紀伊國屋の「熱海殺人事件」は終わらない!「つかこうへい十七回忌特別公演「熱海殺人事件」ラストメッセージ」稽古場公開

2026年2月14日から東京・紀伊國屋ホールにて「つかこうへい十七回忌特別公演「熱海殺人事件」ラストメッセージ」が開幕します。
“東京警視庁にその人あり”と言われた本村伝兵衛部長刑事には、2020年からこの大役を演じ続け、現在国内では唯一無二の存在と言われる荒井敦史さんが続投、演出の中江監督の『教場』シリーズ最新作では、鬼の副教官木多見新役に抜擢される等、重厚で確かな演技に高い評価を集めています。
捨て身の潜入捜査を行うヒロイン水野朋子婦人警官には、元Dream5のメンバーで、近年は女優としてドラマ映画など多方面で活躍、『教場」最新作では印象的で魅力的な女生徒を演じ、今回、中江監替からヒロインとして抜擢された大原優乃さん。
そしてダブルキャストの水野朋子には、2025年「新・幕末純情伝』沖田総司役で鮮烈な紀伊國屋デビューを果たし、同年卒業したAKB48では1,300ステージ以上の劇場公演に出演してきた確かな表現力で“シアターの女神”と異名をとる村山彩希さん。
犯人大山金太郎には、2025年デビューを果たした「CLASS SEVEN」のメンバーで、舞台『IMPACT』で鮮烈な印象を残した横田大雅さん。今回の大抜擢で、大山役では2017年の増子敦貴さんの持つ17歳1ヶ月という最年少記録を16歳1ヶ月まで更新します。
同じく大山金太郎をダブルキャストで演じるのは、2025年、「新・幕末純情伝』で坂本龍馬役を演じ高い評価を受け、ミュージカル界の新星と呼ばれ、『ALTAR BOYZ』等でめざましい活躍を続ける百名ヒロキさん。
そして、熊田留吉刑事には、紀伊國屋つかこうへい作品には、もはや欠かせない存在と言われる高橋龍輝さん。
他に、おなじみ爆弾キャストとして、久保田創さん、柳下大さん、等が名を連ねます。
公演中はシャッフル公演や、特別公演など様々な企画公演が盛りだくさん、つかこうへい十七回を盛り上げることになります。
開幕に先立ち、2026年2月5日に行われた公開稽古を取材させていただきました。
テーマは愛!一つの区切りとなる「ラストメッセージ」へ〜囲み取材〜
中江 功さん:僕がこの作品を手がけるのは3回目なのですが、十七回忌という節目の年に上演することができることをとても光栄に思っております。
俳優陣が変わると中身も少し変わってくるという、まだまだ毎回新しい発見や気づきがある作品で化け物のような作品だなと思っています。
荒井敦史さん:僕自身は中江さんと3度目のタッグです。そして『熱海殺人事件』という作品でいえば今回で6度目になるのですが、ずっと木村伝兵衛を演じさせてもらっています。今回『熱海殺人事件 ラストメッセージ』は副題で『ラストメッセージ』とあるのでひとつの区切りになるような作品になればいいなと思い、日々稽古で模索しております。
何より今回新しく参加してくれているメンバーが『熱海殺人事件』という作品の魅力であったり、出演者自身が楽しんでくれればいいなという思う気持ちもあります。その中で僕が座長としても、木村伝兵衛としても、新しく確固たるものを何か見つけられたらいいなというのが今回の意気込みであります。
大原優乃さん:念願のつかこうへいさんの戯曲、そして『教場』でお世話になった中江さんとまたご一緒させていただける喜びを日々感じております。
水野朋子として精一杯生き抜きたいと思います。
村山彩希さん:私は前回『新・幕末純情伝』で沖田総司役を演じさせていただいたのですが、またその時とは全然違った女性の役で「演技って一つだけじゃないんだな」と改めて考えさせられることが多いです。私は元々演技が苦手だったので、そこに向き合うことで自分とも向き合えている気がして、改めて自分の成長にも繋がっているのかなと思うと嬉しいです。座長の荒井さんをしっかり支えられるように、背中を押せるように、何度見ても楽しんでいただけるような作品を創り上げられたなと思っています。
横田大雅さん:今、囲み取材が初めてでとても緊張しています。稽古をしていく中で『熱海殺人事件』という作品にとても魅力を感じていますし、最高の方たちがいつも隣にいるので、みなさんの素敵な部分をたくさん吸収していきたいです。最年少の16歳ということで自分にしかできない大山金太郎を演じられたらなと思っております。よろしくお願いします。
百名ヒロキさん:同じく大山金太郎を演じるのですが、ダブルキャストの(横田)大雅くんとは歳がちょうど倍違います。(横田)大雅くんからもいただけるものもありますし、僕が提示して、もうすでに違う金太郎ができていると思うので、どちらのキャストを観ても楽しめる作品になっています。『熱海殺人事件』という作品を紀伊国屋で、このメンバーで上演できるのは今回きりかもしれないので、本当にこの貴重な機会、ぜひ見に来ていただきたいですし、私たちもそれに向けて頑張りますので、お楽しみに!!
高橋龍輝さん:僕自身、『熱海殺人事件』は4回目の出演になります。熊田をやって、熊田をやって、金太郎をやって、また熊田に戻ってきました!今まで演じた熊田よりさらにパワーアップした熊田を皆さんに見せられるように精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
Q.稽古場でのエピソードはありますか?
高橋さん:みんな稽古初日からセリフが入っていたことに驚きました!
百名さん:「稽古が始まるまでにできるだけ覚えてください」と書いてあって「できるだけ」という言葉に圧を感じて…笑 絶対に覚えなきゃいけないのかなと思ったんです笑
荒井:僕が初めて出たときも「できるだけ覚えてください」と書いてありましたが1個も覚えずに稽古に行きました笑
そして、何より一番のエピソードは、今回最年少16歳で金太郎を演じることになりますが、(横田さんの)誕生日を稽古場で迎えたことだと思います。15歳から16歳への切り替えのタイミングをみんなで見届けて稽古中にお祝いしました。
横田さん:すごい嬉しかったです!
Q.今回役を演じる上で心掛けたことはありますか?
大原さん:私は元々『熱海殺人事件』の過去の作品の舞台を拝見していたので、その歴史を受け継がせていただくという責任感をとても感じていました。でも中江さんから「自分だからできる水野を生み出してほしい」というのを毎日言っていただいているので、自分ができることということを念頭に置きながら日々模索しています。
村山さん:私は「目を開く」を心がけています!もちろん自分では開いているつもりなのですが笑 感情を表に出そうとすればするほど、自分で考えすぎてしまうというお芝居ではなく、人の目に自分の感情を押して入れていくということが大事ということを前回引き続き教えていただいたので、今回も目を開いていきたいと思います!
中江さん:先ほど言ったように歴史のある作品なので、みんながなんとなく「こういうものだろう」と思ってやっていて、過去の『熱海殺人事件』をなぞっているように感じていました。
その中で、ある日大雅(横田さん)が「なぜ金山が殺しをしたのかがわからない」と言ってくれて、もう一回『熱海殺人事件』という作品について話し合う機会になったんです。「こういうものだろう」と思ってやっていた大人が気づかされた瞬間でとても良かったなと思います。
Q.台本を読んでみたときと、実際にお芝居をしてみたときの違いはありましたか?
荒井さん:つかさんがバリバリ活動されていたときは「口立て」といって、その場で作品を創っていましたが、僕らの今やっている世代はテキストベースでお芝居が進んでいきます。書いてあることを表現するとなると恐らく当時の色とも全く違うので、その中でできる限りのことをやるという方向に行きがちになってしまうのが難しさという意味での違いだと思います。
百名さん:台本の文面通り、言葉通り成り立たせようとして演技をすると「あれ?意外と違うんだな」となります。
稽古場でみんなと実際にやってみてからやっと生まれてきて「こういうことだったんだな」となります。お客さんも一回見ただけだとわからないかもしれないのですが、それこそがこの作品が長年受け継がれている理由であり、魅力なんだなと思います。
高橋さん:そして、テーマは”愛”なので、愛を持って頑張っていきたいと思います!!
Q.最後にメッセージをお願いします。
荒井さん:この『熱海殺人事件 ラストメッセージ』で『熱海殺人事件』という作品を語り継ぐのと同時に「ラストメッセージすごい良かったよね」と言ってもらえるような作品にするというのがまず一番の目標だと思います。それに向けてキャストがそれぞれ頑張りつつ、しっかりチームとしてこの作品を素敵なものにできるように稽古をして、皆さんにいいものをお届けできるように頑張りたいと思いますので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらなと思っております。


一瞬で『熱海殺人事件』の物語の世界へ〜学生の観劇レポート〜
一部シーンのみの公開にも関わらず『熱海殺人事件』の世界だ!!!!!と胸がワクワクしました。
特に荒井さんは今回で6回目の『熱海殺人事件』出演ということもあり、木村伝兵衛部長刑事としての貫禄が素晴らしく物語を強く引っ張る存在で魅力が溢れていました。
役者さんの中でも、特に印象的だった方が大原優乃さんで、シーン公開のため物語の途中から始まる形にも関わらず、一瞬で水野朋子婦人警官の世界に入り込み、涙を浮かべていた姿が心に残りました。
笑いあり、涙あり、踊りもあり!?な『熱海殺人事件』。十七回忌という節目の年にこんなにも素敵な作品が生まれていることに感動し、とても開幕が楽しみになりました!!!!早く全編見たい!!!と思わせてくれる稽古でした!
(城西国際大学2年 渡部優理絵)
【公演概要】

つかこうへい十七回忌特別公演 「熱海殺人事件」ラストメッセージ
【作】つかこうへい
【演出】 中江功
【出演】
木村伝兵衛部長刑事:荒井敦史
水野朋子婦人警官:大原優乃/村山彩希(Wキャスト)
犯人大山金太郎:横田大雅(CLASS SEVEN)/百名ヒロキ(Wキャスト)
熊田留吉刑事:高橋龍輝
【公演日程】 2026年2月14日(土)〜3月2日(月)
【会場】 紀伊國屋ホール
◆公式HP:http://www.rup.co.jp/stage/atami_2026.html

学生新聞オンライン2026年2月5日取材 城西国際大学2年 渡部優理絵


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