井村屋グループ株式会社 代表取締役社長(COO) 大西安樹

他社とは異なる常にオリジナリティーある商品を

井村屋グループ株式会社 代表取締役社長(COO) 大西安樹(おおにしやすき)

■プロフィール
1959年1月4日生まれ。82年関西学院大学法学部卒、同年井村屋グループ入社、08年執行役員経営企画統括部長、10年上席執行役員経営戦略部長、11年取締役IMURAYA USA,INC.出向CEO・COO、14~15年常務取締役、16年代表取締役社長、19年から取締役、「井村屋スタートアップランニング㈱」代表取締役社長を兼任。23年4月1日から井村屋グループ㈱の代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)。

創業125年以上の歴史をもつ井村屋グループ。肉まんやあんまん、水ようかんなど、誰もが知る日本人のソウルフードを提供し、長年愛され続ける秘訣や、長い歴史の中で大切にしている想いについて、代表取締役社長(COO)の大西安樹さんからお話を伺った。

大学時代は必要な単位を取って、レストラン、ホテルのベルボーイ、引越しなど様々なアルバイトをしていました。そんなことをしている間に、就活の時期があっという間にきましたね。私の時代は現在と異なって手書きのエントリーシートを書いていた時代です。当時の私は「メーカー=会社を代表する商品がありそれが社会に貢献している」というイメージが大きかったのでその観点から会社探しをしていました。

■昔から愛され続ける井村屋の商品

井村屋は2021年で創業125年を迎えました。いろんな人に愛され続け、現在は中国・アメリカ・マレーシアなどのご縁ある国で海外展開もしています。海外での商品展開で意識していることは、味です。日本の商品をそのまま持ってきて提供することもあれば、現地に合わせて提供するなど国ごとによって商品のスタイルは変わってきますね。味に関する捉え方は本当に面白く、特に「甘い」という味覚は国によって結構変わってきます。これはアメリカで聞いた面白いエピソードなのですが、日本人がケーキを作ってアメリカ人にあげたら「砂糖を忘れてないか?」と言われたというくらいです(笑)。
会社のポリシーは、他社のマネ・人のマネをせずにオリジナリティーある商品を作ることです。たとえば、弊社は肉まん・あんまんを扱っているのですが、中華まんである胡麻あんまんではなく、和風のあんまんを開発したのは当社が初めてです。あとは長期保存可能な市販用の水ようかんを最初に作ったのも当社ですね。そうやって常に新しいものに挑戦しようという想いで商品開発を行なっています。
また、弊社はカステラ・水ようかんなどは常温、豆腐は冷蔵、アイスや肉まん・あんまんは冷凍と、温度帯も意識して商品の製造を行なっています。商品に対する温度帯独自のノウハウや歴史は製造時に今も大切にしています。

■一人ひとりの長所を仕事に

皆さん何かしら長所があると思うんですね。是非その長所を生かした仕事をしていただきたいと思っています。その中で、特に私が学生さんに対して「この人と一緒に働きたい」とも思う人は、何かに打ち込んできた人です。何かに一生懸命になってきた人は自分のベースがあり、打ち込んできたことに対して自分の意見を持っていると思うからです。あと、他人を思いやれる人ですね。会社はチームワークが大切になるので。
「何かに打ち込んできた人」「他人を思いやれる人」こういう人と働きたいです。

■学生のうちにできることを楽しむ

社会人になると自由な時間が少なくなるので、学生の時代にしかできないことをどんどんやっていってほしいです。たとえ失敗してもいいと思うんです。挑戦したことに価値があり、今後に活きてくるはずなので。学生の時にしかできないことにどんどんチャレンジしていって下さい。

学生新聞2023年7月28日 日本大学4年 和田真帆

南山大学 2 年 田口朋暉 / 日本大学4年 和田真帆

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