株式会社W TOKYO 代表取締役社長 村上範義
100年を超えて歴史を創る。そのためにNO.1にこだわり続ける
株式会社W TOKYO 代表取締役社長 村上範義(むらかみ のりよし)
■プロフィール
愛知県出身。早稲田大学社会学部卒業後、大手広告代理店に勤務。
その後、キャスティングプロデューサーとして東京ガールズコレクションの立ち上げに参画。
2012年、チーフプロデューサーに就任し、全部門を統括。2014年、株式会社F1メディア代表取締役へ就任。その後、2017年、株式会社 W TOKYOへと社名変更し、現在に至る。
「日本のガールズカルチャーを世界へ」をテーマに、2005年から始めた史上最大級のファッションフェスタ「東京ガールズコレクション(TGC)」。
まだ日本にファッションショーがなかった時代にいち早く目をつけた村上社長。常に1番になることを目指して歩んできた社長に、TGCの軌跡と今後の展望を伺った。
学生時代は「自分が好きで得意なこと」に没頭していました。当時は雑誌「ViVi」や「CanCam」に広告を出すと瞬く間にモノが売れるような時代で雑誌の全盛期でした。そんな雑誌の影響力に魅せられてメディア業界と深く関わるようになる中で、この業界で活躍するためにはオリジナリティが大切だと感じ、まずは学生という身分を活かして雑誌社に大学生インフルエンサーを紹介するビジネスを始め、起業しました。1年間に3000人以上のインフルエンサーを紹介するなど事業が軌道に乗り、小さな世界ですがNo.1になりました。
■常に1番を目指す
大学卒業後、一度は企業に就職したものの、自分のオリジナリティを発揮できる仕事をしたいと思い、わずか1ヵ月で退社。雑誌関係者とのネットワークを生かして「東京ガールズコレクション(TGC)」を立ち上げました。すでに出来上がっている雑誌マーケットに新たに参入してもトップにはなれないと思ったので、プラットフォームを日本初の『ファッションショー』にしたのです。これは富士山理論と言われるもので、「日本で一番高い山」は答えられても「2番目に高い山」はほとんどの人が答えられません。要はそれだけ1番と2番の差が大きいのです。ファッションショーがまだ日本になかった時代に、ここで1番になることを目指して動いていきました。
■「ヒト」に価値を見出す
TGCの未来を考える中で、「テクノロジー」を武器に勝負をしても勝てないと思ったので、「ヒト」に価値を見出す
ことにしました。たとえテクノロジーがなくても人気者をおさえていれば、永遠に日本一の舞台を創ることができると思ったからです。3月21日(月・祝)に開催されたTGCで34回目の開催を迎えましたが、シーズンごとに「ヒト」を見直し続けることで、常にフレッシュな状態を保っています。ルール変更が多い今の時代は、これまで「良し」とされていたものがいきなり「悪い」になりかねません。弊社は社員数44人(2022年3月16日時点)という少数精鋭で、時代に合わせて柔軟な対応ができているのも魅力の一つだと思います。
■変革を起こし続ける
TGCは常にアップデートし続けるスマートフォンのようなもので、主に4つの現場で変革を起こし続けています。1つ目はさまざまな体験価値を提供するTGCのリアル会場。2つ目は200万人を超える視聴者に向けたオンライン配信や、TGC公式メタバース「バーチャルTGC」などで、会場に来れない方にも上質な体験を提供しています。3つ目はTGC当日約500名のプレス関係者が入る取材現場。4つ目は人を軸にしたSNS。前回のTGCでは9億を超えるインプレッションを獲得しています。こうした4つの現場で破壊と創造を繰り返しながら、100年以上続くコンテンツを提供したいと考えています。
■大学生へのメッセージ
社会では新しい価値を生み出すことが求められます。新しい価値とはオリジナリティのことで、「好きで得意なこと」をやり続けることで発揮できると考えています。勉強して周りと同じような解を出す次元から脱却して、自分ならではの新たな価値を創造してください。
(津田塾大学3年 宮田紋子)
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