テリー伊藤 コラムVol.40 2025年ご利益のあるスポットは?
車雑誌『ベストカー』の取材はお台場で行う事が多い。理由は交通量が少なく走行シーンの撮影がやり易いことや、平日は人もまばらで注目の新車などが目に付きづらい点だ。そんな訳で何十年もロケ地として重宝している。撮影が終わると近くのお台場ダイバーシティに行き、お茶を飲んだり食事をするのが定番のコースとなっている。その日、普段は空いているフード街がびっくりするような混雑状況。若い女性がわんさか居て各レストランに長い行列を作っていた。殆どの女性がミニスカート、それも超ミニ姿なのだ。色もカラフルで、ヒョウ柄、水玉、黒レース、革、シルバーラメ等々大変な事に。寒い季節もあって東京の街ではミニスカートの女性を見掛ける事が少なくなっているが、ここは別次元。余りの華やかさに戸惑ったが、すぐに理由が判明した。
最近売り出し中の男性アイドルグループ「NCT WISH」のイベントがあるらしい。人気のオーディション番組から誕生した日本人4名、韓国人2名からなるイケメングループなのだ。これで納得できる。ファン心理として、彼等に客席にいる自分を見つけてもらいたい一心で目一杯のおしゃれをして来ているはず。彼氏とのデートでも恐らくここまでセクシーな服は着ないだろう。男性ファンが、お目当てのアイドルのコンサートに行く時、セクシーなオーデコロンを身体中に吹き付けて行く話も聞いた事はない。この現象は恋する女性の特権かも。それにしても色とりどりのファションが街を楽しくさせてくれる。有難き遭遇だ。
そう言えばクリスマスが終わると、外国と違って日本はすぐにイルミネーションが撤去されお正月モードに切り替わる。昨日までのファンタジー感は跡形もなくなり、いきなりの松飾り。勿論お正月は嫌いではないが、クリスマスの余韻に浸る事も出来ず、サンタクロースの後ろ姿を見送る間もなく年を越して行くので、毎年複雑な気持ちになる。華やかな色が消えていく東京の街、救いは東京タワーのイルミネーションだ。澄んだ冬空の星たちを従えて輝くタワーは、春も、夏も、秋もその美しさにはかなわない。星が凍る程の寒さの中で見ることが出来る絶景ポイントは何処か。東京タワー下に建つ徳川家康家ゆかりの芝「増上寺」から眺めた東京タワーは息を吞むほど壮麗。寒さを忘れ立ち止まってしまう。
2025年色んな神社仏閣のお参りも良いが、ここから拝む神々しいタワーに願い事をするのは。きっとご利益ありますよ。
テリー伊藤(演出家)
1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。
2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。
その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。
著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。
演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。
YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」
LALALA USAでコラム連載中
https://lalalausa.com/archives/category/column/terry
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