テリー伊藤 コラムVol.2 セーラー服が消えてゆく
渋谷、原宿辺りの洋服屋さんを覗くとビックリする。男女同じスタイルの洋服が至る所にディスプレイしてある。流行らしい。最近言われている「ジェンダー」がファッション界に確実に浸透しているのだ。ルーズなシャツやセーター、太めのパンツ。時には、男子もスカートはいちゃう!中にはこれってパジャマ?と思わせるものも。先日無印良品に行った。まさにシルエットか完全にパジャマ。すごく楽ちんなので、ホームウエアーとしてもこのまま外出もOK。サイズが合う同棲カップルなら兼用も出来る。サラサラヘアーの華奢な男の子なら女性に間違えられそう。そうなんです、ファッションは確実に変化している。残念ながら横浜銀蝿や一世風靡(古い!)みたいな男を魅せる不良スタイルは絶滅状態になってきた。好きだったけどな~。まさにジェンダー時代がやって来たのだ!
この流れは中学高校の制服にも。私の母校早稲田実業の詰襟、金ボタン姿なんてほとんど見かけない。そんな中、恵比寿近くにある東京女学館の昭和5年から変わらない、夏目雅子も着ていた白いセーラー服と青いリボン、紺色スカートの可憐なセーラー服姿を見かけた。かつては定番だったセーラー服姿は本当に少なくなった。可愛いのに。今は男女共に人気のブレザースタイルの制服が定番に。紺ブレスタイルは私も好きなので好感を持っているのだが、ここに新たなジェンダー旋風が…!
ジャージ制服が続々登場している。男女共にジャージ登校がOKになってきたのだ!確かに地方で自転車登校をしている中高生のジャージ姿はよく見かける。ヘルメット被って冬になると頬っぺを鼻を赤くして畦道をかっ飛ばしている風景は素朴でいいなぁと思っていたが、都会になるとどうなの?夜の渋谷・新宿・池袋にも当然学校はある。部活で遅くなる時も。そうなると夜遊びしている悪いジャージ軍団との違いはどうなるのだろうか?「いいジャージ着ているな、脱いで行けよ!」「お前ジャージ似合うな、仲間に入らないか。」なんて事が…?
それにしても私、高校時代に東京女学館の美しい過ぎる制服見たさに校門まで仲間と見に行ったことがある。文学少女のような可憐な生徒が出てきたのに声もかけられず遠くから見ていた甘酸っぱい思い出がある。今やセーラー服のスカートが風で揺れる姿もなかなか見れない。ドキドキしたくても出来ない。男子生徒の登校の楽しみってなんなのかな?女の子だってスカートの方が実力だせるのに!ジェンダーの時代、これから何が起こるのだろう!
テリー伊藤(演出家)
1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。
2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。
その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。
著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。
演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。
YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」
LALALA USAでコラム連載中
https://lalalausa.com/archives/category/column/terry
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