株式会社アコーディア・ゴルフ 取締役会長 田代祐子
『ゴルフは、あなたの人生に必ず役立ちます』
株式会社アコーディア・ゴルフ 取締役会長 田代祐子(たしろゆうこ)(2024年12月13日取材時点)
■プロフィール
1954年鹿児島県生まれ。19歳で結婚・渡米。子育て中に大学で会計学を学ぶ。卒業後、KPMGに公認会計士として入所し、パートナー(共同経営者)となる。帰国後、米国企業数社の日本支社にて最高財務責任者等などを歴任。2011年に東北へ移住し、ボランティアとして東北大震災被災企業をサポート。2016年からアコーディア・ゴルフの社長となり、2021年から会長職。著書に『SHINE 女性たちよ、もっとキラキラ輝こう』。
“日本一女性にやさしいゴルフ場”をコンセプトとしている四街道ゴルフ倶楽部(千葉県)をはじめ、女性目線でのゴルフ場運営や女性限定のゴルフイベントを開催し、注目を集めているアコーディア・ゴルフ(以下アコーディアという)。取締役会長の田代祐子さんは、社長に就任してから、会社の改革を進めてきた。自身のアメリカでの経験や、アコーディアでの経営方針、大切にしている考え方など様々なお話を伺った。
■海外での苦労があったからこそ、今のキャリアがある
私は子どもを育てながら、20代後半からアメリカの大学に通いました。学生たちは自分より年下で、当時日本人は私だけ。家事も子育てもこなさなくてはならず、放課後に友達と遊びに行ったり部活動に参加したりは、全くできませんでしたが、逆に勉強に打ち込めました。
そのおかげで成績があがり「努力すれば、社会で認めてもらえる。」という実感を得ました。私の人生で今につながる大きな経験でした。
卒業後の就職はどうなるのか。私は30代の主婦で日本人です。何らかの資格があれば就職できるのではと考え、会計士の資格を取得することにしました。でも今のようなキャリアを期待していたわけではありません。
卒業間近に、世界4大会計事務所であるKPMGのパートナーに「日本語ができるなら、うちに来ない?」と声を掛けられました。それまでは日本人であることは自分にとってハンディだと思っていましたが、逆に選ばれる要素になりえる!と知り衝撃を受けたのです。
それは、「今、自分にとってマイナスだと思っていることでも、見方を変えればプラスになる」と教えてくれました。当時はつらい経験でも、その苦労があったからこそ、今の自分があるという事になる。大学に通う前は、アメリカでキャリアを積むなんて考えもしませんでしたが、いろいろな偶然が重なり、チャンスをポジティブに受け止めながらトライしたことが、今日に繋がったと思います。
■人とのつながりは財産
私は、人とのつながりは、人生で一番大切な財産だと思っています。でも人とのつながりは、それぞれに環境が変わる中で、放っておくと自然消滅してしまいます。ですから、自分から繋ぎ続ける努力が必要です。ちょっとしたしたことでいい。メールで近況を報告しあったり、年賀状を送ったり。そんな努力を積み重ねることによって、人とのつながりが長く保てると感じています。そして、人とのつながりは思わぬところで、自分の人生に影響を与えます。私がアコーディアに来たのも、アメリカ時代の同僚からの「アコーディアという会社に行ってみない?」という一言から。人とのつながりを大切にし、自分から一歩を踏みだす勇気が大事だと思います。
■変わっていくニーズに応えるゴルフ場
アコーディアの社長に就任してからは、どうしたらお客さまに選ばれるゴルフ場になるかを絶えず考えてきました。運営側の経験が長いと、どうしても運営側の目線に偏りがちですが、私は長らくゴルフ場の顧客側だったので、それを生かそうと思いました。例えば、日本のゴルフ場ももっとカジュアル化したら、さまざまな方にご来場いただけるのはないかと考えました。私はゴルフがあまり上手ではないので、友人たちとスコアを気にせず、気軽に楽しみたい、荷物は自分のタイミングで運びたい、ゴルフ場でジャケット着用が必須なのはなぜ?など、徹底的にお客さま目線で疑問を持つようにしました。また、それまで男性中心だったゴルフ業界に女性の目線を生かせば、女性のゴルファーを増やすことができるのではないか思いました。アコーディアのゴルフ場は、パウダールームに女性に人気の「ダイソン」や「リファ」ブランドのドライヤーを設置しています。髪が早く乾くことは、身支度をする女性のストレスを大きく軽減してくれるもの。男性も女性も心地よく過ごせるゴルフ場を目指しています。
■初心者の女性や子どもを対象としたゴルフイベント
アコーディアの女性限定のイベントは、初心者が一人で参加できます。スコアは気にせずに、ゴルフを楽しむ!がコンセプト。イベントではベストドレッサーコンテストや、ゴルフ専用ビンゴゲームなど、さまざまな工夫を凝らしています。子ども向けには『First Tee(ファーストティ)』というイベントを開催しています。ファーストティはゴルフを通じて、子どもたちが将来豊かな人生を歩んでいくことに貢献する教育プログラムです。あいさつや自己紹介にはじまり、自分が上手に打てなくても友だちを応援するなど、ライフスキルにつながる価値を学びます。子どもさんに人生の基本を教えながらゴルフを体験させる。私たちの役割は、ゴルフ業界全体の裾野を広げることだと思っています。
■誰もが気軽に楽しめるスポーツ・レジャーとしてのゴルフ場へ
ゴルフ運営会社の成功とは、お客さまのニーズに応え、成長しつづけることだと思います。
お客さまのニーズは、時代の変化とともに変わっていきます。会社は、つねに斬新な企画と実行力で進化する必要があります。私は皆様のような新しい世代の方々の視点や価値観をどんどん取り入れていきたいと思っており、大学新卒でアコーディアに入社される方々にとても期待しています。
■学生へのメッセージ
人は一人では生きていけません。いろいろな方たちに支えられています。感謝の心を忘れずに、人とのつながりを大切にしましょう。ゴルフは生涯にわたって楽しむことができ、人とのつながりや人生を豊かにしてくれます。なぜならゴルフは相手を選ばないスポーツだからです。「ゴルフに行きませんか?」「いいですね、行きましょう!」といえる相手なら、誰とでも一緒にプレーできます。人との繋がりを増やす手段のひとつとして、あなたの人生にゴルフを取り入れてもらえたらうれしいです。
学生新聞オンライン2024年12月13日取材 東洋大学2年 越山凛乃
東洋大学2年 越山凛乃/株式会社アコーディア・ゴルフ 取締役会長 田代祐子/東京経済大学1年 望月虎輝/TOP CONNECT株式会社 代表取締役 内田雅章
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