都民ファーストの会 代表 荒木ちはる

政治は、誰かの「不可能」を「可能」にするもの。

都民ファーストの会 代表 荒木ちはる (あらき ちはる)

■プロフィール

1982年3月1日生まれ、熊本県出身。
小池百合子衆議院議員公設第一秘書(秘書歴6年)を務め、2017年都議会議員選挙初当選、現在2期目。現在、都民ファーストの会代表、ファーストの会代表。東京都議会議員(中野区選出)・参議院東京都選挙区第一支部長・警察消防委員会副委員長保有資格:行政書士、宅地建物取引士、防災士

2017年都議会議員院トップ当選を果たして以来、5000件の政策を打ち出してきたのが、都民ファーストの会に所属する都議会議員である荒木ちはるさん。30代女性都議会議員は、果たしてどんな学生時代を過ごしてきたのか。「荒木ちはるは3体いる!」と周囲からささやかれるほど活動的な荒木さんの秘密に迫りました。

■先輩への恩義から始めた新入生チューター

大学は、資格を沢山取りましたね。資格を取ろうと思ったのは、学生は時間が沢山あるからです。遊ぶ時間も大切ですが、学生だからこそ出来ることを優先しました。1年目は宅建に挑戦しました。最初の試験は、落ちてしまいましたが、2年目で無事合格することができました。そのほか、行政書士や中国語検定の資格も取りました。

資格以外には、新入生チューターを4年間務めました。新入生チューターとは、簡単に言うと新入生のお世話をする係です。私自身、新入生の時、先輩方にハウステンボスに連れて行ってもらい、カリキュラムを説明してもらい、「大学とは何をするのか」を教えて頂きました。先輩方のおかげで、大学生活を最初から楽しむことができたため、「自分も後輩たちに何かできないか」と思い、立候補しました。4年生の時には、リーダーを務めるようにもなりました。

■幼い頃の夢は、検察官

大学は、政治学部ではなく、法学部に進学しました。その理由は、実は女性の検察官になりたいと思っていたからです。きっかけは、大学で強姦罪について学んだ時です。状況が似ている事件でも、男性が裁くのと女性が裁くのでは、全く判決が違うことを知りました。また、「痴漢などを防ぐために、私が鉄道警察隊になって、悪い人を捕まえたい」とも思っていました。法律を学びたい思いが強く、大学院まで行きました。

■小池さんの秘書を6年間しようと思った理由

きっかけは、テレビで小池百合子さんを見たからです。当時、女性初の環境大臣として、彼女の存在は、テレビでよく取り上げられていました。小池さんの人間の心理の核心をついている政策を見て、憧れていました。

例えば、エコバッグ、クールビズについても、小池さんは、「会社のトップから始めなさい」と政策を打ち出しました。社会構造を理解しているからこその発言だと思い、感銘を受けたのを覚えています。また、小池さんには、発信力がありました。当時の私は、発信力が大切だと考えていましたので、小池さんのもとで働きたいと考えました。政治家になりたいと決めた時、履歴書一枚持ち、小池さんのもとに「弟子にしてください」と言いにいきました。

■政治家の仕事とは『人がやらないことをやる』

小池さんからは、様々な政治家の仕事について教えて頂きました。人がやることをしても、意味がない。だからこそ、声なき声に耳を傾けることが重要だと、小池さんは何度も言い続けてくださいました。日本には、困っている人が沢山います。声を上げられない人、声を上げても伝わりにくい人、声なき声に耳を傾けることが私たちの仕事です。

そのひとつが、若者の性教育です。スウェーデンでは、子供たちの秘密を守って、問題悩みを解消できる環境が整っています。妊娠した時、性病になった時、親には相談しにくいですよね。誰かが代弁してくれないけど、大切なこと。その問題解決をしていくのが私たちの仕事です。小池さんの秘書をしている時に、「声なき声に気づき、誰もやらないことをやる」という大切な事を教えて頂きました。その経験が、今の政策に繋がっていると言います。 実現するために、私はどこでも行きます。防災訓練も中野区中のイベントにはほぼ全部参加しています。皆さんから「荒木さんは3人いるのでは?」と言われるほど動いています(笑)。

■日本の政治は、スピード感の遅さが課題

都議会は非常に重要な存在なのに、残念ながら、あまり注目されていません。委員会のテレビ中継もされていません。議事録を見たいと言っても、取り寄せるまでに1ヶ月かかる状況です。正直、すべてが遅いのです。必要なときには、もうその時には終わっていて、国民の皆さんと話を進めることができません。だからこそ、私は「古い議会を新しく変えよう」と訴え続けています。都議会委員は60代の方が多く、30代女性は珍しいです。だからこそ、私には、「いまの体制は古い。だから、新しいことが必要だ」と声を上げる役割があると考えています。

■政治とは、「不可能を可能にできるもの」

私は、今までで5000件以上の政策を出しています。なぜなら、困っている人が「制度だから」と諦めているケースが多いからです。でも、「変えることは不可能だ」と思うことが、東京と日本の可能性を狭めてしまいます。最近の事例だと、都立高校に通える学生の条件の緩和が挙げられるでしょう。

最近、障害児を育てる方々など、子どもたちに自然を体験させたいと思い、伊豆大島などの島に引っ越す動きが増えています。しかしながら、都立高校は都内在住者しか通うことができません。島に住みたい人たちの障壁を取り除くべきだと考えて、県外の人でも都立高校に通えるようにという要望を出しました。知事に伝えると、すぐさまに変えてくれました。これからも困っている人の声に気づき、素早く解決できるように動いていきます。

■大学生へメッセージ

18歳選挙権を大いに活かして政治に参加してください。政治は生活です。暮らしや命や健康を守るものだから、政治家を見て選んでください。学生視点から日本の50年後、100年後を見て、「自分たちが生きていく将来を、今の政治家たちに預けられるのか?」を考えてほしいです。政治に参加する事で、社会の一員として生きている事を体験できます。また、自分の声が現実になることもあります。だからこそ、社会の事柄に当事者意識を持ち、生活することが大切なのです。ぜひ、みなさんにはそれを意識してほしいと思います。

学生新聞オンライン2022年4月26日取材 成蹊大学4年 岡田美波

津田塾大学卒業 脇山真悠 / 成蹊大学4年 岡田美波

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