株式会社ネオキャリア 代表取締役CEO 西澤亮一 

人と本気で向き合い、未来を切り拓く。

株式会社ネオキャリア 代表取締役CEO 西澤亮一 (にしざわ りょういち)

■プロフィール
2000年、新卒で投資会社に入社。同年11月、株式会社ネオキャリアを共同設立し取締役に就任。
2002年に代表取締役社長へ就任。新卒・中途採用支援、エンジニア採用、介護・保育事業、HR Techなど多岐にわたる事業を展開し、人に関わる社会課題の解決を目指す。

人材業界トップクラス成長率を誇る株式会社ネオキャリア。
企業の採用支援にとどまらず、求職者の就労支援、さらには、アウトソーシング事業などを手掛ける業務支援など、幅広く人に関わるサービスを展開している。今回は代表取締役CEOである西澤亮一さんに創業の経緯や事業内容についてお伺いした。

大学生時代は、レンタルビデオ店でアルバイトをしていました。当時住んでいた場所で新店舗のオープニングスタッフを募集しており、なんとなく興味をもったのがきっかけです。当時は24時間営業だったのですが、深夜の時間帯は正社員の方がいなかったため、自分が店長代理のような形で働いていましたね。深夜だとお客様が来ないので、作品の売れ行きの分析や、陳列の見直し、商品POPの作成など、“ミニ経営者”みたいなことをしていました。責任も大きかったですが、この4年間は楽しかったですね。

大学では金融を学んでいたので、就職活動では銀行・証券会社・生命保険会社などの金融業界を中心に見ていました。ただ当時の金融業界は年功序列が激しく、30代後半からでないと支店長にすらなれないといった状態でした。私は30歳になるまでに「三つの自由」である「精神的自由」「時間的自由」「金銭的自由」を得ようと考えていました。それぞれ具体例を挙げると、精神的自由は人に気を遣いすぎないこと、時間的自由はいつでも旅行がいけること、金銭的自由はお金を気にせず行動できること、といった感じでしょうか。年功序列の金融業界では三つの自由が得られないと思い、別の業界を目指しました。その流れで偶然、一年目から起業ができるベンチャーキャピタルからお誘いをうけました。半信半疑な部分もありましたが、リスクを取らずに自由は得られないと思い、その会社に就職をしました。

■成功パターンの共有が黒字化への第一歩

入社して一年目の11月に、早速自社と人材会社、求人メディアの三社のジョイントベンチャーとして、人材紹介と求人メディアの代理店の会社を作ることになりました。私を含めた新卒9人で会社を立ち上げましたが、苦難の連続でした。2000年11月に立ち上げをして2002年3月までの1年4か月の間は黒字になることはなく、4000万円の赤字となりました。資本金もなくなり給与も止まり、代表が辞めるまでに事態は悪化していましたね。学生上がりのメンバーばかりなので、頑張っているけど、赤字の原因すら分からない。そんな状態でした。
その中で、私だけは営業成績で黒字を出していたため、株主やメンバーの声もあり、辞めた代表の後任として代表に就任しました。
黒字化を図るために、ばらばらだったメンバーの目標を、方向性を示して足並みをそろえることを始めました。そこからメンバーに対して自分が行ってきた営業の成功パターンを伝授していきました。一か月後から徐々に黒字化していき、1年半後には、赤字を解消しました。

■社員を守るために逆張りの決断

その後は年々売上も社員数も右肩上がりで伸びていき、営業利益は20億、純利益は2億超を達成しました。しかし、2008年のリーマンショックの影響により、人材業界全体で毎週のように人が辞めていく状況に陥りました。ただ、そのような状況でも私についてきてくれる社員をリストラしないために、他の人材会社が撤退した地方で、あえて人材紹介の事業を展開しました。その結果、地方における求人需要を満たすことができ、市場シェアを獲得することができました。ピンチの時こそ、どちらかというと逆張りの戦略を考えることが、会社の成長に繋がるかもしれませんね。

■求人広告と採用代行で独自の立ち位置を築く

人材業界と一言で言っても、人材紹介・人材派遣・求人広告・採用代行といった様々なビジネスモデルがあります。当社ではこれらの事業をすべて提供していますが、中でも求人広告に関しては、トップクラスの販売実績を誇っています。例えるならマイナビ社などから求人媒体を仕入れて、それをお客様に提供をする「求人広告の代理店」といった立ち位置でしょうか。マイナビ社など大手の企業が当社のクライアントになってくださるという、人材業界の中でも特殊な立ち位置となっております。
また、採用代行の領域においては、求人への応募受付から応募者への連絡、最終選考まで、採用プロセス全体を一気通貫でサポートするサービスも提供しています。特に最終面接までカバーしているのが特徴的であり、新卒・中途採用だけでなく、アルバイト採用まで幅広く対応しております。

■ビジネスの違いを生むのは「人」の力

当社のパーパスとして「人と本気で向き合い、未来を切り拓く。」という言葉を掲げています。人材業界のビジネスモデルは、そこまで大きな違いはなく、媒体の量や質、業界の種類によっても若干の違いはありますが、一番「違い」がでるのは、やはり「人」だと思います。仕事への意欲が高い人であれば、お客様に対してもクオリティの高いサービスを提供できると考えています。お客様から見ても丁寧で熱心な会社や人に対して、仕事を頼みたいと思うことは当然のことです。仕事を頑張る理由は何でも良くて、意欲があり熱意を持っていれば、必ずどんな環境でも活躍できます。今後の当社の目標として、2030年までに少なくとも営業利益100億円の企業規模を作り上げたいと考えています。ただそれを達成するには20~40代の人たちが中心になっていく必要があります。40代が経営の中心、30代が事業の中心、20代が現場の中心となれば、永続して事業の拡大につなげられると考えています。そのためにも意欲の高い人たちには、ぜひ当社に入社してほしいですね。

■思考が人生を大きく変える鍵

学生の皆様には、社会に出る際には大学の入学式と同じようにワクワクしてほしいと思います。
人間は思考の生き物です。物事の捉え方によって人生は大きく変わってきます。今の社会は情報量が非常に多く、意思決定も物事を捉えることも難しくなりつつあります。その中でも自分の意思をしっかり持ち、自分の人生を良い方向に持っていってほしいと思います。

学生新聞オンライン2024年12月3日取材 武蔵野大学4年 西山流生

武蔵野大学4年 西山流生/国際基督教大学2年 渡邊和花/国際基督教大学2年 丸山実友/津田塾大学2年 石松果林/日本大学4年 鈴木準希

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