菜々緒 失敗あっての成長、恐れずチャレンジを

菜々緒(ななお)

■プロフィール
ドラマ・映画・CM等幅広く活躍中。昨年は劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』、映画『怪物の木こり』に出演。10年ぶりの写真集「DIVINE」発売も話題となった。今年10月期のテレビ朝日系金曜ナイトドラマ『無能の鷹』主演が決定。今年8月にNANAO OFFICIAL FANCLUBを開設。

映画やドラマを見ていると、軸のぶれないかっこいい女性というイメージが強い菜々緒さん。しかし、インタビュー中の気さくでかわいい姿が印象的で、とても親しみやすい。「求められるものに対して120パーセントで返したい」と語る彼女に、女優業への思いや大切にしている考え、主役を務めるドラマ『無能の鷹』の見どころについてお話を伺った。

忙しくも充実した学生時代

高校生のときに渋谷でスカウトされたのが芸能界に入るきっかけだったのですが、高校時代はまったく芸能活動はしていませんでした。しかし、大学生になって将来のことを考え始めたときに、一般企業で働く自分の姿が想像できなかったのです。そのときは、自分のことがあまり好きではなかったので、自分を好きになれるきっかけがほしいと思い、芸能活動を始めました。
背が高いこともコンプレックスだったので、自分がネガティブに思っている部分を活かせたら良いなと思うようになりました。

「第7回 ミス東京ガールズコレクション」でグランプリを受賞したことをきっかけに、モデルの仕事を始めました。
スイッチが入るととことんやり尽くす性格なので、この仕事を始めようと決めたときに、大学2年間で卒業のための単位をほぼ全部取りました。中途半端にしたくなくて、活動できる時間を確保するために、「まず単位をとってしまおう!」と考えたのです。それからは学校やアルバイト、オーディションと忙しく、青春と呼べるような大学生活ではありませんでした。しかし、自分がやりたいと思うことを楽しくやっていたので、苦労しているという感覚はありませんでした。

自分を底上げしてくれる撮影の現場

ドラマや映画をつくるときの現場の雰囲気が好きです。みんなで力を合わせて一つのことに向かって突き進むようなエネルギーにワクワクします。この業界は向上心を持っているプロフェッショナルな方がたくさんいます。私自身も向上心を持って新しいことに挑戦したいと思うタイプなので、この環境が自分にはとても刺激的で飽きないなと感じています。
また、作品を見てくださった方から「元気が出ました」「作品に影響されて、仕事を選ぶきっかけになりました」などとメッセージをいただくことがあります。作品に参加するたびに、人に何かのきっ
かけや勇気を与えるような素晴らしい仕事をさせていただいているんだなと思い、やりがいを感じています。
私は台詞を覚えるのが苦手なので台本を読むのは大変です。台本が出来上がるのが撮影の前日というときもあり、長台詞が全然覚えられなくて2時間ぐらい現場を止めてしまったことがあります。そのようなときは周りの方がサポートしてくださって乗り切ることができました。
また、現場がすごく過酷なときは、気力と体力が勝負です。苦労することや苦手なこともまだまだたくさんありますが、そういう自分と対面するタイミングが自分にとって大切な時間です。人間誰しも失敗することによって成長していきます。失敗を恐れずに何でも行動することが大事だと思います。

「無能」ですが、何か? 主演ドラマ『無能の鷹』について

最初はダメダメだったけれど、周りの人の影響を受けながら主人公が成長していったり、仕事ができる主人公がどんどん仕事をこなしていく話ではなく、この作品は主人公が最初から最後までずっと無能。「これは新しいな!」と思いましたね。原作漫画を教えてもらった後、一気に読んでしまいました。
周りの誰が何と言おうとただスッといる、そんな禅とか仏の道を行くような主人公、鷹野の破壊力は、生きづらさを感じている人たちにとって、神のような存在に見えるのではないかと思いました。今の時代にすごくピッタリなお仕事ドラマです。私自身が完璧主義的なところがあり、どちらかと言えば鷹野とは真逆です。そのような自分がオファーを頂いて演じることにも運命を感じています。それをコミカルなお仕事コメディーでお届けできるのがうれしいし、自分自身が楽しみな役です。
会社や学校、家庭で人間関係に悩んでいるような人たちが、作品をとおして肩の力を抜いて、「自分なりに頑張ってみようかな」という受け取り方をしてくれたら良いなと思います。

人生楽しんだもの勝ち、新たなチャレンジへ

何でも楽しんだもの勝ちだなと思っています。人生にはすごく波があって目の前のことに一喜一憂しがちですが、それを全部味わい尽くし、楽しみ、目の前のことに向き合っていけば、自分に必要なものや状況、必要な人が目の前に現れるのではないかなと思っています。あまり自分を大切にできなかった時期もあったので、最近は自分が好きなことをやったり、好きなものを買ったりして自分を大切にすることを意識しています。
最近、お仕事で海外に行ったのですが、新しいことにチャレンジするという意味でも、もっと海外での活動も視野に入れていけたらいいなと思っています。そして自分の好きなことを突き詰めていけるといいですね。

小学生新聞2025年9月15日発刊 東洋大学2年 越山凛乃/津田塾大学2年 石松果林

金曜ナイトドラマ「無能の鷹」

2024年10月11日(金)スタート!
よる11:15~深夜0:15
テレビ朝日系24局(※一部地域を除く)
女性コミック誌「Kiss」(講談社)で現在連載中のはんざき朝未による大人気コミックス『無能の鷹』が実写ドラマ化。職場や、学校や、家庭で、毎日がんばるすべての人へ。
自分を褒めたり、息を抜くのが苦手な“がんばりや”さんへ送る、超・脱力系お仕事コメディ。

法政大学4年 鈴木悠介/上智大学3年 白坂日葵/東洋大学2年 越山凛乃/武蔵野大学4年 西山流生

撮影:広田成太

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