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「SUITS OF THE YEAR 2025」授賞式

2025年11月12日(水)、「SUITS OF THE YEAR 2025」授賞式が開催されました。
本アワードは、日本経済新聞社のメディアビジネスライフスタイルサイト「THE NIKKEI MAGAZINE」(https://magazine.nikkei.com)が主催するもので、今年で8 回目を迎えました。
昨年同様、会場にお客様をお招きし、オンライン配信と合わせたハイブリッド形式で開催。ビジネス、イノベーション、スポーツ、芸術・文化、エンターテインメントなど、それぞれの分野で輝かしい功績をあげられた話題の4名を選出、表彰しました。
2025 年のテーマは「サステナブル」。
経営の革新や社会に新風をもたらす商品・サービスの開発などを対象とする【ビジネス部門】からは、東宝株式会社 代表取締役社長 社長執行役員の松岡 宏泰 氏。
新しい技術やアイデアで産業の進歩に寄与した【イノベーション部門】からは株式会社獺祭 代表取締役社長/4代目蔵元の桜井 一宏 氏。
競技の普及と発展に貢献した【スポーツ部門】からは、競泳選手の池江 璃花子 氏が登場。
さらに芸術やエンターテインメントで世の中に感動を与えた方にフォーカスした【アート&カルチャー部門】からは、歌舞伎俳優の尾上 松也 氏が選出。合わせて4名の受賞者が登壇。今年を象徴する受賞者の喜びの声とともに、それぞれのキャラクターを投影したスーツ姿で煌びやかにアワードを彩りました。

■受賞者のご挨拶

【ビジネス部門】
東宝株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 松岡 宏泰 氏

この度は、このような素晴らしい賞をいただき、心より感謝しております。この賞は大変認知度が高いようで、すでに多くの方からお祝いの声をかけていただき、大変嬉しく思っています。この一年で印象的だったのは、東宝グループとして理念体系を刷新したことです。多くの社員と議論を重ね、「そのひとときが人生の力になる」という想いを込めた企業スローガン『Moments for life』を制定し、共有していくことにしました。このプロジェクトこそが、我々にとって、未来への最も大きな一歩だったと思います。スーツについては、最初の就職時のイギリス人の上司の影響でネイビーのスーツを好むようになりました。それからクローゼットには似たようなスーツばかりが並んでいます。

【イノベーション部門】
株式会社獺祭 代表取締役社長/4代目蔵元 桜井 一宏 氏

この度は、光栄な賞をいただき、本当に嬉しく思っています。最初に連絡が来た時は信じられなかったです。獺祭を飲んで応援してくださる皆さんがこの場に連れてきてくださったと思っております。この場に立てたことに心から感謝しています。現在ニューヨークでは「獺祭Blue」を造っています。実際に造ってみると、本当に苦労の連続で。そこそこ美味しいお酒はできるのですが、そこから更に素晴らしいものにするにはやはり水と米と環境と空気といった全ての要素の総合力だと思います。試行錯誤の繰り返しで、まだまだ乗り越える壁はたくさんあるなと思っています。今回着用のスーツは獺祭Blueブルーにちなんで落ち着いたネイビーにブルーのストライプを選びました。

【スポーツ部門】
競泳選手 池江 璃花子 氏

この度は、本当に素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。これまで多くの素晴らしい方々が受賞されてきた中で、自分が選ばれるとは思っておらず、心から感謝しています。今年はオーストラリアから日本に拠点を移しました。日本に帰ってきたことによっていろいろなお仕事をいただいています。もちろん競泳を本業として続けながらも、一人の社会人としても様々なお仕事にチャレンジしていけたらいいなと思っています。今回着用のスーツは、明るさを意識してラメ入りのグレーの落ち着いたトーンを選びました。上下で着こなすだけでなく、ジャケットやパンツ単体でも楽しめるデザインになっています。プライベートでも少し冒険できる素敵なデザインが気に入っています。

【アート&カルチャー部門】
歌舞伎俳優 尾上 松也 氏

この度は、このような栄誉ある賞をいただき、大変嬉しく思っております。僕自身、スーツが似合う男としてさらに成長していかねばと、身が引き締まる思いです。今年は初めて演出を手がけた『刀剣乱舞』の新作歌舞伎があり、その第2弾の公演も夏に行われました。準備期間を含めて非常に多くの時間を費やしましたので印象に残っています。また、歌舞伎にも出させていただきながら、ミュージカル『エリザベート』などいろいろな方とお仕事をできるチャンスをいただけて大変光栄です。今回着用のスーツは本当に着心地が良くて自分の体にすごくフィットしたスリーピースになっています。ジャケットを脱いだときのシルエットも気に入っています。

■トークセッション 

【サステナブルな取り組みと繋がり】

松岡:世田谷にある東宝スタジオではエネルギー会社の方との出会いがあり、水素発電や太陽光発電を行っており基本的に脱炭素でまわっています。

桜井:お酒造りの中でいちばん大きいのは無駄を出さないという部分ですね。例えばお酒を造る過程で出来た酒粕なども無駄にならないように世の中にいい形で返すことを大切にしています。他には農業の生産者さんとの繋がりや伝統の価値を世間に伝えていくためにも職人さん同士が繋がっていくことも大切だと思い、取り組んでいます。

尾上:歌舞伎も先祖や先輩方が繋いできてくださり、今こうして400年以上の歴史になっています。まだ歌舞伎を見たことがない方にも歌舞伎の魅力を伝えていくためにも「守る」だけでなくいろいろなことにチャレンジしていくことが大切だと思っています。これも伝統を伝承することの一つだと思っています。

【日本の強みとは】

桜井:日本の食やお酒は、ときに傍から見るとちょっと行き過ぎているのではないかというくらい細かいところをずっと突きつめていると思うんです。そこが技術の蓄積となって世界に認められてきたのだと思います。日本食そして日本酒の良さはこれからも伝わっていくと思います。

松岡:コロナ禍においてエンターテインメントが「不要不急」と言われた時は、本当に胸が痛みました。しかし、日本の映画業界は世界でもいち早く映画館を再開し、安心して作品を届けるために業界全体で力を合わせました。その取り組みが『鬼滅の刃』の大ヒットにも繋がり、コロナ後にここまで映画ビジネスが戻った国は他にないのではないかと思います。

池江:オーストラリアから日本に戻ってきて改めて感じたことが、スーパーのお肉コーナーの陳列の美しさです。海外だとお肉はごろっと置かれているだけなので、日本の当たり前に整った美しさに感動しました。それに、お風呂で湯船にゆっくり浸かれることや、玄関で靴を脱いで「ただいま」と言える環境も、日本ならではの豊かな文化で強みだと思います。

【キャンドルでリラックス】

尾上:僕はコロナ禍で時間ができた時に、何となく家にあったキャンドルを炊いてみたのがきっかけで、一気にその魅力にはまりました。その後キャンドルショップに通い詰め、日本キャンドル協会の方々とご縁ができ、今では理事まで務めています。

池江:それこそ私もキャンドルが好きで!特にコロナ禍の時は練習から帰ってきて部屋を暗くしてキャンドルを炊いていました。その空間で温かい飲み物を飲みながら映画を観るのが私のリラックスタイムでした。

学生新聞オンライン2025年11月12日取材 東京家政大学2年  篠田陽菜乃

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