アサヒグループ食品株式会社 代表取締役社長 川原 浩

人を笑顔に、幸せにすることに全力で取り組む

アサヒグループ食品株式会社 代表取締役社長 川原 浩(かわはら ひろし)

■プロフィール

1966年生まれ。1990年慶應義塾大学経済学部卒業後、株式会社日本長期信用銀行(現・株式会社新生銀行)入社。その後、チェースマンハッタン銀行(現・JPモルガン証券株式会社)、ゼネラル・エレクトリック・インターナショナル・インク、カーライル・ジャパン・エルエルシーを経て、2020年アサヒグループ食品株式会社 専務取締役兼専務執行役員に就任。2021年3月に現職に就任。

〝多刀流〞を強みとし、さまざまな形で人々の笑顔を作り出すアサヒグループ食品。外資系企業3社を経験し、コロナのさなか、2021年に就任した川原社長の学生時代の話や自社への誇り。人生を通じて変わらぬ「人を笑顔に、幸せにしたい」という想い。今、変化の時代を生きる学生へのメッセージを伺った。

中学、高校、大学と音楽バンドの活動をしていました。ライブハウスを回り、プロダクションから声がかかるほど音楽に打ち込んでいました。しかし、本当にプロとしてやっていける才能はないと思い、将来のことを真剣に考え始めたころに、父からある本を渡されました。それは経営コンサルタントが書いた本だったのですが、世の中や経済の回り方をその本で初めて知った私は、目から鱗が落ちるとはこのことかと思うほど衝撃を受けました。そこで一念発起、アメリカへ留学し、経済学を学ぼうと決めました。

■人々を笑顔にする仕事がしたい

留学から帰ってきて就職活動をしたのですが、「さまざまな仕事に触れたい」「人々の幸せな顔が見たい」という想いで銀行に就職しました。お金を取り扱う仕事は、人々の夢や目標を支える仕事です。ここでの仕事はとても楽しかったのですが、この銀行は破綻してしまい、転職することになりました。3つの外資系企業で働いたのですが、50歳を過ぎたころに、「事業会社の中に入り、自分たちが決めたことを自分たちで行い、その結果責任を負う立場になりたい」という想いが強くなり、縁あってアサヒグループ食品に入社しました。前職では企業の飛躍を応援する仕事でしたが、今度は自分が飛躍する企業の根幹を担う一員になれたという想いでした。
これまでどの会社、どの仕事でも情熱とやりがいをもって取り組んできました。どんなに忙しくても全く苦ではなく、楽しくのめり込んできました。それは自分が腹の底からやりたいと思う仕事だったからだと思います。私は仕事で人々を幸せにできることが何よりの喜びであり、この会社に入ることができたことも本当に幸運だったと思っています。我が社の商品はいろいろな意味で笑顔を作っています。「食べておいしい」笑顔はもちろんのこと、人々の生活に寄り添った商品で「ゆとりのある時間」が生まれることの笑顔もあります。介護疲れなどの問題が深刻化している今、我が社のシニア食の活用で家族だんらんの時間を作っていただくこともできると思っています。このように人々の笑顔を増やすことにつながる商品をお届けしております。

■変化の時代に「多刀流」である強み

アサヒグループ食品は、2016年に複数の会社が統合してできた会社です。それぞれの会社はトップレベルの人気商品を持っていますが、さらに磨きをかけていく必要があります。特に、今の時代、武器を多く持っていることは大きな強みです。コロナ禍によってここまで社会情勢が変わるとはだれも想像できなかったと思います。オンライン授業、オンライン飲み会など新しい需要も多く生まれました。私たちの商品も例外ではなく、人々の生活が劇的に変わることで、今までどおりの需要はなくなってしまいました。たとえば「ミンティア」。ミント系の爽やかさを楽しむ清涼菓子ですが、主に外出時に食べられていました。外出が制限されるコロナ禍では需要が下がってしまったのです。
その一方、「おうち時間」を大切にしようという風潮が強まり、フリーズドライ食品やプロテインなどは、お客様から高い評価をいただきました。このように、単品で勝負し
ていたのでは劇的に変化する市場にはついていくことができません。今の時代は良い商品をたくさん持っている方が強みを発揮します。刀はいくつもあった方がいいのです。1、2本折れても残りの武器で十分戦えるからです。これは統合された会社である我が社ならではの強みです。それぞれの武器を研ぎ澄まし、強みに変えているからこそ言えることでもあります。
このような時代ではチャレンジ精神を持ち、明日を切り開いていこうとする意気込みのある人と一緒に働きたいですね。ただ、あまり肩肘張る必要はありません。まじめで前向きであることが一番です。我が社の社員は皆そういう人たちばかりです。食品業界は安定していますがやはりその中でも変化は必要です。ライフスタイルが多様化する時代にあって、我々が提供できることはまだまだたくさんあります。だからこそ進化すること、挑戦することに貪欲で、それを楽しく取り組める人に来てほしいと思います。

■message

「この会社に入ろう」と決めたときに、その先に見える会社の状況がずっと続くことなどほとんどありません。だからこそ今、目の前にあるフィールドでどう活躍するかを考えていける社会人になってほしいです。このコロナの2年間の学生生活をやり抜いた皆さんならきっと大丈夫です。これからも変化は続くんだという思いで就職活動や社会人としての新生活を送ってください。そして今はオンラインで世界中の人とつながることができる、世界が身近になっている時代です。ぜひこの時代を楽しんで、世界へと自分の視野を広げていってください!


学生新聞2022年10月号 東海大学4年 大塚美咲

慶應義塾大学3年 伊東美優 / 明治大学3年 北篠あさみ / 東海大学4年 大塚美咲 / 東京農業大学3年 畑千絢

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