株式会社エンパワー 代表取締役社長 増井俊介
「責任感を持って、1つのことを極める」
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株式会社エンパワー 代表取締役社長 増井俊介 (ますい しゅんすけ)
■プロフィール
1973年9月28日、大阪府生まれ。大学卒業後、大手通信会社に入社し、法人・個人営業に携わる。
複数の関連会社代表を歴任したのち、2011年にコールセンター事業を起業し、その後事業を売却。
2016年、株式会社エンパワー代表取締役に就任。
2021年には著書『学歴なし、人脈なしなら、社長になれ!』を出版。
現在、急成長している市場がある。それがリユース市場だ。その中でも「買取大吉」は業績、フランチャイズオーナー数を共に大幅に伸ばしている。中古品などを売買して再利用するリユース市場は、なぜ魅力的なのか。リユース市場の成長を牽引する「買取大吉」の運営企業であるエンパワーの増井俊介社長にお話を伺った。
学生時代は音楽とテニスに力を入れていました。中学生までピアノを習い、今でもショパンなどを弾きます。ピアノのレッスンを通じて、弾けるようになるまで弾き続けること、結果が出るまで諦めずにやり続けることを学びました。この精神が今のビジネスライフに生きています。高校時代は、テニスに打ち込みました。中学生の時からテニスに取り組んでいたメンバーの中で、初めて挑戦したので私が一番下手でした。全くボールが打てず、レギュラーとは程遠かったです。しかし、朝練に行き、毎日素振りを練習しました。みんながやっていない努力をした結果、50人中4人のレギュラーに選ばれました。このピアノとテニスの経験から、諦めずに一つのことをやり続けることで、結果が出るのだと学びました。何でも良いので、一つのことに集中し、突き詰めた経験が、現在にも活きています。
■実力主義の会社への入社
大学卒業後は、通信業界に行きました。年功序列の風土がない会社が良いと考え、当時としては珍しく「実力主義」を掲げていた光通信への入社を決めます。その後、光通信の子会社の社長などを歴任した後、コールセンターの回線販売の会社を立ち上げ、そこで数年間仕事をしました。そして、2016年にエンパワーへと入社しました。
■業績が急成長
エンパワーは、現在、買い取り専門店の「買取大吉」を全国で1200店舗展開しています。直営店が168店舗(2025年3月現在)、残りがフランチャイズ(以下FC)の店舗です。個人のお客様から商品を買い取らせていただき、それを業者や海外のお客様、バイヤーの方々に販売するビジネスモデルです。店舗買取、出張買取、ショッピングモールにブースを出す催事部の3つの方法で仕入れを行なっています。2016年の社長就任時、店舗数はFC 200店舗で、直営店はありませんでした。
しかし、激しい競争がある中で、FC加盟店のオーナーの方々に最新のノウハウを提供し続けていく必要があり、ノウハウや蓄積を増やすため、直営店を増やしました。人生がかかっているオーナーの方々を絶対に失敗させるわけにはいかなかったからです。また、80店舗ほどは、直営店を出店しました。その結果、当時月間1~2件だったオーナーさんの加盟が、現在では月間50件にまで拡大しました。特に、この3年で店舗数が急激に増加しております。昨年度の年間FC伸び率ランキングは僅差で、セブンイレブンに次ぐ2位となりました。今年は前期だけでも昨年度の合計を上回るペースで店舗拡大しているので、次回のランキングでは買取大吉が1位になっていると予想されます。業績も大幅に伸び、4年前65億円だった売上は、今期810億円にまで成長しました。
オーナーさんに選んでいただける理由は、店舗の継続率とマーケットが伸びていることです。顧客を大切にすることに注力し、リピート率にこだわっているため、店舗の継続率は高いです。また、現在3兆円のリユース市場は、顕在市場のみでも、2030年には4兆円に成長することが予想されています。現在、リユースの利用率はわずか30%です。リユース未経験の潜在市場も含めると、その市場規模は60兆円のマーケット規模になります。現在の3兆円に比べて、あと20倍のポテンシャルがあります。少子高齢化であらゆる市場が小さくなる中、市場が伸びている稀有な業界です。
店舗ビジネスで一番コストがかかるのは、家賃と人件費です。しかし、買取大吉では、5坪の低い家賃で、またワンオペで人件費もかからずに運営できます。直営店の平均粗利額が1ヶ月850万である上、家賃と人件費も抑えられるところが「買取大吉」のオーナーになることの魅力です。
■共に働きたい人材
これからのエンパワーを引っ張ってくれる方と、共に働きたいです。そのために、やる気、能力、将来性がある方を採用しています。将来性がある方とは、謙虚さ、素直さ、他責にしない考え方をお持ちの方々のことです。このような方々は、今後伸びる可能性が十分にあります。社会に出ると厳しいことが沢山あります。全てをプラス思考で捉えられる方、自分を犠牲にして事業に注力できる方と一緒に働きたいです。
■ドラフト指名を蹴って入社
新卒採用で入社した1人である加藤真浩さんは、プロ野球のドラフト指名を断って弊社に入社しました。大手総合商社などからも内定を受けていた中で、弊社を選んでもらえたのは、情に熱く、弊社のビジョンに心打たれたのが理由だとか。自分を作る環境がエンパワーにあると考えたからこそ、大企業ではなく弊社を選んだのだとのことでした。
■27才での取締役就任
弊社は、若い人材に責任を与え、会社を成長させて欲しいと考えています。そのため、3年前、当時27才だった清水さんを取締役に抜擢しました。会社の戦略、予算への責任を明確にするため、選ぶ責任者が取締役です。その時の判断材料として重要なのが、如何にコミットして、実績をあげるかです。清水取締役にはこの両方があったため、取締役を任せることができました。
■大学生へのメッセージ
大学生の皆さんには、自分の可能性を信じ、新しいことへの挑戦を恐れずに進んで欲しいです。誰よりも努力し、考えることを通して、自分を信じることが大切です。誰よりも大きな目標に挑んでいることがあれば、自信を持って自分を信じることができます。何でも良いので、学生時代に何か一つを極めることをお勧めします。
学生新聞オンライン2024年10月29日取材 中央大学3年 亀井義和喜
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