テリー伊藤 コラムVol.38 私の唯一のセレブな友人

パリに住む友人から美しいエッフェル塔の夜景の写真を添えたとんでもないLINEが届いた。「テリーさん、エッフェル塔の一番上に泊まれますよ。以前はこの場所にはエッフェル家しか入れなかったんです。中のレストランも素敵ですよ。私は外から見るのが一番好きですが。是非パリにいらしてください!エッフェルさんとも知り合いです、ご紹介しますね。」と夢のようなお誘い。知りませんでした、エッフェル塔の名前の由来がエッフェルさんだったとは。ましてエッフェル塔に泊まれるなんて。あまり観光ガイドにも書いてないのでは。エッフェル塔の上に泊まる、どんな感じなのだろう。パリの夜景を眼下にシャンソンを聴きながら、飲めないシャンパンを飲む。当然タキシードで決めたい。お隣には素敵なパリジェンヌがいて欲しい。夢は広がるばかり。

それにしてもヨーロッパの社交界は相変わらず華やかだ。フランスでは移民問題、高い失業率、物価高など、一般社会では難しい課題はあるが、一方セレブな文化、芸術、ファッションが常に生活に根づき憧れの対象となっているのが羨ましい。

実は40年以上パリに行っていません。全くのおのぼりさんですが、こんなチャンスは絶対にないはず。夢のようなお誘い、出来れば来年の春頃「花の都パリ」に行きたいと思っています。エッフェルさんの顔も見たいし歴史も知りたい。当時の貴重な写真も見たい。出来ればエッフェル塔とスリーショットを撮影したい。パリに行くなら勢いついでにモンマルトルの丘に上って画家気取りで油絵も描いてみたい。学生時代から大好きだった、詩人アルチュール・ランボーが眠るシャルルヴィルの街のお墓も訪ねてみたい。先日亡くなられた世紀の二枚目アラン・ドロンの自宅の前だけでも行ってみたい。完全に話が逸れてしまった。

肝心のセレブの友人だが、間もなく日本に来るそう。帰ってくるとは言わない。友人は勿論日本人だが長いフランス暮らしと世界を駆け巡る日常なので、国際感覚なのだろう。羨ましい。私なんて、長年日本で、しかも東京しか行動範囲がないのが情けない。ヨ~シ、まだ体力に自信がある今こそ行動しないと。先ずはドジャースに優勝してもらい、ワールドシリーズでヤンキースとの対決があると信じてニューヨーク行きのスケジュールを空ける。ドジャース大谷翔平の活躍で優勝するのを目にして、その勢いでパリに飛ぶのも悪くない。でもそんなゴージャス旅行いったい幾らかかるのか。最近ドルが安くなったとはいえ…パソコンで調べてみると…。いかん、この考え方がまずい。いつまでたってもセレブ社交界には入れそうもない。

テリー伊藤(演出家)

1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。
2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。
その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。
著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。
演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。
YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ
LALALA USAでコラム連載中
https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

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