ミュータントウェーブ。

知らなきゃ!を知りたい!に変える。ポップなジェンダリスト

ミュータントウェーブ。大嶋悠生(おおしま ゆう:おおちゃん)・山本朝陽(やまもと あさひ:あさひ)・大川政美(おおかわ まさみ:まさ)

■プロフィール

知らなきゃ!を知りたい!に変える。
ポップなジェンダリスト
社会に根付く、男らしさや女らしさの枠に縛られず、
自分らしさの表現を大切にし、誰もが自分を好きになれる世界を目指しています!

https://www.youtube.com/channel/UC8AuY5zhH76XT2KWoug3xsA

LGBTを含めた多様な価値観などを、トランスジェンダーのアイコンとしてメディアやエンタメを通して発信している“ミュータントウェーブ。”。なでしこリーグ所属の元女性であり、現在は男性として生きる3人に、トランスジェンダーの当事者としての想いやLGBTの発信活動についてお話を伺った。

ミュータントウェーブ。についてリーダー大嶋悠生さんへインタビュー

■タレントとしてLGBTを伝えようと決心

企業に向けてLGBT研修を行っていく中で、「教科書やマニュアル通りに話すより、LGBTの当事者としてもっと多くのリアルな体験談を話すほうが興味を持ってもらえる」と気が付いたんです。実は、トランスジェンダー男性のロールモデルに当たるタレントがいないんです。だからこそ私たちがロールモデルになり、発信していくことがLGBTの社会問題の解決にもつながると確信しました。そこであさひとまさとYouTubeをはじめました。

■「情報発信」と「ロールモデル」の2つの活動

現在の活動は、YouTube、テレビやラジオといったメディア出演、企業講演、全国の幼稚園から大学生に向けたジェンダー教育、市や教員向け研修なども行っています。テレビでは、ニュース番組や教育・福祉番組にも出演しています。ポップなジェンダリストを名乗っているので、企業研修もユニークな形でワクワクできるか?を意識しています。例えば、DAZNでの研修では、海外と中継をつなぎながら、NGなしで質問に答える形で知るキッカケを体験してもらいました!またメンバーのまさは、レザーブランドにアーティストとしてデザイン提供をしており、その売上の一部を海外のLFBT団体の寄付に繋げる活動もしています。LGBTや多様性に関するプロジェクトや商品のアンバサダー就任など、情報発信の提供だけではなくロールモデルとしての活動も意識しているんですよね。
日本ではまだまだジェンダー平等といった部分の意識や取り組みが遅れているので、「LGBT×○○」のシナジーが生まれやすい環境があります。多岐にわたってのお仕事をいただくことが多いですが、この活動がなくなるくらいの世界になるといいですよね。
今後は、緊急性を感じていない方や、興味を持っていない方をどれだけ巻き込んでいけるかが大切なポイントだと思っています。

■世界で認識されるアイコンへ

ミュータントウェーブ。の最終的な目標は、世界のみんなにポップなジェンダリスト・多様性のアイコンとして認識してもらえることです。世界的なアイコンとして知ってもらうことで、我々が発信する情報も届きやすくなります。影響力も大きいでしょう。将来的には、LGBTを公表できる事が当たり前の環境の中で、公表する・しないといった選択ができる社会にしたいです。ジェンダー間の分断をなくし、だれもが自分を好きになれる世界にしていきます!
また、自分たちが独自に伝えたいのは、「LGBTという言葉で一括にまとめるのではなく、人それぞれ個性がある、グラデーションがある」ということ。この思いを、より多くの人たちに向けて広めていきたいです。

ミュータントウェーブ。のメンバーへインタビュー

山本朝陽さん
リーダー 大嶋悠生さん
大川政美さん

■サッカーを始めたきっかけは?

山本朝陽さん

サッカーは小学生一年生の頃からはじめました。当時、自分の姉がドッジボールをしていましたが、あまり興味が湧きませんでした。しかし男子たちがサッカーをやっている姿が、かっこよく映り、その憧れからサッカーを始めました。

大嶋悠生さん

幼稚園年長のときに、兄がやっていたサッカーについていったのがきっかけです。そこでボールを蹴っていくうちに、周囲の男子にも劣らないぐらいに上達して、楽しさも覚えていきました。その頃、周囲の勧めで、本格的にサッカーを始めました。

大川政美さん

僕も幼稚園の年長からはじめました。当時仲が良かった男子の友達がサッカースクールでプレーする姿を見て、「楽しそう!自分もやりたい!」と親に伝えたのを覚えています。
当時のサッカースクールのコーチたちはボーイッシュな女性だったこともあり、女子がサッカーをすることに親が抵抗を持つこともなかったです。

■サッカーへの熱意・高みを目指すきっかけは?

山本朝陽さん

当時、在籍していたチームは練習が少ないところでした。その後、友達が現在の浦和レッズにあたる強豪チームに在籍をしていることを知り、大きく刺激を受けました。そこからサッカーを頑張りたい・上手くなりたいという熱意が生まれました。

大嶋悠生さん

小学生の頃はただサッカーを楽しむだけでした。6年生で埼玉県に引っ越しをして、その先で女子のサッカーチームのスカウトを受けました。最終的には埼玉県の選抜チームにも選ばれましたね。その後、母が勝手に超強豪チームへのセレクションに応募していて、偶然にも最後まで残ることができました。
そのチームは サッカーに対する意識が強かったこともあり、熱意というものは自然に身につきました。しかし、高校生のころチームが非常に厳しかったこともあり、高校卒業と同時に熱意と楽しさを失ってサッカーから離れていきました。その後、福祉の道に進もうと考えたとき、改めてボールに触れる機会があったのですが、そこでサッカーの楽しさを再び思い出し、もう一度サッカーをはじめました。

大川政美さん

正直にいうとそこまで熱意はありませんでした。大学1年まではサッカーをしていましたが、監督に自分のサッカースタイルを否定され、腐った時期もありました。そんな中なでしこリーグに進んだのは偶然、当時発足したチームから声がかかったので入団しました。せっかく声がかかったのだからと思い、3年間楽しくサッカーをやり切りました。

■現在のミュータントウェーブ。の活動でやりがいや大事にしていることは?

山本朝陽さん

ジェンダーに関する事での選択肢を増やしたいといった思いを大事にしています。サッカーでは選手やコーチなどの目標になるロールモデルがありますが、ジェンダーのロールモデルはまだ少ない状況です。そこで自分たちがロールモデルとして活躍をして、選択肢の一つとして表現していければと考えています。

大嶋悠生さん

活動をしていく上で喜んでくれる方や共感してくれる人たちがいることが、やりがいになっています。活動を続ける中で、LGBTを通して、考え方や選択肢の幅が広がった、価値観が凄く変化したよ!という声が届きまます。なんか嬉しいですよね。これからも、多くの気付きや知るキッカケをつくり続けていきたいと思っています。

大川政美さん

ファンからの応援コメントなどが、モチベーションを上げるきっかけになっています!その中で「ファンの方がどうしてこの言葉を使ってくれたのか?」「どうして応援してくれるのか?」といった「なぜ?」を大事にしています。「なぜ?」を追求することが、自分の足りない部分も勉強できるきっかけにもなると思っています。

■これからの夢や目標は?

山本朝陽さん

自分たちと関わってくださった人たちとのコミュニティや、多様な価値観がインクルージョンされた会社やコミュニティを生み出していきたいです。

大嶋悠生さん

ミュータントウェーブ。を、トランスジェンダー男性グループとして、日本そして世界の多くの人に知っていただく事が一番の目標です。タレントと経営者の2つの軸やバランスを大切にして社会に貢献していきたいです。

大川政美さん

グループでトランスジェンダー男性としてのアイコンになることが目標です。アイコンになることで、グループだけではなく、個人でのお仕事で社会課題に貢献できることも増えていくと思っています。まずはしっかりグループとしての土台を固めて行きたいですね。

■大学生へのメッセージをお願いします。

大嶋悠生さん

社会人になると、時間の制約などで、やりたいこと・できることが少なくなっていくこともあります。今のうちに自分とは違う文化や価値観などを積極的に体感しに行くことで、考え方を現状維持にせず、アップデートしてほしいですね。大人の意見に流されずに、自分が大切にしていることを自分らしく表現することを大事にしてほしいです。

山本朝陽さん

「会社に3年いなければいけない」といった、先人の言葉が全て正しいわけではないと思います。他人の言葉を鵜呑みにするのではなく、自分が将来なにをやりたいかといった選択や思いを、どの環境になっても大事にしてほしいですね。

大川政美さん

自分の経験も踏まえると、些細な言葉や行動にも、何かしらの意味やメッセージがあると考えています。その考えを持って、いろんなことにチャレンジしていってほしいです。

学生新聞オンライン2023年 1月9日取材 武蔵野大学3年 西山流生

武蔵野大学3年 西山流生 / 津田塾大学4年 大川知 / 立教大学4年 須藤覚斗 / 中央学院大学4年 田根颯人

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