玉元 風海人 やりたいことはやる。直観に従って生きていきたい
株式会社TMS 振付師 / 演出家 玉元 風海人 (たまもと ふみと)
■プロフィール
1999年生まれ
2010年にジャニーズ事務所に入所。
コンサート、舞台、ドラマなど様々な作品に出演。
2019年より振付師 / 演出家として活動を始め、昨年、株式会社TMSを設立。
アイドル / タレント育成、振付、演出などのエンターテイメント領域のコンサルティング事業およびキッチンカー、ケータリング、バーなどの飲食事業を展開。
幼少期から培ってきた芸能経験を活かし、アイドルやタレントの振付や育成・ライブの演出を手掛ける一方、大学2年の時にカフェやキッチンカーの経営を始めたという玉元風海人さん。現在、エンタメ業と飲食業の2軸で活動する上で、大切にしているマインドなどを伺った。
■経験から得た「仕事に何を求めるか」の重要性
僕は湘南育ちで、小学生時代はサッカーとサーフィンに明け暮れる日々でした。5年生の時、親に「笑ってる写真撮るから!」と言われユニフォームを着ながら撮った写真が、芸能事務所への履歴書に使われることに。サッカーの大会の時に、親から「風海人、東京行くから」と言われて、いきなりオーディションで踊ることに。そして気付いたらコンサートに出演していました(笑)。
芸能界に元々は興味なかったのですが、当時は目立つことは嫌いではなかったのですぐには辞めなかったです。東京の事務所に通う日々が始まりましたが、小さい時は機関車トーマスや電車が好きだったので、神奈川からの電車通いも辛くなかったですね。
小6や中1では様々なキー局のドラマに出演するなど、沢山の経験をさせて頂きました。しかし、舞台やTVで活動する中、心境の変化があり、色々と考えた末に事務所を辞めました。様々な意見が飛び交いましたが、きっと僕はどこかで普通の人になりたかったんだと思います。高校2年生になってからは、周りのみんなが受験勉強に励む中「仕事に何を求めるか」をずっと考え続ける日々を送っていました。そこで出た答えは、お金でも環境でもなく、「誰と働きたいか」だと気が付きました。好きな人と働くには、自分で会社を作った方がいい。そう思い至って、経営を学ぶために大学進学の道を選びました。
■信頼する友達と働きたい想いを形に
僕はミルクティーを毎日飲むくらい好きなのですが、「自分が好きな物が飲みたい」という想いを込めて、2019年の大学2年生のときに、周囲の友達を誘って「Tea Shop MoN TEA」というカフェを始めました。いま見ると笑ってしまう様な事業計画書ではありましたが、その計画書を持って「カフェやりたいんです!」と周りの社長さんに言いまくる日々を送りました。その結果、「面白いね」と言ってくれた渋谷の飲食店のオーナーさんが定休日の日曜日を使わせてくれることになり、期間限定で営業を行いました。現在は、週1回ではなく、店舗化を目指して物件を探しています!
もうひとつ、始めたことはキッチンカーです。友達の「やってみたい」という言葉や、自分の親がやっていたということから、キッチンカーでの販売も始めました。ゆくゆくはキッチンカーを発展させて、舞台のケータリングをはじめ、企業向けビジネスにも力を入れたいと思っています。
■ステージで輝いて魅せるために
ステージの指導を行う上で、僕が心に決めていることは“嫌われ役”になるのを恐れないことです。ステージに立つメンバーがどうしたら1番輝けるか?を常に意識しているので、指導する際は仮に厳しい言葉であっても、思ったことはすぐに言います。表情や歌い方も事細かく指示をしていますね。同時に、メンバーには、自分が舞台を通じて何を伝えたいのかを考えてもらうようにしています。
僕自身が演出や振付を考える際は、観客の皆さんが見飽きないように、そして分かりやすいように、歌詞に合わせたストーリー性のある動きや構成を意識します。その意図をメンバーやお客さんが理解してくれた時はやりがいを感じます。また、お客さんから見てよいものを見せたいと思うからこそ、振りや立ち位置の状況に応じて、照明やスモークなどの特効といった演出にもこだわっています。お客さんが「ライブも面白いよね」と思ってくれないと、この業界では長くやっていけません。だからこそ、お客さんの視点を大切にするようにとメンバーには常に伝えています。
■直感を大切に何事にも挑戦
今後、挑戦してみたいのは、アイドルグループ専用のダンススタジオを作ることです。いまは、大手以外のグループは一般のスタジオをレンタルするところが多いのですが、それだとセキュリティなどにも問題が生じます。セキュリティをしっかり配備したサブスクリプション制のスタジオを運営できれば、多くの人に喜ばれるのではないかと思っています。
現在の僕の原動力は家族、会社のメンバーである仲間たちです。彼らを支えるために仕事をしています。
ただ、ここまで生きていて人生って面白いなと思うのが、やった分だけ物事は返ってくるし、一見関係のないことでも様々な点を立てることで、どこかのタイミングで線に繋がるということ。今後は、エンタメ業と飲食業の2軸に別々で力を入れていく予定ですが、この2つの軸がどこかで重なる日が来るのを楽しみにしています。
大学生の皆さんに伝えたい言葉としては、「適度に適当に」。いまは情報過多な時代ですが、それぞれの情報をきちんと取捨選択をして、それが本当に自分に必要なものかをよく考えてほしいですね。大学の授業は大切ですが、効率よく時間を使って、自分のための時間を増やして下さい。やりたい事があるのなら、成すためにはどのような能力が必要か分析してほしいです。そして、悩む時間があるなら行動に移しましょう。人生は落ち込んでいる暇があるほど、長くないです。「これがいい!」と思ったら、直感ですぐやってみることを心がけてほしいです。
学生新聞オンライン2022年12月12日取材 国立音楽大学 2年 岡部満里阿
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