八千代市長 服部友則
「住みたい・行きたい・働きたい」選ばれるまち,八千代への挑戦

八千代市 市長 服部 友則(はっとり とものり)
■プロフィール
1957年千葉県八千代市生まれ。山梨大学教育学部卒。
大学時代の恩師との出会いから,地方自治に興味を持ち政治家を志す。
1982年八千代市議会議員選挙に初挑戦し当選。
八千代市議会議員を6期20年,千葉県議会議員を3期10年にわたって務める。
2017年5月から現職。
大学時代の恩師との出会い,そして一度の落選を経てスクールガードを続けながら歩んできた服部友則市長。現場で市民の声を聞き続けながら,人口減少時代でも「選ばれるまち,八千代」であり続けるための挑戦と,次世代を担う若者たちへの想いを語っていただきました。
■部活動に捧げた青春と,政治の道を拓いた大学時代の恩師
私は生まれも育ちもこの八千代市です。高校時代はバレーボールに打ち込み,周囲が受験のために引退していく中でも,浪人を覚悟で最後まで部活をやり遂げました。案の定,一浪することになりましたが,予備校で早くに部活を辞めた仲間と再会した時,「バレーを続けておけばよかったのに」と感じたことを覚えています。自分で決めたことを最後までやり抜く姿勢は,この時に養われたのかもしれません。
大学は富士山が好きだったこともあり,山梨大学に進みました。当初は弁護士志望でしたが,ここで人生を変える恩師・野村先生と出会いました。
先生は授業以外にも食事に連れて行ってくださったり,市議会や山梨県庁の傍聴に同行させてくださったりしました。実際に動いている政治の現場に触れる中で,「弁護士よりも政治の方が面白い」と感じるようになりました。この野村先生との出会いは私の人生の決定的な分岐点でした。
■政治家としてのスタートから市長になるまで
地元に戻り,市議会議員に立候補したのが私の政治家としてのスタートです。私は自分を「地方政治家」だと思っています。最初から国政を目指すつもりはなく,より市民の皆さんに近い場所で生活の困りごとを解決したいと考えていました。
市長を目指すきっかけは市議会議員時代にありました。市議を三期,四期と務める中で,「やはり地方政治の頂点は,市長だ」と強く思うようになっていきました。そこからは「ゆくゆくは市長を目指さなきゃいけない」という覚悟を持って歩み始めました。
その後,県議会議員を10年務めました。当時は少し回り道だったかなと思う反面もありましたが,今市長として政治を行う上で,あの10年間の経験が非常に大きな財産になっています。千葉県庁の職員さんたちとも深い信頼関係を築くことができたのは今の市政運営に間違いなく活きています。
■落選期間に始めたスクールガード
浪人中の4年間,後援会の青年部と共に始めたのが「スクールガード」でした。
市長選が終わって初めて旗振りに立った時のことです。ある男の子から「選挙,勝った?」と声をかけられました。「勝ったよ」と答えると,「おめでとう!」と返してもらいました。その時は素直にとっても嬉しかったです。この子は私が市長選挙に出ていたことを知ってくれていたんだと思って。
他にも現場に立つことでしか得られない気づきがあります。例えば,信号のない不規則な交差点の危険性や,ボランティアの高齢化などの課題です。市長になった今でも,動体視力がしっかりしている間はスクールガードを続けようと決めています。
■人口減少時代に挑む「選ばれるまち,八千代」への戦略
現在は人口減少と高齢化という課題に直面しています。そのなかで私が掲げるのは「選ばれるまち,八千代」です。
八千代は成田空港と羽田空港の中間に位置し,鉄道の利便性も非常に高い,優れたポテンシャルを持っています。この強みを活かし,単なるベッドタウンとしての「住む場所」だけでなく,「働く場所」としての魅力を高める必要があります。新たな企業や工場を誘致し,市外からも多くの人が通勤してくる昼間人口を厚くしていくことが不可欠です。
さらに,もう一つ大切にしたいのが交流の観点です。私が千葉県議時代に取り組んできたのは,「まずは一度,足を運んでもらう」という仕組みづくりです。観光などをきっかけに一度訪れ,二度,三度とリピーターとして足を運んでいただく。そうして八千代の良さに触れるうちに,この街に住みたいと思っていただく。この観光・交流から移住へと繋げる流れは,今の八千代にもまさに必要な視点だと感じています。
あわせて,子育て支援も最優先事項です。待機児童ゼロを目指し,小規模保育の充実を図るとともに,別々の場所にあった施設を移転し,集約した「ハルモニア」のような子育て支援施設の整備を進めました。働く場所を創出し,若い世代が住みたいと思える環境を整えることが重要だと感じています。
■信頼で繋ぐ教育現場と未来を担う子どもたち
教育に関しては,現場の先生方や教育長を信頼して任せるのが私のスタイルです。ただ,「子どもたちを大事にする」という想いだけは共有しています。
この想い以上に子どもたちが主体となって街について考えてくれていることを実感した嬉しいエピソードがあります。それは教育委員会が主催する「子どもサミット」で,中学生たちが自ら最初のテーマに選んだのが「防災対応」ということでした。
サミットの委員長さんに理由を尋ねると,「八千代はベッドタウンだから,昼間はお父さんも,下手したらお母さんも八千代にいない。そうなると,僕たち中学生が頑張らないと頼る人がいなくなる。だから自分たちが災害対応をやるんだ。」ということでとても驚きました。
市としては,本来は新たな企業誘致などを通じて昼間人口を厚くし,大人が街を守る体制を整えるべく取り組んでいます。しかし,子どもたちが街の構造を理解し,「自分たちがやらなきゃ」と危機感を持って立ち上がってくれたことは,私にとって非常に嬉しい誤算でした。今の子どもたちの志の高さには本当に驚かされました。
■大学生へのメッセージ
大学時代は,学問をさせられるものから自らやりたいと思ったものを選ぶものへと変わっていく時です。自分がやりたいと思って選んだ道であれば,それは一生の財産になります。自主性を大切にしてくれるのが大学だと思うので自分のやりたいと思ったことを学問に限らず全力で謳歌してほしいと思います。
学生新聞オンライン2025年12月16日取材 東京家政大学2年 篠田陽菜乃

武蔵野大学1年 市川蓮/東京家政大学2年 篠田陽菜乃/法政大学4年 佐伯桜優/東京女子大学2年 浮田梨紗/法政大学4年 島田大輝


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