に共感して、同じ場所を目指している人と働きたいですね。商品知識があれば良いわけではなく、チャレンジ精神があり、素直な人がいいです。あとは、自由な発想が欲しいので、チャレンジ精神は特に大切だと思っています。
最終面接では、私は全員と面接をしています。明るく元気であるのもいいですが、そうでなくても活躍している社員はいるので、実際に働いて、その人が会社で活躍するイメージができるかを大切にしています。

■Message

リアルを大切にして欲しいです。今は情報がありふれていて、ネットで簡単に情報が入りますが、目で見て、手で感じた、その経験が自分自身の力になると思っています。強い人は自分で体験しにいける人です。
ネットの様々な情報を調べることと、自分で色んな物を触って経験したり、知らない土地に行ってみたりするのでは、感じることが全然違います。ぜひリアル、生の体験にこだわってください。

学生新聞オンライン2021年9月29日取材 日本体育大学2年 大内貴稀

日本大学4年 辻内海成 / 日本体育大学2年 大内貴稀

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