舞台「TRAIN TRAIN TRAIN」 和合由依さん・岡山天音さん出演 1枚の絵から紡がれる物語

2025年11月26日から東京芸術劇場プレイハウスにて、TOKYO FORWARD 2025 文化プログラム 舞台「TRAIN TRAIN TRAIN」が開幕しました。
舞台「TRAIN TRAIN TRAIN」は想像溢れる世界観と身体表現を生み出し、振付家・ダンサーとして類をみない活躍を見せる森山開次さんを中心に創作するオリジナルの舞踊作品。
「TRAIN」をモチーフに、不思議な音色を奏でるSLとユニークな乗客が繰り広げる冒険譚を、多彩なキャスト・アーティストが魅力溢れるシーン満載で綴ります。
今回は、開幕に先駆け11月25日に行われたゲネプロを取材させていただきました。
〜キャスト・スタッフ コメント〜
森山開次 [振付・演出・出演/ブレス 役]
東京2020パラリンピック開会式を終えてすぐ、1枚の絵を描きました。
それは不思議な蒸気機関車の絵でした。
その1枚の絵に多くの旅人が集い、この列車に同乗して、新しい物語を紡いできました。
さまざまな表現手法、背景を持ったキャスト・スタッフたち。
そして、この舞台を支えるサポートスタッフと一丸となってお届けします。
この舞台との出会いに心から感謝いたします。
蓮沼執太 [音楽]
私たち音楽隊は、舞台ステージ後方で音楽を奏でながら物語を見守ります。イトケンさん、宮坂遼太郎さん、三浦千明さんとの生演奏は、列車「月光ムジカSL」の旅と共振していきます。
ピアノ、ドラム、パーカッション、トランペットなどの楽器を使って、さらには月の形をした様々な楽器や物と触れながら新しいサウンドスケープを作ります。
そして、和合由依さんのユーフォニアム、坂本美雨さんの声、KAZUKIさんとSasa-Marieさんによるサインミュージック。すべての音と気持ちが重なり交わって『TRAIN TRAIN TRAIN』音楽が立ち上がります。
一緒に旅を楽しみましょう。
三浦直之(ロロ) [テキスト]
超最高〜!って気持ちがひたすらずっとつづいてる!
ここに観客が加わったら、「超」があと何個足されるんだろ!!
栗栖良依 [アクセシビリティディレクター]
ここまで多くの方々のご理解とご協力のもとで、とても挑戦的な作品をつくることが出来たことに、まずは心から感謝しています。いよいよ「SLムジカ」が出発します!この作品が、多くの劇場ファンや舞台制作者にとって、これからの舞台芸術の楽しみ方やあり方を、そして何気ない日常の当たり前について、ふと見つめ直すきっかけになることを願っています。
和合由依 [月の少女ミューズ/SLムジカ ミューズ 役]
この舞台では生歌唱や生演奏、生パフォーマンスが繰り広げられます。昔から生のものに触れることが好きな私にとって、この上なく幸せな現場です。私の体が持つ感覚全てを使って、生なものたちを精一杯吸収し、舞台上で舞い放ちたいです。出会ったことのない感覚や感情の旅をお届けできましたら幸いです。
岡山天音 [詩人レン 役]
長い稽古を終えて、これからいよいよ幕が上がる事に僕自身、高揚しています。
それぞれの陽の光を持つ共演者の皆さまと、今日まで時間を共にできた事が幸福でした。
これからの公演の中、僕が演じるレンを伴った僕自身の、どこかを目指す奇妙な旅が始まります。
劇場に足を運んでくださる皆様のもとへ、何かが降ってきてくれることを祈っております。
坂本美雨 [女神メモリー 役]
さまざまなことを乗り越えてきたひとりひとりの身体と、言葉、音楽、映像、手話が混ざり合い、汽笛を鳴らして進んでいきます。想像力をおもいきり、めいっぱい膨らませてこの世界に飛び込んでいただけたらと思います。
KAZUKI [作曲家ベン 役]
『TRAIN TRAIN TRAIN』公演で、”ムジカ”という列車に乗り込むのは、誰もがそれぞれの“当事者”としての痛みや希望を抱えた人たちが乗車します。
同じ月を見つめながら、同じ景色には辿りつけないかもしれない。それでも前へ進み続ける生き様を、視覚的な身体や新たな手話表現や初めて挑戦するサインミュージックで誠実に届けたいと思います。劇場でお会いできることを楽しみにしています。
はるな愛 [バロックマダムズ(オルガン婦人)役]
人は皆それぞれ個性がある。
個性ある乗客たちが、同じ列車で旅をする。
その乗客達を目撃し同じ旅をして、皆さんも一緒に旅人になってください。






【撮影:宮川舞子】
誰もが楽しめる世界観 〜学生の観劇レポート〜
この作品は、ただ観るのではなく、自分も一緒に列車に乗り込んだかのような没入感のある舞台でした。手話や字幕が自然に溶け込み、言葉は少なく、詩的な表現と身体の動きによって物語が紡がれていきます。その様子は、言葉にするのは難しいけれど、芸術の中にさらに芸術が広がっている感覚を覚えました。
また、手話や字幕など様々な工夫により、誰もが同じ空間で楽しめる作品であることも印象的でした。中でも、オノマトペを身体で表現しているのが心に残りました。言葉ではない共通言語が観ている私たちを暖かく包み込み、心まで揺らされるような不思議な時間でした。視覚的な楽しさだけにとどまらず、心の奥に触れ、感情そのものを揺さぶられる作品でした。
武蔵野大学3年 吉松明優奈
観劇している時間があっという間に過ぎていきました。
ひとつひとつの言葉はどこか不思議でありながら、気がつくと心の奥にすっと馴染んでいて、観終わったあとに大切な言葉を優しく手渡されたような感覚になりました。
これまでいくつか舞台を観てきましたが、その中でも動きの大きさやビジュアルの豊かさが際立っていて、視覚的にたくさん楽しむことのできる作品でした。
要所要所でセリフと同時に手話がされていて、誰一人置いていかないように世界を共有しようとする姿勢が印象的でした。
登場人物ひとりひとりが生の躍動感に満ちた舞台で、役者さんたちのエネルギーが客席に真っ直ぐ心に届いてくるようでした。
とても優しさ溢れる舞台で4回の上演なことが寂しくなるくらい何度でも観たい舞台でした!
城西国際大学2年 渡部優理絵
<公演概要>

舞台「TRAIN TRAIN TRAIN」
振付・演出 森山開次
音楽 蓮沼執太
テキスト 三浦直之(ロロ)
○公演日程
2025年11月26日(水)〜30日(日)
○劇場
東京芸術劇場 プレイハウス
○キャスト
和合由依 岡山天音 坂本美雨 KAZUKI はるな愛 森山開次
/大前光市/浅沼圭 岡部莉奈 岡山ゆづか 小川香織 小川莉伯 梶田留以
梶本瑞希 篠塚俊介 Jane 田中結夏 水島晃太郎 南帆乃佳
演奏 蓮沼執太 イトケン 三浦千明 宮坂遼太郎
スウィング 鈴木彩葉 田村桃子 中村胡桃
○スタッフ
アクセシビリティディレクター:栗栖良依
スペシャル・アンバサダー:ウォーリー木下
衣装・宣伝衣装:伊藤佐智子 美術:大島広子 舞台監督:橋本加奈子 照明:櫛田晃代
音響:稲住祐平 映像:ムーチョ村松 ヘアメイク:計良宏文 演出助手:美木マサオ 振付助手:梶田留以
サインミュージック・ドラマトゥルク:Sasa-Marie アクセスコーディネーター:廣岡香織 定行夏海
稽古手話通訳:井本麻衣子 麻生かおり
委託プロデューサー:小沼知子 制作助手:加藤夏帆 アクセシビリティアドバイザー:廣川麻子
宣伝美術:浜辺明弘 宣伝写真:長山一樹 宣伝ヘアメイク:新井健生

学生新聞オンライン2025年11月25日取材 城西国際大学2年 渡部優理絵/武蔵野大学3年 吉松明優奈


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