日比美思 「逆境」を「可能性」へ

女優 日比 美思(ひび みこと)

■プロフィール

1998年9月20日生まれ。神奈川県出身。
元Dream5のメンバーとして活躍。グループ活動終了後、女優として活動。
主な出演作にドラマ『3年A組‐今から皆さんは、人質です‐』『真夏の少年~19452020』、映画「町田くんの世界」「生きちゃった」、舞台『陽だまりの樹』など。

東野圭吾の小説を原作としたオリジナル音楽劇『ガリレオ★CV2』(4月13日(水)~4月17日(日))まで東京・博品館劇場にて上演。

天才てれびくんMaxのオーディションを受け、それから芸能の道を歩んできた日比美思さん。高校卒業と同時にDream5の活動を終了、ゼロから別の仕事をするか、今までと同じような道に進むのかの進路の選択を迫られたという。そんな中、なぜ女優の仕事を選択したのか、ご自身のキャリアについて伺った。

■芸能活動のきっかけは、天才てれびくんMaxのオーディション

仕事のきっかけとしては、ダンススクールの先生に勧められて天才てれびくんMaxの全国オーディションに応募したことです。昔から歌ったり踊ったり、目立つようなことは好きでした。オーディションに合格し、Dream5としてAAAさんの前座などをやらせていただいて、キャリアを積み、「ようかい体操第一」という曲で紅白歌合戦にも出場させていただきました。2017年にグループが活動休止したことで、進路について初めて考えるようになりました。その時はとにかく、今まで積み上げてきたものが崩れてしまい、まっさらになるのがとにかく不安だったんですよね。そんな中、舞台などを観劇して、「自分もこの物語の登場人物になることができるんだ」と自分の可能性に気づき、女優という仕事に興味を持ちました。親やスタッフさんにも相談して、周りの人には「今まで積み重ねてきたことがなくなって、ゼロからのスタートになるけどいいの?」とは言われましたが、1回きりの自分の人生なのでやりたいことに挑戦してみようと思い、女優の仕事を始めました。

■女優の大変なところは「ほかの誰かを演じること」

私はあまり自信がないほうなんですけど、役で他人に入ると楽しいし、気持ちがいいです。自分が普通に生きているだけでは体験できないようなシーンも多くあります。そんなシーンに出会うと自分の人生にプラスになったなと感じます。
一番思い出に残っている現場は『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』ですね。現場にいられたことがとても幸せだと感じました。教室のスタジオで1日中撮影するので役や物語に交わった気持ちになって、初めて自分と役がわからなくなりました。どんな仕事も大変だと思うんですけど、女優の仕事の大変なところは「自分じゃない誰かを演じること」です。私はメイクや衣装がきりかえのスイッチになることが多いんですけど、女優を始めたころは役の切り替えに慣れず、自分の中で上手く処理ができなくて、お母さんにあたってしまうこともありました。

■役柄に自分を重ね合わせたドラマ『liar~すれ違う恋~』

 dTV オリジナルドラマ『liar~すれ違う恋~』への出演が決まったときは、とてもうれしかったです。
 私が演じるナオは、何不自由なく暮らしているお嬢様なんですけど、縛られたくなくて夜な夜なバーに出かけて運命の相手を探しに行くんです。そんなナオも恋愛が絡むといじらしくなってピュアになるので、そういうところに共通点を見出して演じていました。役作りのポイントとしては、「もしかしたら自分に起こるかもしれない」と考えてみて役に歩み寄りました。
 また、彼女は、『星の王子様』が好きなショートカットの女性ですが、私も『星の王子様』がすごく好きな上、ちょうどショートカットにしたときにお仕事が決まって、運命を感じました。
 ドラマのみどころとしては女性の視点と男性の視点とで、コロコロと視点が変わるところがほかのドラマではないみどころです。第3者の視点から恋愛を見られるのが魅力ですね。台本も各登場人物の目線に立って描かれているので面白かったです。同じシーンでも心の声が違うので何度も台本を読み込みました。熊坂出監督は、作品のアドバイスをくれる一方、みんなの意見も聞いてくださる方だったので、みんなで現場を作り上げていく一体感がありました。
 女優として最近大事にしていることは、物語の台本を読む時に嘘をつかないことです。台本を読んでどう感じたかを大事にしていたいと思います。カメラアングルでよく見せようとか、食べ物を美味しくみせたほうがいいかなとかではなく、カメラを意識せず、ありのままの自分がどう感じているかを大事にするべきだと心がけています。この作品を通して視聴者の皆さんに伝えたいことは、このドラマは恋愛に前向きになれなった出野さん、ナオも前向きに終わります。自分が一歩勇気を踏み出した行動はどんな結果でもよかったと思えると思うので、前に踏み出す勇気の一粒になればいいなと思います。

■いつか石井裕也監督作品にまた出演したい

今後の夢は、もっとたくさんの作品に出演していろいろな役に出会うことです。視野を広げてたくさんの経験と知識を積み、たくさんの人に出会いたいです。女優の仕事を通して自分を信じる気持ちが芽生え、もっといろんなことができるんじゃないかと思えるようになりました。自分のやりたいことにまっすぐな『liar』のナオに背中を押された部分もあると思います。ヘアメイクさんをはじめ役作りに協力してくれる方はたくさんいるけど、現場に出たら撮影は自分で頑張るしかないので、孤独で不安な気持ちになります。でも、撮影はこの瞬間だけなので、今できることを精一杯やるしかないと自分に言い聞かせてがんばっています。いつか大人の恋愛ドラマをやってみたかったので、今回夢がかないました。
あとは、以前、映画『町田くんの世界』で、石井裕也監督の作品に出演させていただいたのですが、その現場が忘れられなくて、いつかまた石井監督と作品でご一緒したいと思っています。今は父も母も映画が好きなので、両親が「映画館でみたよ」といえる作品に出ることが目標ですね。これからも女優として頑張りたいと思います。

■大学生へのメッセージ

高校を卒業した時に、Dreamの活動が終了して、初めて自分の進路を考えました。はじめはまっさらなところに足を踏み出すのは怖かったです。しかし、その一歩はとても価値のある一歩です。私もまだまだですが、一生懸命生きているので、大学生活の中で進路に悩む方もいると思うけど一緒に頑張っていけたらと思います。私は皆様の明るい未来を応援します。

学生新聞オンライン2022年3月3日取材 武蔵野音楽大学1年 大曲美南子

dTV オリジナルドラマ 「liar~すれ違う恋~」

男女それぞれの視点で描かれる、幅広い世代の女性から支持を得た「liar」のオリジナルエピソードを映像化!
主人公に古川雄輝、ヒロイン役に日比美思に迎え、空白の4年間を舞台に起こった、もう一つの恋の物語を描く。
お互いに本音を隠したまますれ違う切なさ、男女のリアルな恋の駆け引きなど、
大人の恋の難しさに翻弄され、感情が揺さぶられる。交錯した男女の恋愛模様の行く末を描く
dTV オリジナルドラマ「liar~すれ違う恋~」はdTVで独占配信中!

liar~すれ違う恋~公式HP :https://bit.ly/3IQRTjo
YouTube予告編 :https://youtu.be/sZyDGvemn7o

日本大学 2年 柴野桃七 / 東海大学 3年 大塚美咲 / 武蔵野音楽大学 1年 大曲美南子 / 明治学院大学 4年 小嶋櫻子

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