株式会社すかいらーくレストランツ 代表取締役社長 中島尚志

家族同様の社員と共に成長する会社を目指す

株式会社すかいらーくレストランツ 代表取締役社長 中島 尚志(なかしま ひさし)

■プロフィール
1995年株式会社バーミヤン入社。店舗マネージャー、教育・エリアマネージャー、人事担当などを経て、2016年株式会社すかいらーくレストランツ取締役バーミヤンフィールドオペレーション統括グループディレクターに就任。2018年より同社執行役員バーミヤン営業本部長、2022年5月より同社執行役員営業政策・QSC改善グループディレクターを務め、2022年9月より現職。

バーミヤンの営業本部長を経てすかいらーくレストランツの社長に就任した中島尚志氏。そんな中島社長の学生時代のお話や、バーミヤンからすかいらーくレストランツ代表となった現在の仕事への取り組み方、家族同様という従業員への思いや社員の育て方についてお話を伺った。

大学生時代の4年間は、アルバイトに明け暮れていました。高校時代の友達と一緒に朝から晩まで引越しのアルバイトをしていました。正直、学業よりもアルバイトや友達と遊ぶことに力を注いでいたような学生時代でした(笑)。
しかし、学生生活を謳歌できたからこそ社会人になってからはスイッチを切り替え、辛いときや大変なことがあっても乗り越えられたのだと思います。卒業後に入社したのは、すかいらーくと合併する前の
株式会社バーミヤンです。
私は佐賀市出身なのですが、当時九州にバーミヤンはありませんでした。実は、入社するまでバーミヤンというレストランに一度も行ったことがなかったのです。それなのになぜバーミヤンを選んだのか
というと、当時のバーミヤンは、「飲食経験がなくても2年で店長になれる」というフレーズで学生を募集していたからです。「働くからには少しでも早く責任ある仕事がしたい」と思っていた私にとって非常に魅力的に感じ、バーミヤンに入社しました。

■社員には一つ上の仕事を任せる

仕事というのは、自分の力の注ぎ方次第で結果がいかようにも変化するものです。それは一店舗のマネージャーでも今の私の立場でも変わりません。自分がいい店にしようと行動し続ければ、店も自分もどんどん成長します。この頑張りがダイレクトに味わえるのがこの仕事の醍醐味です。
店の成長は私自身の成長ですし、私の成長は店そのものの成長でもあります。また、私はみんなと一緒に成長できるこの仕事が大好きですし、何よりも従業員の皆さんが大好きなのです。みんなの成長が私にとって一番の喜びでもあります。そのためにはすでにこなせるポジションを任せるのではなく、成長のために一つ上のポジションに就いてもらいます。責任を感じながら仕事をするときが人は一番成長するものです。だからこそ従業員の皆さんが失敗を繰り返しながら成長していける環境でありたいと思っています。
外食産業は教育産業とも言われており、人を教育することに関しては人一倍強みがあります。すかいらーくとしても全ブランドで合同研修を行います。また、私自身もお店になるべく足を運びます。社長は本部にいてはダメです。積極的に現地に赴き、しっかりと従業員の皆さんとコミュニケーションを図ろうと心がけています。

■時代の変化を敏感にキャッチする

すかいらーくは、お客様のニーズに合わせた新たなレストランを次々に生み出してきました。その中で大きな原動力となったのが「新たな価値を作ろう」というチャレンジ精神です。コロナ禍でどのお店も厳しい状況の中、普通なら閉店せざるを得ない店舗状況でも、全国にある3000店舗をガストからバーミヤン、バーミヤンからガストへと業態を変え、さらに新たな業態を生み出すことでチャレンジをし続けてきました。このように時代の変化に合わせて再構築することが得意なのがすかいらーくの特徴です。
また、各地域の従業員の雇用を守り、また雇用を創り出すことができるのも多くのブランドを持つすかいらーくの強みです。どうすればクルーの人たちに働きやすい環境を提供できるか、を常に考えています。労務管理には特に力を入れていて、「長時間働いたから偉い」というのではなく、私自身が積極的に「早く帰ろう」と日頃から呼びかけています。

■家族のような存在の従業員

一緒に働く社員は、前向きで学ぶ姿勢を常に持ち続けている人がいいですね。経験の差は重要視しません。私もたくさんの学生の面接をしてきましたが、学生の皆さんは自分がやってきたことについてよく話をしてくれます。しかし、学生時代よりもはるかに多くの時間を過ごすのが社会人人生です。面接では「自分がやってきたこと」よりも、皆さんがこれからどうなっていくのか、どのような姿勢で仕事に臨んでいくのかについて、注意しながら見るようにしています。
やはり、自分を高めていこうと頑張っている人と一緒に働くのはこちらも楽しいですし、とても刺激になります。先ほども少し触れましたが、成長していく環境が私たちにはありますので、そのような学生にぜひ弊社にきてもらいたいです。会社が社員を育てますし、お客様も社員を育てるような素敵な関係です。私は、従業員はみんな家族だと思っていますし、常に皆さんへの感謝の気持ちを抱き続けています。

*message*

「学生時代にしかできないことをやりなさい」。
その一言に尽きます。今をとにかく楽しく生きてほしいです。海外旅行、国内旅行、サークル活動、友達と遊ぶなど、手段は何でもいいのです。学生時代という限られた時間を思いっきり楽しんでほしいです。社会人になると自分の時間はどうしても減ってしまいます。だからこそ今という時間を楽しんでください。
また、就職が決まったからと、その就職先でアルバイトやインターンを始める人がいるかと思います。しかし、その必要はありません。入社してから一緒にいろいろやっていけばいいのです。それまでは存分に学生の時間を楽しんでほしいです。

学生新聞2023年4月1日発刊号 法政大学2年 佐伯桜優

津田塾大学4年 宮田紋子/法政大学2 年 佐伯桜優

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