株式会社PLEIN 代表取締役 中尾太一 (なかおたいち)

原動力は「決めたこと」に向かって、無我夢中で突き進むこと

株式会社PLEIN 代表取締役 中尾太一 (なかおたいち)

■プロフィール

18歳の時に高校時代のアルバイトをきっかけにフードビジネスに興味を持ち、料理人と経営者を志す。調理師学校を卒業後、株式会社星野リゾートへ入社。料理人として軽井沢ホテルブレストンコートにてフランス料理を研鑽。その後、同社全体の飲食事業を統括するグループ料飲統括アドバイザリーメンバーに最年少で抜擢。株式会社smiles:に転職し、レストラン事業部にて商品開発、採用責任者、新規開業などに従事。2017年株式会社PLEINを設立する形で起業し、現職。

外食産業を憧れの仕事にというビジョンの元、お客様に食を通して幸せを届けている株式会社PLEIN。2021年には、「はばたく中小企業300」に唯一の飲食業として選ばれた。そんなPLEIN創業者である中尾太一氏に、ご自身の学生時代から創業までの道のりや自社に込める思いについて伺った。

■人生を逆算して行動する

学生時代は、マクドナルドやユニクロ、レストランなど多くのアルバイトをやっていました。その中でもマクドナルドでのアルバイト経験が、飲食業界に進む大きなきっかけとなりました。マクドナルドでのアルバイトはとても楽しくて、出勤前に自ら掃除したり、退勤後はハンバーガーを作る練習をしたりと、部活動のように能動的な働き方をしていましたね。そして、始めて3ヶ月、高校生で店長代理に抜擢されました。努力が実を結び、このような成果を残すことができてとても嬉しかったです。この成功体験によって、自分はこの業界が向いているのだと思いました。また、やる気があり、一生懸命働くことで成果がでるというマクドナルドの職場の環境や仕組みが素晴らしいと感じました。そこから、マクドナルドのような会社を作りたいと思い、進路を全て変えて飲食業界の道へ進むことを決心したのです。
飲食業界に進むと決めた18歳の頃、経営者である父に「飲食店を経営するならば、マーケットをみて、人生を逆算して行動しなさい」というアドバイスをもらいました。そして、最初のゴールとして、私は7年間他社で勉強し、25歳で独立するということを決めました。専門学校卒業後、星野リゾートに就職し、その後、株式会社smiles:に転職し、レストラン事業部に配属されました。7年間という短い時間で、独立し、経営することを考えて、この二社で働かせていただくことを決めたのです。色々勉強する中で、飲食業界で成功している経営者は、職人的な専門性やマネージメント力、資金が整っていることが共通点だと気がつきました。星野リゾートとsmiles:はこの3点が十分に整っている会社だったので、沢山のことを学ばせていただきました。そして、25歳の時に南青山にフレンチビストロのお店を開きました。その頃は、お金も実績もなかったので、若さと勢いだけがブランディングでしたね。

■外食産業を「憧れられる仕事」にしたい

私たちの会社のビジョンは、外食産業を憧れられる仕事にすることです。私は、飲食業界で働き始めた当時、憧れていた業界に入ることができ、とても楽しく働いていました。また、自分の仕事も評価してもらい、やりがいも感じていました。一方で、友達と話していた時に、世の中の飲食業界へのイメージはあまり良いものではないと気付かされました。そこで、飲食業界という仕事のイメージ全てを変えることはできないけれど、PLEINという会社があることで、飲食業界も素敵な仕事の一つだと認められたらいいなと思ったのです。PLEINでは、現在、9店舗展開しています。全店舗違う名前、違う業種で行っておりますが、どの店舗にも共通している3つのベストというものがあります。それは「PLEIN is ベスト」という、お客様、企業業者様、従業員にとってPLEINという会社がベストだと思ってもらえるような考え方です。
これには3つの指標があります。1つめは、シンプル is ベストです。ビストロならビストロ、フレンチならフレンチなど、シンプルにプロダクトを作ることで、無駄なコストを削ぎ落とし、お客様に適正な価格で届けることができます。2つ目は、リーズナブル is ベストです。全業種、全店舗、お客様がお支払いした時に、人それぞれお財布事情は違うけれど、同じような体験をした時よりも10%くらいお安く楽しめたという体験価値を共通化しています。3つ目は、シェア is ベストです。これは従業員向けで、利益率など様々な数字を公開します。そして、うまくいったところの利益はみんなでシェアします。会社だけが儲かるのではなく、従業員たちも頑張った分だけ利益を得ることができるので、結果的にサービスレベルもあがります。これら3つの指標があるからこそ、業態が異なっても、サービスクオリティが統一されています。

■「決めたこと」を達成する

日々の原動力は「決めたこと」を達成することです。本当はやろうと思えば何でもできるのです。でも、大事なのは、色々な選択肢があるなかで自分はもうこれしかできないと覚悟を決めて、そこに向かってがむしゃらに頑張ることだと思います。私の場合は、25歳までに独立すると決めたことです。あの時は、これを達成しなければ自分はもういく場所がないんだと覚悟を決めて無我夢中に頑張りました。このように、自分でやると決めたことは、盲目的に行うのが大事だと思います。これからも、「決めたこと」を達成し、成功体験を積み重ねていきたいです。素直で能動的に働いてくれる人、私はそんな人たちと共に働きたいです。今の会社のメンバーはこのようなマインドを持った人たちが集まっています。素敵な仲間と共に飲食業界を憧れられる仕事に導いていきたいです。

■大学生へのメッセージ

特別な経験や能動的な経験を沢山してください。そして、やりたくないと思うことをやってみることも大切にしてほしいです。私も、学生の時に様々なバイトを経験して、辞めたこともあります。社会に出ると辛いことにぶつかり、逃げ出したくなる瞬間に多く出会います。しかし、自分に向いていないことや嫌なことの経験を沢山積んでおくことで、辛い時に「あの時の方が辛かった」と思うことができます。特別な経験も辛い経験もすることで、世界が広がると思います。だからこそ、学生の皆さんにはそんな経験を大切にして欲しいです。

学生新聞オンライン2024年月日取材 国際基督教大学2年 丸山実友

立教大学 4 年 緒方成菜 / 国際基督教大学 2 年 若生真衣 / 立教大学 4 年 須藤覚斗 / 法政大学 4 年 鈴木悠介 /
国際基督教大学2年 丸山実友 / 上智大学 3 年 白坂日葵 / 東洋大学 2 年 越山凛乃

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