株式会社まごころグループ 代表取締役 中島 英貴

「ありがとう」という感謝の言葉をモチベーションに

株式会社まごころグループ 代表取締役 中島 英貴 (なかじま ひでたか)

高校卒業後、ブラジルへサッカー留学し、サッカーチームと契約。引退後、柔道整復師の資格を取得し、 年間、接骨院と整形外科に勤務。その間、一般外傷を専門にする傍ら「むち打ち治療」の研究と勉強を重ね、平成 年に「すすき野まごころ接骨院」を開業。その後、事業領域を拡大し、美容事業、介護事業に参入。現在16店舗を経営。

平成20年、すすきので開業以来、若くして整骨院、エステサロン、美容鍼灸サロンを 計16店舗経営する中島社長。「真の健康とは心身共に充実した状態」だと説き、常にお客様に寄り添う社長だが、現在までの道のりは決して平坦ではなかった。寝たきり 状態から奮起して事業を起こすというすさまじい過去を持ち、それだけに感謝の気持ち を忘れないのだという。今回はそんな社長の過去と現在についてお話を伺った。

私は初めから美容業界を目指していたわけではありません。高校卒業後、幼少期より無我夢中でやってきたサッカーをするためにブラジルへ渡りました。ブラジルはハングリーな世界で、日本のようにコーチ・監督がサッカーを教えてくれるということはなく、自分から行動を起こさない限りは誰も何も教えてはくれないという環境でした。そのような中にあって、ブラジルではサッカーだけでなく、全てのことを能動的に考え、行動することを学んだように思います。サッカーは2年半ほど続けましたが、試合中に膝に大怪我をし、 21歳で引退しました。その後、今の仕事に関わるようになっていくのですが、サッカーを辞めざるを得なかったことは、人生の中で大きな後悔になっていたので、次にやる仕事は絶対に辞めないと心に決めていました。

◼️長期療養後、整骨院を開業

帰国後、仕事についてあれこれ思いを巡らす中で、決められた線路の上を歩いて行くような人生よりも、何もないところから切り開いていく人生の方が自分には合っていると思っていました。

日中は整骨院で修行をし、夜は専門学校に通って柔道整復師という整骨院を開業できる国家資格を取りました。それから整骨院で8年間ほど修行したのですが、ちょうど独立・開業しようとしていた矢先、30歳の頃に首を痛めて入院してしまったのです。1年半ほど寝たきりの状態が続き、結局、長期間療養したものの首の痛みは治らないままでした。「ここまで療養して治らないものは、一年安静にしていても治らない」。そう割り切って、わずかな資金を元手に団地の片隅で中古の設備道具を揃えて整骨院を開業しました。本当に何もない状態でしたが、「ただ寝ているのなら、チャレンジして悪化しても本望」くらいの覚悟で始めたのです。

そしてまずは仕事ができる幸せを嚙み締めつつお金のことなど考えずに一生懸命働きました。すると徐々に仲間もお客様も増え、整骨院から美容エステ・美容鍼灸サロンへと事業が広がっていきました。

私は、美とは心身ともに健康であることが前提だと考えています。たとえば痩身エステにしても、健康的に痩せることを重視しています。そのため、お客様とは長く、深く関われるように、整骨院もエステもすべてサブスクリプションにし、体調管理をさせていただきながらお客様の目指す目標を達成することに尽力しています。

目標達成には、お客様のモチベーションを持続させることが不可欠なので、心のケアやホスピタリティをとても重視しています。私自身、こうしたお客様とコミュニケーションを取る中で、メンタルケアの大切さについても深く知るようになりました。

整骨院やエステの仕事は、仕事をして料金を頂きながらもさらにお客様から直接「ありがとう」と言っていただける、本当に稀な仕事だと思っています。このお客様からの感謝の言葉は、私にとって仕事の大きなやりがいになっています。

◼️「ありがとう」の感謝の気持ちを胸に

今やっている事業はゼロから作り出してきたものです。それだけに労務管理を含めて会社としての体裁になるまでは大変でした。福利厚生の面からも充実とは程遠く、過去には従業員の家族からも怒られたことがありました。しかし、そう言ったところを少しずつ改善しながら一緒に働いてくれる仲間と事業を広げていきました。弊社のスタッフには、「ありがとう」という感謝の気持ちしかないです。私は事業を始めて10年以上になりますが、これまで一度もスタッフを怒ったことがありません(笑)。

私は会社を経営していく上で大切にしていることが3つあります。それは「謙虚」、「反省」、そして「感謝」です。この3つがあれば人は必ず付いてきてくれるものと思っています。

今後の展望については、あまり大それたことは考えていません。スタッフが家庭を持ったときに、きちんと食べていけるようにしなければという使命感のほうが大きいです。将来については模索中ではありますが、事業がなくなってしまわないようにホールディングス化することを考えていて、最終的には店舗までお店を増やしていければと思っています。事業を拡大していくためにも会社の理念に共感 できる人に入社して頂きたいです。求めるのは素直さのみです。素直であれば理念も浸透しやすく、成長も早いと考えています。

◼️message

どこの会社に入るかよりも、入ったあとのほうが重要です。どんなに入りたかった会社でも嫌いな人たちと嫌いなことをやっていると、本来やりたかったこともやりたくなくなってしまいます。それに、どこの会社に入っても理不尽なことはありますし、それを乗り越えるためにも好きなことを好きな人とやるのが大事なのではないでしょうか。会社の理念などを見て、自分のビジョンにあった会社を選ぶことが大切だと思います。

学生新聞 別冊 2022年7月1日発刊号 津田塾大学卒業 脇山真悠 / 日本大学3年 大橋星南

日本大学3年 大橋星南/津田塾大学卒業 脇山真悠/國學院大學3年 島田大輝






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