合同会社DMM.com 最高執行責任者(COO)兼EXNOA(DMM GAMES)CEO 村中 悠介

会社は日々挑戦し、変化しながら強くなっていくもの

合同会社DMM.com 最高執行責任者(COO)兼EXNOA(DMM GAMES)CEO 村中 悠介(むらなか ゆうすけ)

■プロフィール
2002年、DMM.comに入社。動画配信事業の営業担当を経て事業責任者を務め、事業拡大に貢献。2011年、取締役就任。デジタルサービス全般を統括。アミューズメント事業、アニメーション事業など多岐にわたる事業を立ち上げる。2018年COOに就任。2019年よりEXNOA(DMM GAMES)CEOを兼任。現在60以上ある事業を統括。

「領域問わずなんでもやる」を企業理念とし、毎年多くの新規事業を立ち上げている合同会社DMM.com。現在の総事業数はなんと60を超え、どんどん多様なチャレンジができる環境となっている。これに対し「より情熱を持って発信できる人材がほしい」と語る村中COO。DMMグループの見据える未来とは何か。会社の魅力とともに、今後の展望についてお話を伺った。

私は北海道苫小牧市にある工業高校出身で、卒業後すぐに上京して建築会社に勤めました。地元には決まったルートを淡々とたどる人が多く、自分はそうではない人生を歩みたいと思い、東京に出ることを決めていました。しかし、卒業後に入った会社はかなり辛かったですね。当時は右も左も分からず、とにかく上司に怒られてばかりでした。結局、その建築会社で4年間働き、次に転職したのがDMMのグループ会社でした。

■「やりたい」をすぐに形にできる

弊社に入社してからは毎日楽しく仕事をしています。その理由として一つ挙げられるのは情報量の多さです。転職した当時は、今ほどインターネットが発達していなかったので、自分の置かれた環境しか分からず、他社と比較することは難しかったため、そこで必死に働くしかありませんでした。しかし、弊社は昔から自分にとって多くのチャレンジができるやりがいのある環境でした。もちろん今はいろいろな会社の情報を手に入れることができますが、そんな時代であっても弊社は未だに魅力的な会社だと思えます。
私はIT企業に勤める楽しさを、「目の前でデジタル技術の進化が感じられる」点にあると考えています。今この瞬間もデジタルの世界では多くの変化があり、それを目の当たりにすることが仕事の面白さでもあります。そんな業界の楽しさに加え、DMMグループの強みは若さと規模感です。多くの社員が20 代、30代です。そしてただ若くてエネルギッシュな人材が集まっているだけでなく、会社の規模の大きさもポイントです。規模が大きいからこそ社員の「やりたい」をどんどん事業化していける利点があります。若さと規模感のどちらも兼ね備えている企業は少なく、チャレンジをすぐに形に変えられるのは弊社ならではだと思います。
実際、弊社で行っている事業の半分は社員からの提案で生まれています。だからこそただ若いだけでなく、自分独自の好きを持っていて、それを情熱につなげられる人を社内にもっと増やしていきたいと思っています。求める人材は、一言で表すと「人間性のある人」です。この人間性を言葉にするのが難しいのですが、他者から「この人に付いていきたい」と思わせる人は、人間性があるなと感じます。
理想は社員の多くが裁量権を持って働ける環境であり、それには仕事を社員に任せられることが必要です。今後は仕事を任せられる若手をさらに増やしていきたいですね。

■多事業展開は成長の源泉

当社は現在、60以上の事業を展開しています。事業内容はWEB3・メタバースから農業までと幅広く、とにかく未来を感じさせるビジネスであればなんでも挑戦しています。皆さんからすると、「既存事業に注力していけばここまで事業を広げる必要はないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、いわばトップアスリートと同じです。彼らは成功のために多くの挑戦をし、トップを維持するために日々変化を遂げていく必要があります。それは企業も一緒です。一つの事業で得られる成長には限りがあり、より大きな変化を求めるにはどんどん新たな領域にチャレンジしていかなければなりません。
そのため、未来に向けた種まきとして、さまざまな領域で事業展開をしています。会社に現状維持という言葉はありません。弊社は他社と比較しても意思決定の速さなどスピード感が特徴で、次々にいろいろなことが生まれるワクワク感があります。
また、現在、IT業界の大きな流れとして、プラットフォーマーからパブリッシャーへ、という動きがあります。たとえば、皆さんが普段利用する動画配信サービスなどでは、他社で制作されたコンテンツ以外にオリジナルコンテンツと呼ばれるものがあると思います。つまり、従来は事業者からさまざまなコンテンツを仕入れてユーザー会員に届ける、あくまでも流通基盤としての役割だったのが近年はコンテンツの自社制作も増えているのです。このような流れに対し、当社でもパブリッシャーとしての役割を果たし、どんどん他社との差別化を図っていきたいと思っています。実際、当社は長年アニメ制作なども多く携わっているため、既存事業のノウハウを活用しながら今後はコンテンツ制作にも力を入れていく予定です。

*message*

多くの学生は就職活動の時期が迫るにつれて、どんな会社に入りたいかを考えるようになると思います。しかし、本来はどの会社に入るかは手段でしかありません。
皆さんが考えるべきことは、自分は何をしたいのかではないでしょうか。しかし、将来何をしたいかなど明確に答えられる人はほとんどいないと思います。だからこそ実践してほしいのが楽しいことを考え続けること、好きなことをやり続けることです。
自分の「楽しい」や「好き」という感情に向き合ってみると、自分のやりたいことが少しずつ見えてくると思います。会社に入ることが目的にならないように、自分自身の感情を突き詰めてみてください。

学生新聞2022年10月1日発刊号 慶應義塾大学3年 伊東美優

関東鍼灸専門学校3年 竹原孔龍/津田塾大学4年 宮田紋子/日本女子大学4年 神田理苑/慶應義塾大学3年 伊東美優

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