川栄李奈 決断を正解にするために、努力する気持ちが大切

俳優 川栄李奈 (かわえい りな)
■プロフィール
俳優。1995年2月12日生まれ。神奈川県出身。映画『変な家』『ディア・ファミリー』、ドラマ『となりのナースエイド』などに出演。2021年後期、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』ではトリプル主演。舞台「千と千尋の神隠し」では、主演・千尋役を務める。
アイドルから俳優へと転身。幅広い役柄をこなし、実力派俳優として活躍する川栄李奈さん。2021年後期、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で、朝ドラ史上初の三世代ヒロインの一人、ひなた役を演じ、大きな話題となった。仲間との絆、運と努力を大切にしながら、俳優としてさらなる高みを目指す川栄さんの想いを伺った。
■仲間と築いた絆に支えられた高校時代
高校1年生の終わりにAKB48に加入したため、キラキラとした学校生活はほとんど送れませんでしたが、その分「友情」というかけがえのないものを手に入れられたと思っています。友人に誘われたことがきっかけでAKB48のオーディションを受けたのですが、彼女は今でも私の背中を押してくれる大切な存在です。
友人や周囲の応援に支えられ、新しい世界に飛び込むことができたのは、今でも本当に感謝しています。
AKB時代は、私にとってまさに「学校」そのものでした。メンバーたちと過ごす時間は家族以上に長く、お互いに同年代の悩みを共有し合い、支え合っていました。そして、この時期に築いた友人との深い絆は、現在に至るまで私にとって心強い支えとなっています。また、上下関係の大切さや礼儀など、この時期に学んだことは今でも仕事をする上で役に立っています。当時の経験は私を大きく成長させ、現在の自分を形作る大切な基盤となっています。
■お芝居に魅せられて進むべき道を決断
歌やダンスがあまり得意ではなかったことやなかなか休みが取れず、仕事に追われる忙しい日々が続くことで、いつしか仕事を事務的にこなす感覚に陥ってしまったのです。
そんなときに、「演じる」お仕事があってそれが本当に楽しく、お芝居の魅力にどんどん引き込まれていって、心の底から「これがやりたい」と思えるようになりました。自分が本当に楽しいと思えることを追求したいという思いが募り、AKBを卒業した後は、役者の道に踏み出しました。
アイドルから俳優への転身を決めたときに、私は「朝ドラのヒロインになる」「大河ドラマに出演する」「日本アカデミー賞を受賞する」という3つの夢を掲げました。そのうち2つは実現しましたが、最後の夢であるアカデミー賞受賞もこれから必ず叶えたいと思っています。
■常に前向きな心を忘れずに挑戦
私の人生は「運とご縁」で動いていると感じていますが、それを活かすためには日々の努力が欠かせません。特に、運が巡ってきたときにそれを活かせる準備を整えておくことが何より大切だと思っています。オーディションに関しても、私は「自分をアピールできる貴重な機会」とポジティブに捉え、落ちても「今回はご縁がなかっただけ」と割り切ることで、失敗を引きずらずに前に進むようにしています。この前向きな考え方が、諦めず挑戦し続ける力になっていると思います。
私は役を演じる際、監督やプロデューサーの意向をしっかりと受け止める柔軟さを大切にしています。AKB時代に個性豊かなメンバーと過ごしてきた経験から、状況に合わせて行動することの大切さを学びました。それが今の私の強みになっていると思います。また、仕事に臨む際は、仕事とプライベートをはっきりと分け、台本をしっかりと読み込んだ状態で、現場で役を作り上げるようにしています。そうすることで役にのめり込みすぎず、複数の作品を同時にこなす際にも役立ちます。そして何より「楽しむこと」を大切にし、常にポジティブな心構えを意識しています。
■人とのつながりが何よりも大切
俳優として活動していく中で、人とのつながりを大切にしています。また、体力がなければ撮影や舞台を続けることができないので、日頃から健康管理にも気を遣っています。昨年はドラマと舞台の両立で多忙を極め、心身ともに辛い時期もありましたが、自分の限界を知る大きな学びとなりました。当時は共演者の方々にサポートしていただき、人とのつながりが仕事をする上で何よりも大切だと改めて感じました。
アイドルから俳優に転身した際に、「卒業したらもうテレビで見なくなるよね」と思われたくないという思いが原動力となり、計画的に仕事に取り組むことを意識してきました。出産後も復帰まで2、3カ月という短期間で戻ることを決断したのは、「産休後に見なくなった」と言われたくないという強い意志があったからです。もちろん、どんな仕事も楽しいことばかりではありません。時には気持ちを奮い立たせて挑むこともあります。そうした状況でも「どうせやるなら楽しくやろう」と考えることで、自分の気持ちをポジティブに切り替えるようにしています。「これを終えたら楽しいことをしよう」と自分を励まし、前向きな気持ちで乗り越えるようにしています。
皆さんに伝えたいのは、どんな決断も決断に正解はありません。その決断を正解にするために、自分が努力する気持ちが大切なのです。
中高生新聞2025年4月号 国際基督教大学2年 若生真衣

ドS上司の無茶ぶりに翻弄されな
がら、崖っぷちタレントたちのため
に芸能界を駆け回る新人マネージ
ャー役として主演。
毎週日曜よる10時30分から日本
テレビ系で放送

N 高等学校2年 服部将昌/城西国際大学1年 渡部優理絵/東洋大学3年 太田楓華/国際基督教大学2年 若生真衣/津田塾大学2年 石松果林
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