株式会社サラダクラブ 代表取締役社長 新谷昭人
つながりを力に挑戦し続ける
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株式会社サラダクラブ 代表取締役社長 新谷昭人(にいやあきと)
■プロフィール
1974年愛媛県生まれ。1997 年愛媛大学 農学部を卒業後、キユーピー株式会社に入社。家庭用営業として東京、大阪、郡山などの部署を経て、2021年より広域営業本部家庭用営業部 部長に就任。2023年2月にサラダクラブ営業本部 本部長として出向。翌年2月取締役に就任、2024年10月取締役マーケティング統括本部本部長、2025年2月代表取締役社長に就任、現在に至る。
いまやスーパーで当たり前に見かけるパッケージサラダ。その市場を切り開いてきたサラダクラブは、人を大切にする姿勢を軸に成長してきました。生産者との信頼関係や食品ロス削減への挑戦を通して、健康的な食文化を提案し続けています。挑戦を続けるサラダクラブのこれまでとこれからについて、新谷社長にお話を伺いました。
学生時代は、まさに部活動中心の生活を送っていました。所属していたのは空手道部です。厳しい上下関係や道場での礼儀作法など、そこには「社会の縮図」ともいえる環境がありました。技術だけでなく、礼儀や忍耐力、そして人との関わり方まで、心技体すべてが鍛えられた時間だったと感じています。入部当初は、周囲のレベルの高さについていけず、思うようにできないことばかりでした。しかし、練習や体力づくりを継続する中で、少しずつできなかったことができるようになる瞬間を積み重ねていきました。その過程が楽しくなり、空手そのものがどんどん好きになっていったのです。仲間とともに努力し、ともに成長し、その成果が目に見える形で表れることも、大きなやりがいにつながっていました。
大学では栄養学を専攻しました。運動を続けていたこともあり、体に入った栄養がどのように吸収され、どのような働きをするのかというメカニズムに強い関心を持ち、研究に取り組みました。研究室の仲間には研究職を志望する人が多くいましたが、私は人と直接関わる仕事がしたいという思いから営業職を志望しました。
当時学んだ栄養の知識は、すぐに仕事に直結するものではありませんでしたが、今では言葉としてではなく、体の仕組みとして理解できている感覚があります。食や健康を扱う仕事に携わる中で、その学びは確かな土台になっていると感じています。
■人とのつながりを紡いできた仕事
食べることが好きという気持ちと、栄養への興味から、大学卒業後はキユーピー株式会社に入社しました。空手で体づくりをする中、日常的にサラダを多く食べていたことや、マヨネーズが好きだったことも志望動機の一つです。
営業職として配属されてからは、スーパーへの商品提案や売り場づくりを担当しました。商品を売り込むだけでなく、「自分自身を信頼してもらう仕事でもある」と感じるようになりました。得意先との関係づくりにおいて大切にしていたのは、うわべのビジネスで終わらせないことです。相手の立場に立って考え、この人のために何ができるか、期待を少しでも超えられないかを常に意識して行動してきました。そうした積み重ねが信頼関係につながり、本当に求められていることが見えてくるようになりました。
サラダクラブでは、農家との契約、仕入れ、販売までをつなぐ役割も担っています。約400もの産地と契約を結んでいるので、生産者との信頼関係は事業の根幹です。営業時代に培った人との信頼関係を築く力が大きな支えになっています。人とのつながりが広がるほど、その大切さをより強く実感しています。
■社会に貢献できる仕事とは
サラダクラブは、1999年にキユーピーと三菱商事の共同出資によって誕生しました。現在では当たり前になったスーパーのパッケージサラダ売り場ですが、その市場を切り開いてきたパイオニアと自負しています。欧米で調理の手間を減らすカット野菜の需要が拡大していることに着目したのが始まりでした。
現在のサラダクラブの強みは大きく三つあると考えています。一つ目は、生産者を大切にする姿勢です。天候などによって収穫量が変動しても、価格を一律で買い取る仕組みを整えることで、農家の安定した収入につなげています。また、人を大切にする企業文化の表れとして、2026年には初めて工場の元日一斉休業も実施しました。こうした取り組みも信頼関係につながっていると考えます。二つ目は、食品ロス削減への取り組みです。保存料に頼らずに野菜の鮮度をどのように保つかという課題に向き合い続け、消費期限の延長を実現してきました。消費期限が延びることで廃棄ロスを減らせるだけでなく、消費者にとってもまとめ買いができるという利便性につながっています。三つ目は、キユーピーグループとしての提案力です。ドレッシングや調味料など多彩な商品と組み合わせたレシピ提案が可能で、「野菜を買って終わり」ではなく、「おいしく食べる体験」まで提供できる点が強みです。将来的には、サラダクラブを通して健康的な食文化をより広く社会に根づかせていきたいと考えています。
■大学生へのメッセージ
最後に学生へのメッセージとして、「失敗を恐れず、チャレンジしてほしい」とお伝えしたいです。キユーピーグループの現中期経営計画のスローガンでもある「Change & Challenge」のとおり、社会や環境は常に変化しており、現状がこのまま続くとは限りません。だからこそ、言われたことだけをこなすのではなく、自ら考え、主体的に行動することが大切だと思います。その第一歩は「興味を持つこと」です。分からないことをそのままにせず、自分事として向き合う姿勢が、新しい世界への扉を開きます。挑戦の中で失敗することがあっても、その姿を見て助けてくれる人が必ずいます。どんな個性も強みになります。前向きに、笑顔でチャレンジしてみてください。また、さまざまなコミュニティに身を置き、多様な人と出会うことも大切です。自分の枠の外にある価値観に触れることも、大きな挑戦の一つです。これは学生時代に限らず、社会に出てからもずっと大切にしてほしい姿勢です。
学生新聞オンライン取材2026年1月28日取材 津田塾大学3年 山下さくら

武蔵野大学3年 吉松明優奈/城西国際大学2年 渡部優理絵/津田塾大学3年 山下さくら/東京家政大学2年 篠田陽菜乃/東京薬科大学3年 庄司春菜


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