井山裕太十段就位式

囲碁の大和ハウス杯第62期十段戦を制した井山裕太十段(35)の就位式が6月13日、東京都港区の明治記念館で行われた。

井山は今回の5番勝負で芝野虎丸十段(名人=24)に挑戦した。1勝2敗と後がない状況から連勝して、逆転奪取。6期ぶり6回目の獲得を果たした。同時に王座・碁聖・十段の3冠に返り咲いた。また、7大タイトルの獲得数が60期(内訳は棋聖9、名人8、王座9、天元8、本因坊11、碁聖9、十段6)に到達した。

挑戦権を争う本戦トーナメントでも1回戦で村川大介九段、準々決勝で藤沢里菜女流本因坊、準決勝で関航太郎九段、挑決で許家元九段と、年下の新旧タイトル保持者を撃破。村川にタイトルを奪われた2019年以来の十段戦登場となっていた。

井山は謝辞で、「近年挑戦権を獲得するのも難しかったのですが、今期は幸運に恵まれました。芝野十段にはここ数年、なかなか厳しい戦いを強いられており、実力や成長された部分を感じました。今回も厳しい5番勝負でしたが、最後は運も味方してくれた部分もあったと思います。30代半ばを迎え、下の世代とのタイトル戦が続いております。自分自身、成長していくこと、高めていくことができれば、まだまだ戦っていけると今回、結果で示すことができたと思っています。来期少しでもいい戦いができるよう、今後も自分の碁を磨いて臨んでいきたい」と述べていた。

■井山裕太棋士より学生へのメッセージ

私は5歳の時にテレビゲームに興味を持ったことがきっかけで囲碁を始めました。囲碁の魅力は、年齢や性別を問わず誰でも楽しめることです。同じ土俵で対等に競い合うことができ、まるでキャンバスに絵を描くように自分の好きなようにプレイすることができます。
囲碁に難しそうなイメージを持っている方がいるかもしれませんが、実はとても自由なゲームで誰でも始めやすいです。最近ではアプリなども充実しており、気軽に楽しむことができるので、まだ囲碁に触れたことがない学生さんにもぜひ挑戦してもらえると嬉しいです。

学生新聞オンライン取材 2024年6月13日法政大学4年 島田大輝

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。